端末の導入作業やソフトウェア/パッチ配布を自動化
デルが設置してすぐに使えるIT管理アプライアンスを発表
2011/10/26
デルは10月25日、IT管理の新製品「Dell KACE Kシリーズ」を発表した。ソフトウェアをハードウェアにインストールした状態で出荷するアプライアンス製品のため、導入が迅速で手間がかからないこと、使いやすいこと、比較的低価格なこと、の3つがおもな特徴。同製品はまた、VMware仮想マシン版も販売される。
KACEには2種類ある。PCやサーバのキッティング/導入を支援する「KACE K2000」、そしてPCやサーバのインベントリ管理や運用管理を支援する「KACE K1000」だ。これらの2製品は、大規模IT環境を対象とした管理も行えるが、デルでは特に、中堅・中小企業のIT運用自動化を進めるためのツールとして位置付けているという。
IT導入支援製品であるKACE K2000のおもな機能は、新規コンピュータの導入・初期設定作業の自動化だ。例えばPCをエンドユーザーがすぐに使えるような状態にまでもっていくには、OSをインストールするだけでなく、BIOS設定、参加Windowsドメイン設定、アプリケーションのインストールなどを行う必要がある。この一連の作業を自動的に行えるようになっている。
OSやアプリケーションを含むシステムイメージのインストールは、2通りの方法で行える。1つはWindows PEを使って対象となる端末を起動し、OSのインストールや設定をスクリプトで実行する方法(Windowsの場合)。端末をネットワーク経由で起動(PXEブート)したうえでこの作業を自動的に行うことができる。もう1つはひな型となるシステムイメージを、実際の端末から取得し、これにカスタマイズを加えてコピーする方法だ。K2000は、Windowsのデスクトップ/サーバ、Mac OS X、Red Hat Linuxの導入作業に使える。
K2000のほかの機能としては、各ユーザーのプロファイル設定を吸い上げ、これを別のPCに移行する際に適用できる機能や、不具合の起こったシステムを復元する機能(WindowsとMac OS Xの端末)、対象となるコンピュータのハードウェア情報を収集する機能などがある。なお、Windowsについては、ネット経由で常時最新のドライバを自動的に取得して適用できるというが、この機能はデルの製品に限定されるようだ。
一方、IT管理製品のK1000は、LANDeskやSystem Center Configuration Managerに近い機能を備えた製品。いわゆるインベントリ管理から、ソフトウェア/パッチ配布、電源管理、セキュリティ監査、遠隔制御によるサポートなどが行える。インベントリ管理ではネットワーク上の端末を自動的にスキャンしてハードウェア/ソフトウェアの情報を取得可能。インベントリ管理機能で取得したソフトウェアの情報とライセンス情報をマッチングし、ライセンスの無駄を減らすこともできる。パッチ配布では、OSやアプリケーションのアップデートに加え、ウィルス対策ソフトのウィルス定義ファイルを端末に送り込むことも可能。また、KACEサーバを配置していない小規模な拠点のファイルサーバをソフトウェア配布の中継ポイントとして利用し、これに対してソフトウェアを配布できる機能もある。
価格はK2000が37万5000円からで、K1000は74万1000円から。デルではハードウェア・アプライアンスに加え、VMware ESX上で動かすことのできる仮想マシンとしてもこの2製品を販売しているが、価格はハードウェアア・アプライアンスとほとんど変わらないという。
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