日本オラクルがミドルウェアの進化を説明
Javaは新製品パッケージが登場
2011/07/04
日本オラクルは7月1日、同社のミドルウェア製品(WebLogic Server、Java、Coherence)について説明した。これによるとJava SEは、7月中旬より国内で新しい製品パッケージングに移行する。
無償の「Java SE」では、新たにOracle JRockit JVMも無償で提供。Sun JVMがマルチプラットフォームを前提としているのに対し、JRockit JVMはインテルアーキテクチャに最適化されて高速であるほか、動的ガベージコレクションなどによる安定性や、管理性の高さが特徴と、日本オラクルでは強調する。これまでどおり、メンテナンス期間は約3年で、次バージョンが出るまではメンテナンスが継続される。
このJava SEに有償サポートを加えたのが「Java SE Support」。新OSや新Webブラウザへの対応、バグフィックスやセキュリティパッチの提供を迅速に提供する。過去バージョンも併せてサポートする。
有償製品として、「Java SE Advanced」「Java SE Suite」を提供する。Java SE AdvancedはJRockit JVMのJava SEへの追加に伴い、その管理を支援する「JRockit Mission Control」(アプリケーション実行モニタリングツール)および「JRockit Flight Recorder」(実行情報を記録するツール)をライセンスに含む。Java SE Suiteは、さらに「JRockit Real Time」(高速トランザクション処理のためのガベージコレクション制御/安定化機能)を含む。
これらのJava製品は、オラクル認定販売パートナーが広く販売していく。「Javaも、オラクルのほかの製品と同じように提供していくのがオラクルの方針」と、日本オラクルFusion Middleware事業統括本部ビジネス推進本部シニアマネジャーの伊藤敬氏は話している。
一方、「Oracle Coherence」については、大規模案件での採用が増えていることを、日本オラクルはアピールした。これは、アプリケーションサーバとデータベースの間に立ち、複数のサーバ間で共有したメモリ空間にデータを展開することで、アプリケーション実行を高速化できる製品。サーバおよびメモリを、アプリケーションニーズに応じて追加していくことで、効率的に処理能力を増強できるメリットもある。
オンラインショッピングでは、楽天やヨドバシカメラが採用していることが知られている。全日本空輸は、オンラインサービスサイトでCoherenceを採用。空席照会機能の処理時間が約10分の1になったほか、可用性が大幅に向上したという。
面白い事例はNTTぷらら ひかりTVの課金処理。契約者ごとの毎月の利用料を集計するバッチ処理が、契約数の増大に伴い夜間に終了しなくなったことが、導入のきっかけという。
データベースは他のアプリケーションも利用することから、データベースに負荷をかけずに増強できる手法として、Coherenceを導入。結果として処理時間は15時間から2時間弱に短縮できたという。この処理は、Hadoopで実現できるものと非常に似た仕組みで行っている。NTTぷららでは、実際にHadoopの利用も検討したが、安定性とサポートを考慮し、Coherenceを使ったソリューションを選択したという。
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