「Identity Manager」でゲストや持ち込みデバイスをサポート
「BYODにセキュアな無線アクセスを提供」、メルー
2011/12/15
メルー・ネットワークスは12月15日、無線LANアクセスポイントとコントローラの新製品を発表した。同時に、9月に買収した米アイデンティティ・ネットワークスの「Identity Manager」を統合したソリューションについても説明を行った。
メルー・ネットワークスは、企業オフィスや教育機関、ホテルや病院といった環境向けに無線LANシステムを開発、提供している。アクセスポイントの上位の階層にコントローラを設置するアーキテクチャを取っており、拡張性に優れること、一元管理が可能なことなどが特徴だ。
複数のアクセスポイントで同一チャネルを利用するシングルチャネルデプロイメントにより、電波の干渉などの問題を解消することも特徴の1つ。また、複数のアクセスポイントを仮想的に1つのアクセスポイントとして見せるバーチャルセル/バーチャルポート技術によって、クライアントがアクセスポイント間を移動しても、途切れずに通信を継続できる。
新製品の「AP400」シリーズも、こうしたアーキテクチャに基づくアクセスポイントだ。802.11a/b/g/nに対応しており、1RFモジュール当たりの通信速度は最大450Mbps。このRFモジュールを3つ搭載しているため、トータルでは最大1.35Gbpsの通信が可能だ。また、スマートフォンやタブレット端末など、PCに比べ電波の感度が低いデバイス向けに出力を調整し、安定した通信を行えるようにするOABF(Orthogonal Array Beam Forming)技術も実装している。
AP400シリーズには、通常タイプの「AP433e」、アンテナ内蔵型の「AP433i」、スペクトラムマネージャ機能を統合した「AP433is」の3モデルがあり、参考価格はAP433iが39万9000円。2012年第1四半期に販売を開始する予定だ。
コントローラの新製品「MC3200」は、最大200までのアクセスポイントをカバーする小・中規模ネットワーク向けの製品。また「MC4200」は、最大500までのアクセスポイントをサポートし、電源も二重化している大規模ネットワーク向けの製品だ。MC4200はオプションモジュールによって、10Gbpsを2ポート搭載することもできる。
米メルー・ネットワークスのワールドワイドセールスおよびサービス&サポート担当シニア・バイスプレジデント、ラリー・ボーガン氏は、「私が世界中を回ってCIOと話をする中で出てくる課題が、BYODへの対応だ」と解説。同社は今後、買収によってラインアップに加えたIdentity Managerによって、会社支給のデバイスからの無線LANアクセスだけでなく、従業員の私物を活用する「BYOD(Bring Your Own Device)」への対応を支援していくという。
Identity Managerは、802.1xによるユーザー認証やゲストによる一時的なアクセスを容易に行えるようにする製品だ。Active DirectoryやLDAP、RADIUSによる認証を行うだけでなく、認証方式や証明書の設定といった煩雑な作業をエージェントによって自動化する「Smart Connect」機能により、ユーザーの手間を省く。また、ゲストユーザーへのアカウント発行、管理を、ポータル画面を通じて容易に行える「Guest Management」機能も提供。部門単位でアカウント発行権限を委託することもでき、事前の申請などの手間を掛けることなく、安全な無線LANアクセスをゲストや持ち込みデバイスに提供する。
「企業にとって、配布した正式なデバイスだけでなく、ゲストアクセスやBYODにどう対応するかは重要な戦略になっている。Identity Managerはその鍵になる」(ボーガン氏)。
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