IEEE 802.1Qbgによる自動プロビジョニングも視野に
アバイア、エンドツーエンドのマルチパスを実現する新スイッチ
2011/08/26
日本アバイアは8月26日、マルチパスのレイヤ2ネットワーク構築が可能なデータセンター向けスイッチ「Avaya Virtual Services Platform 7000(Avaya VSP 7000)」を発表した。
同社は2010年11月に、ネットワーク仮想化を実現するアーキテクチャとして「Avaya Virtual Enterprise Network Architecture(Avaya VENA)」を発表している。Avaya VENAは、物理ネットワークにとらわれない仮想ネットワークを構築し、サービスとマッピングすることにより、仮想マシンがどこに移動しても容易にプロビジョニングを行えるようにする仕組みだ。また、複数のスイッチで構成したネットワークを論理的に1つのスイッチとして扱えるため、設定/運用作業も簡素化できる。
日本アバイア ソリューションマーケティング部 データソリューションマネージャーの山中幸代氏は、データセンターで新しいアプリケーションを導入する際、付随するネットワーク設定変更作業には最短で48時間もの時間がかかっているケースがあると指摘。これに対し、「Avaya VENAでは、ネットワークコアを止める必要がなく、エッジ側の変更のみで済むため、導入時間を大幅に短縮できる」と述べた。
Avaya VENAに基づく製品としては、すでにデータセンターのコアスイッチ「Avaya VSP 9000」や「Avaya ERS 8800」があり、Avaya VSP 7000はそれに続くトップ・オブ・ラック向けの製品だ。「Avaya VSP 7000により、データセンター間だけでなく、データセンター内もマルチパスに対応できる。つまり、エンドツーエンドでレイヤ2のマルチパスネットワークを実現できる」(同社 システムズエンジニアリング部 システムズエンジニアリングマネージャー 日野直之氏)。
Avaya VSP 7000は当初、1/10GbEを24ポート搭載する構成だが、将来的に拡張モジュールの追加によって、40GbEや100GbEをサポートする予定だ。また2012年には、DCB(Data Center Bridging)やFCoE(Fibre Channel over Ethernet)対応により、ストレージネットワークも統合していく計画という。
Avaya VENAでは、現在標準化作業が進んでいるIEEE 802.1aq/SPB(Shortest Path Bridging)によってマルチパスネットワークを構成し、高い冗長性を実現する。ブロックポートを必要としたSTP(スパニングツリープロトコル)を使ったネットワークと異なり、帯域をフルに活用でき、ネットワーク設定を簡素化できることが特徴という。
このマルチパスネットワーク上で、仮想マシンと連携した自動プロビジョニングを実現する製品として、同社は「Avaya Virtualization Provisioning Service(Avaya VPS)」も発表した。
Avaya VPSは、VMware vCenter Serverから、APIを介してネットワーク上の仮想マシンに関する情報を収集し、それに基づいてスイッチ側のプロビジョニングを行うソフトウェアだ。これにより、vMotionで仮想マシンがライブマイグレーションを行った場合でも、それに適した仮想ネットワークを動的に割り当てられるようになる。2012年には、IEEE 802.1Qbgに対応し、仮想マシンのライブマイグレーションとスイッチ側の設定変更を自動的に行える仕組みを実現する予定だ。
Avaya VSP 7000の参考価格は1万9995ドルからで、8月29日に提供を開始する。Avaya VPSの参考価格は5000ドルからの見込みで、2011年中に提供を開始する予定だ。
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