Veritas Storage Foundation 6.0を年内に国内投入へ

異種混在ITの可用性確保とデータ管理に新製品、シマンテック

2011/10/17

 シマンテックは10月17日、国内市場では年内に提供開始予定の「Veritas Storage Foundation 6.0」について説明した。これは米シマンテックが10月4日に発表したストレージ管理/システム可用性向上製品群の新バージョン。

 Veritas Storage Foundationは、クラスタファイルシステムをはじめ、ストレージ階層化、データアクセスパスの冗長化、スナップショット、データの遠隔レプリケーション、さらにはサーバクラスタリングといった機能を備える複数の製品をパッケージ化したもの。シマンテックは、物理/仮想環境、サーバやストレージのハードウェア、OSを問わず共通のストレージ/データ管理基盤を構築できる点をこの製品の最大の特徴としている。すなわち、例えば特定のストレージ・ハードウェア製品に依存することなく、異種製品を組み合わせて高度なストレージ管理機能を活用するなどができる。

symantec01.jpg Veritas Storage Foundationは多様な製品で構成されている

 Veritas Storage Foundation 6.0では、まず可用性向上製品の「Veritas ApplicationHA」「Veritas Cluster Server」において、複数のアプリケーショングループから成るシステムの可用性確保を自動化できるようになる。具体的には、次のような意味だ。

 ある業務システムの起動や停止では、それを構成するアプリケーションを、適切な順序で操作しなければならないことが多い。例えばデータベース、アプリケーションサーバ、Webサーバから成る3層システムでは、まずデータベースを起動し、アプリケーションサーバ、Webサーバの順に立ち上げることが基本だ。停止はこの逆の順で行われる。新機能では、Veritas Storage Foundationにおいて、例えばこのような3層システムを1システムとして認識し、データベース、アプリケーションサーバ、Webサーバの3つのアプリケーショングループを構成して、起動や停止の適切な順序を設定することで、障害時のシステム全体としての復旧プロセスを自動化できるようになる。ApplicationHAとCluster Serverを併用した復旧プロセスを構成することも可能だ。ここでも、システムに物理/仮想環境や異なるOSが混在している場合にも、一貫した可用性確保対策が行えることを同社は強調する。

symantec02.jpg メインデータセンターがダウンした際に、遠隔データセンターでシステムを立ち上げるようなディザスタリカバリのプロセスも自動化できる

 また、ストレージ管理関連では、ファイル圧縮と重複除外が新機能として加わる。ファイル圧縮では、圧縮対象をファイル、ディレクトリ、ファイルシステム全体に対して設定可能。アーカイブストレージやファイルサーバに有効な機能と同社は説明している。重複除外は特に、サーバ仮想化環境のためのストレージに効果的としている。この圧縮と重複除外の機能は、マルチOS対応のファイルシステムに実装している点がユニークなポイントだ。

 シマンテックは、Veritas Storage Foundationの各製品をグラフィカルに操作する管理ツール「Veritas Operation Manager」を従来より無償で提供している。この製品はVeritas Storage Foundationの統合管理ソフトウェアとしての役割が、ますます明確化しつつある。Veritas Storage Foundation 6.0の新機能についても、提供開始と同時に、Veritas Operation Managerから他の機能と一括して管理できるようになる。

(@IT 三木泉)

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