社内の物理/仮想環境、社外クラウドを一括管理
ITにビジネスと同じスピードを与える戦略を発表、米CA
2011/11/16
米CA Technologiesは11月14日(米国時間)、プライベートクラウドとパブリッククラウドにまたがる機動的なIT配備/管理のための戦略を発表した。
11月13日より米国ネバダ州ラスベガスで開催中の「CA World ‘11」で、CAのデイビッド・ドブソン(David Dobson)氏(カスタマー・ソリューションズ・グループ – エグゼクティブ・バイス・プレジデント)は、同社が過去24カ月の間に30億ドルを投資し、買収などによって準備してきた製品やサービスを、既存のIT管理製品とともに再編したロードマップを紹介した。
「顧客がIT中心の世界からビジネスサービス中心の世界へ移行することを支援するため、どうやって当社のポートフォリオを進化させられるか」、これがテーマだとドブソン氏は話した。
さまざまな業界で、企業は生き残りをかけて機動性を高め、革新をもたらさなければならない。このためにますます、ITを活用していく必要がある。しかしITも逆に、ビジネスサービスへ変身していく必要がある、という。
では、ITがビジネスサービス化するとはどういうことか。事業ニーズに対して、ITが即座に応えることができること、事業が求めるサービスの質を確保できること、そして事業ニーズから見た無駄を、継続的に排除していけることだ。大規模企業には、膨大な既存ITシステムがある。これについては合理化し、最適化し、革新を実現していかなければならない。一方で、これもビジネスに即応できるITを目指し、社外クラウドサービスの活用も進む。企業ITのハイブリッドクラウド化は複雑化をも意味する、とドブソン氏は話した。
「Model」「Assemble」「Automate」「Assure」の4ステージで製品・サービスを提供
企業がサーバ仮想化やクラウドサービスなどの新たな選択肢を生かしてITをビジネスサービス化するため、CAは「Model(モデリング)」「Assemble(構築)」「Automate(自動化)」「Assure(保証)」の4つのステージで、製品やサービスを展開していくという。
「Model」はITの計画やプロファイリングを意味する。セキュリティ要件の設定やキャパシティプランニングが含まれる。ここではCAが今年買収したITKOの製品「LISA」が重要な役割を果たす。LISAは複数のコンポーネントから成るアプリケーションのテスト環境を仮想的に構築し、テストやシミュレーションが行えるツール。
「Assemble」ではITサービス/アプリケーションの調達から配備までのプロセスを効率化する。ここでは「AppLogic」「CloudCommons」などが活躍する。AppLogicはクラウド運用支援ソフト。グラフィカルな画面で複数の仮想マシン相互を結び付け(例えばWebサーバとアプリケーションサーバ、データベースなど)、仮想システムとして管理できる。それぞれの利用するCPU時間、メモリ量、ネットワーク帯域などはプロパティとして設定できる。CloudCommonsはCAが運営するクラウドポータルで、従来はドキュメントの提供が中心だったが、企業アプリケーションのオンラインストアとしての機能を提供開始した。ソフトウェア開発者は、自らが開発したアプリケーションを仮想マシンとして販売できるほか、無償提供のAppLogicのSDKによって構築した仮想システムも流通できる。AppLogicを企業内で使っている管理者は、このオンラインストアで購入したアプリケーションや仮想システムをダウンロードするだけで、AppLogicのサービスカタログに自動的に登録できる、AppLogicを採用している社内データセンターやクラウドサービス事業者へのアプリケーションの投入プロセスも大幅に自動化される。
「Automate」では、例えばセルフサービスポータルから社内承認ワークフロー、物理/仮想IT環境設定により、物理/仮想のITインフラにまたがるアプリケーションの展開プロセスを自動化する「CA IT Automation for Cloud」がある。またサーバ仮想化環境については、仮想マシンの配置やCPU/メモリ設定のシミュレーションが行える「CA Virtual Placement Manager」などもある。
「Assure」ではアプリケーションパフォーマンス管理の「CA Application Performance Management」や、この製品の情報をダッシュボードに表示できる「CA Executive Insight for Service Assurance」などを提供する。ほかにも、「CA Service Assurance」と総称される製品群がある。
CAは今年のITKO買収で、大規模な買収は一段落したと説明している。上記の4つのステージのそれぞれをカバーする製品はほぼそろったため、今後はこれらの製品の整理や統合を進めていくという。
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