同じURLでもアプリやコンテンツに応じて異なる制御
クラウドサービスを帯域制御に活用、ブルーコート
2011/08/10
ブルーコートシステムズは8月9日、「PacketShaper」を通じて提供している帯域制御技術に関する説明会を開催した。主にマルウェア対策を目的に構築してきたクラウドベースのサービス「Blue Coat WebPulse」を、新しいアプリケーションやサービス判別のために活用することで、より高い精度でトラフィックを制御するという。
PacketShaperは、企業ネットワークを流れるトラフィックを監視し、どんなアプリケーションに利用されているかを判別した上で帯域を制御するアプライアンス製品だ。ERPや販売支援など、企業にとって重要な業務アプリケーションの帯域を確保する一方で、ゲームや動画、P2Pなど、業務に無関係なトラフィックの帯域を絞ったり、ブロックすることで、リソースの最適化や生産性向上を支援する。
米ブルーコートシステムズ プロダクトマネジメント担当シニアディレクター スティーブ・ハウス氏によると、近年は特に、動画やFacebookをはじめとするソーシャルネットワーキングの普及により、帯域の圧迫が深刻化しているという。同時に、SaaS型のWebアプリケーションが増加しており、単なるポート単位の制御では、業務用のアプリケーションなのか、それとも私用なのかを区別するのが困難になってきた。これをPacketShaperでは、「IPアドレスやポート番号といったレイヤではなく、アプリケーションレイヤで識別を行い、ポリシーに基づいて制御する」(ハウス氏)ことが特徴だ。
さらに、2010年11月に発表した最新ソフトウェア「PacketShaper 8.6」では、ブルーコートが構築しているクラウドベースのサービス、WebPluseに対応した。
WebPulseでは、同社のユーザーからWebコンテンツに関する情報を収集してクラウド上に集約し、悪意あるサイトやマルウェアに関する最新の情報を活用できる。PacketShaperはこれを、マルウェア検出というネガティブな目的ではなく、最新のアプリケーションやサービスをいち早く識別するために活用する。この結果、日々新たに生まれる新しいサービスを迅速に認識し、各企業のポリシーに基づいて制御できる。現時点では、82種類のURLカテゴリの識別が可能だ。
さらに、「URLカテゴリ別分類」機能により、同一のURLを、そこで提供されるアプリケーションやコンテンツの内容に応じて最大4つのカテゴリに分類し、個別に制御することも可能だ。ユーザーに基づく制御はサポートしていないが、例えば「アクセス先が同じFacebookでも、マーケティングやリクルーティングといった活動は許可しながら、ゲームや動画視聴は制限するといったことができる」(ハウス氏)。
米国では、従業員が所有するスマートデバイスを企業内に持ち込んで活用する「Bring Your Own Device」が広がり始めているが、ハウス氏によると、iPhoneを会社のWi-Fiネットワークにつないで大量の動画データをダウンロードして、帯域を圧迫してしまったなどというケースもあったそうだ。こうしたケースにも、PacketShaperは有効だとした。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
- 完全HTTPS化のメリットと極意を大規模Webサービス――ピクシブ、クックパッド、ヤフーの事例から探る (2017/7/13)
2017年6月21日、ピクシブのオフィスで、同社主催の「大規模HTTPS導入Night」が開催された。大規模Webサービスで完全HTTPS化を行うに当たっての技術的、および非技術的な悩みや成果をテーマに、ヤフー、クックパッド、ピクシブの3社が、それぞれの事例について語り合った - ソラコムは、あなたの気が付かないうちに、少しずつ「次」へ進んでいる (2017/7/6)
ソラコムは、「トランスポート技術への非依存」度を高めている。当初はIoT用格安SIMというイメージもあったが、徐々に脱皮しようとしている。パブリッククラウドと同様、付加サービスでユーザーをつかんでいるからだ - Cisco SystemsのIntent-based Networkingは、どうネットワークエンジニアの仕事を変えるか (2017/7/4)
Cisco Systemsは2017年6月、同社イベントCisco Live 2017で、「THE NETWORK. INTUITIVE.」あるいは「Intent-based Networking」といった言葉を使い、ネットワークの構築・運用、そしてネットワークエンジニアの仕事を変えていくと説明した。これはどういうことなのだろうか - ifconfig 〜(IP)ネットワーク環境の確認/設定を行う (2017/7/3)
ifconfigは、LinuxやmacOSなど、主にUNIX系OSで用いるネットワーク環境の状態確認、設定のためのコマンドだ。IPアドレスやサブネットマスク、ブロードキャストアドレスなどの基本的な設定ができる他、イーサネットフレームの最大転送サイズ(MTU)の変更や、VLAN疑似デバイスの作成も可能だ。
キャリアアップ
- - PR -
- - PR -
転職/派遣情報を探す
「ITmedia マーケティング」新着記事
「パーソナライズド広告・販促」に企業は意欲的 でも、消費者の印象は……
KPMGジャパンは顧客体験価値を向上させる6つのテクノロジーについて調査を実施した。企業...
コロナ前に戻った「社会貢献意識」 2024年は過去最低の値に
博報堂生活総合研究所は、1992年から2年に一度実施している長期時系列調査「生活定点」の...
「令和の米騒動」でコメの代わりに買われたもの 読売広告社が購買実態を分析
読売広告社は、食品ID-POS購買行動データベース「real shopper」のデータから今夏のコメ...