調達、デプロイ、稼働、モニタリングで自動化を進める
CA Technologiesは「クラウド管理」のどの部分を担うのか
2011/11/21
「クラウド管理」にはさまざまな意味がある。米CA Technologiesは11月第3週に米ラスベガスで開催した「CA World」で、どのアプリケーション(業務システム)をいつ、どういうクラウドに移行すべきかを判断でき、移行後も安定的な運用を確保できるという意味でのクラウド管理に注力していくと明らかにした。
CAのいう「クラウド」にはプライベートクラウドも含まれている。サービス要件への対応とコスト最適化ニーズへの対応を両立させるために、個々のアプリケーションを物理、仮想、クラウドサービスのいずれの環境で動かすべきかを決め、計画の後に実際に移行作業を行い、稼働状況を監視するための手段を提供していくのだという。
これを象徴する新サービスが「Cloud Commons Marketplace」。主にクラウド関連情報ポータルサイトとして同社が運営してきたCloud Commonsに、アプリケーションを売り買いできるサービスが加わったことになる。
このサービスのユニークさの1つは、個別のアプリケーションに加え、複数のアプリケーションを組み合わせたパッケージの売買もできることだ。CAが買収した3TeraのAppLogicをここで活用する。AppLogicは、複数のアプリケーション(仮想マシン)間の接続設定を、グラフィカルな画面で行い、1つのパッケージにまとめられる機能を持っている。CAではこうしたパッケージを作れるSDKを無償で提供。パッケージを売買すれば、買った側は、あるシステム全体を簡単な設定変更の後、即座にプライベートクラウド、あるいはクラウドサービスに投入して稼働できる。例えばWebサーバの仮想マシンの台数変更も、数字を選ぶだけで行える。
AppLogicのパッケージを即座に動かすには、AppLogicで管理された仮想化環境が必要だ。従って現在のところ、「即座に稼働」ができるデプロイ先は、AppLogicを使ったプライベートクラウド、あるいはAppLogicを採用したIaaSに限定される。しかしCAは、今後他の仮想化環境への対応を進めていくとしている。
ちなみに、クラウド運用基盤としての役割も持つAppLogicを、今後どのように位置付けていくかを、クラウド戦略担当シニアバイスプレジデントのビルハー・マン(Bilhar Mann)氏に聞いたところ、同氏は「AppLogicはVMwareなどの代替選択肢として今後も推進する」と答えた。しかし、「VMwareよりも上のレイヤで機能する。OpenStackとも協力することが多い」。
CAが紹介したもう1つの製品は「CA Automation for Cloud」。文字どおり、クラウド運用自動化のソフトで、サーバ機やサーバ仮想化ソフトウェアと連携し、仮想マシンの作成やデプロイに関わる設定作業を自動化できる。アプリケーションやサービスをカタログ化しておき、これをもとに標準化した形で、アプリケーションの迅速で効率的な展開を実現することを目的としている。
CA Automation for Cloudは今回、同社のモニタリング製品である「CA Application Performance Management」との統合度が向上したほか、コストに基づくワークロード再配置が行えるようになったという。
クラウドサービスおよびハイブリッドクラウドの利用で、今後重要度が増してくるはずのユーザー認証連携については、「CA IdentityMinder as-a-Service」「CA FedMinder as-a-Service」を発表。ユーザー認証管理/認証連携、シングルサインオンの機能を、企業がソフトウェアのインストールではなく、サービスとして活用できるようにした。
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