帯域幅制御やNAT対応などの新機能を搭載

ノベル、迅速導入できる災害対策製品の機能を強化

2011/09/07

 ノベルは9月7日、ディザスタリカバリ(災害対策)製品の「PlateSpin Forge」「PlateSpin Protect」の新バージョン(「PlateSpin Forge 3.1」「PlateSpin Protect 10.1」)を同日発売開始したと発表した。

 PlateSpin ForgeとPlateSpin Protectは、保護対象サーバの障害が発生するとVMware vSphereによるサーバ仮想化環境上にこれをフェイルオーバし、障害が復旧した時点でフェイルバックできる製品。2製品は同一のコードを用いており、PlateSpin Protectはディザスタリカバリ用のソフトウェアのみを提供、PlateSpin ForgeはVMware vSphereとともにサーバにインストール・構成済みのアプライアンスとして提供している。

novell01.jpg 保護対象サーバからフェイルオーバ先に直接データ複製を行う

 PlateSpin Forge/Protectでは、同一のストレージ装置を対向で設置するようなやり方に比べ、低コストで迅速に災害対策が行える。保護対象のサーバ個々にインストールしたエージェントから直接、遠隔拠点の仮想化環境に対し、定期的にデータを同期する手法をとっているからだ。例えばクラウドを活用した災害対策を実現したい場合、データセンターのラックを借りて、PlateSpin Forgeを設置し、保護対象のサーバにエージェントを入れて、このForgeに対してデータを同期するように設定すれだけでいい。

 2製品は、物理サーバ、仮想サーバの双方を保護対象とすることができる点もメリットだ。保護対象の仮想サーバ(仮想マシン)はVMware vSphereでも、Hyper-Vでもいい。仮想化移行支援ツール「PlateSpin Migrate」の機能も統合されているため、この製品を使ってまず物理サーバを仮想マシンに変換し、変換後の仮想マシンを保護対象とすることもできる。ForgeにはVMware vSphereのStandardライセンスが含まれている。

 新機能の1つは帯域幅スロットリング、および圧縮設定の改善。PlateSpin Forge/PlateSpin Protectでは、保護対象のサーバの差分データを、定期的にブロック転送する。転送データには圧縮を効かせることができる。今回の新機能である帯域幅スロットリングでは、このデータ転送で使われる帯域幅を制限することにより、WAN帯域の占有を防げる。また、データ圧縮はこれまで、すべての転送に対して設定する選択肢しかなかったが、今回より保護対象単位で無圧縮/低圧縮/高圧縮を設定できるようになった。

 NATのサポートも、構成における制限を取り払うメリットの大きい新機能だ。ある拠点の保護対象サーバから別拠点へのデータ転送を、ネットワーク設定変更なしに例えばインターネット経由で行えるようになった。

 さらに、新バージョンではVMware vSphereのシンプロビジョニング機能に対応。また、保護対象としてSUSE Linux Enterprise Server 9とNovell Open Enterprise Server 2が加わった。

 ノベルは同時に、PlateSpin Migrateについても新バージョン「PlateSpin Migrate 9.1」を発表した。

(@IT 三木泉)

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