PostgreSQLの「ヴイエムウェア版」も
ヴイエムウェアが発表したDatabase as a Serviceツールとは
2011/08/30
米ヴイエムウェアは8月29日、「データベースをサービスとして提供するためのツール」として「VMware vFabric Data Director」を発表した。また、同社はPostgreSQLの機能付加版である「VMware vFabric Postgres」を、vFabric Data Directorに同梱して提供するという。
Database as a Serviceを実現するツールというと、データベースのマルチテナント性や拡張性を強化する製品と誤解しがちだが、そうではない。企業のIT部門が、ユーザー部門/開発者に対し、データベースをインストール/構成済みの仮想マシンを払い出すプロセスを自動化するプロビジョニングツールだ。
このツールの大きな特徴は、開発者がセルフサービスでデータベースをすぐに使えるようにしていることだ。開発者がセルフサービスポータルで「small」「medium」「large」の選択肢からどのサイズのデータベースを使いたいかを選択すると、IT部門が事前に用意したテンプレートに基づいてデータベース導入済み仮想マシンが新規作成されて、使えるようになる。
ヴイエムウェアは開発・テストにおけるサーバ仮想化の活用を支援するプロビジョニングールとして、「VMware vCenter Lab Manager」を提供してきた。今回、これをデータベースに限定したような趣きの製品を提供開始した理由について、米ヴイエムウェアは企業社内でデータベースがばらばらに調達され、ばらばらな構成で使われている状況を改善し、標準化と効率化のメリットを提供することが目的と説明する。
開発者にとってのメリットはもちろん、開発作業で即座にデータベースを使い始められることだ。アプリケーションは自分のPCで開発する場合でも、データベースは本番での利用を想定している製品を最初から使うことで、QA作業も楽になる。
ヴイエムウェアはまず、Data Directorをサポートするデータベースとして、VMware vFabric Postgresを提供する。これは、ヴイエムウェアによるPostgreSQLの機能付加版だ。付加した機能とは、VMware vSphereとの連携だ。Postgresの個々のインスタンスの仮想メモリ利用率をモニタリングし、事前に設定した利用率を超えると、ほかのインスタンスが利用している仮想メモリのなかから、必要としているインスタンスに対して割り当て直すことができる。
ヴイエムウェアは、この機能をオープンソースに還元し、ほかのデータベース/データ管理製品ベンダによる対応を促したいとしている。vFabric PostgresはCloud Foundryでの提供も開始されている。しかし同社としては、これを同社のインフラやPaaSにおけるデフォルトデータベースとして位置付けるつもりはまったくないという。vSphereとの連携をしなければ、このツールが使えないというわけでもない。SybaseやOracle、Greenplumなど、他の製品もサポートしていきたいという。
Data DirectorとvFabric Postgresは2011年第3四半期中に出荷開始の予定。Data Directorの価格は管理対象のデータベース仮想マシン1つにつき600ドル、vFabric Postgresはプロダクションユースでなければ無償、プロダクションユースでは仮想マシン1つ当たり1700ドル。
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