ハードウェアにかかわらず重複排除が可能
シマンテック、クロスプラットフォーム製品Storage Foundationの新版
2011/12/15
シマンテックは12月15日、5年ぶりとなる「Symantec Storage Foundation」のメジャーアップデート、バージョン6.0を、12月20日に販売開始すると発表した。今回はフェイルオーバの高速化、重複排除/ファイル圧縮機能の搭載などの新機能や機能改善を搭載した。
Storage Foundationは、ストレージを中心として可用性、運用性、効率を向上するための各種機能を搭載する製品群。ストレージ装置の機種やOSにかかわらず、クロスプラットフォームで一貫した運用環境を提供できる点が最大の特徴。
具体的な例として、ある通信会社では、別々に管理されてきた複数ベンダのストレージ装置の管理を、Storage Foundationの「Operations Manager」「CommandCentral」で統合管理し、それぞれの空き容量を可視化することで、ストレージ利用率を高め、追加ストレージの購入を先送りできたという。また、あるチップ製造企業は、Storage Foundation DR/HAにより、遠隔地でのSQL Server再起動までに掛かる時間を、15分に短縮したという。「1つのフレームワークでローカルのHAと災害対策(DR)ができるメリットがある」と、米シマンテックのポール・ベルク(Paul Belk)氏は説明した。
発表会に出席した伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)ITエンジニアリング室 室長の藤岡良樹氏も、クロスプラットフォームのメリットを指摘した。CTCは約20年にわたって、現在のStorage Foundationを構成する製品の一部を活用してきたという。「顧客の環境は1つのOSではないことが多い。マルチプラットフォームのミドルウェアでないと運用が複雑化してしまう」と話した。
新機能の1つであるクラスタ環境でのフェイルオーバの高速化については、まず障害検知に要する時間を短縮した。これまでは1分間に1回などのポーリングを行って障害情報を取得していたが、新バージョンではエージェントがカーネルドライバからの情報を直接伝えることで、ほぼリアルタイムに障害を知ることができるようになった。
セカンダリマシンへの切り替えについては、従来よりLinux/UNIXでは、クラスタファイルシステムにより、プライマリとセカンダリの両マシンからの同時アクセスを実現しており、その分切り替えに要する時間は短縮化されている。今回は、Windowsでも、これに近い切り替えが実現した。シマンテックはマイクロソフトと協力し、読み書きが行われている最中に、別ホストからもリードオンリーのアクセスが行えるようにしたという。このため、Storage Foudation製品群全体を、「高速なフェイルオーバが行える可用性向上製品」と呼べるようになったという。
重複排除/ファイル圧縮については、ファイルシステムにこの機能を実装したことがポイント。バックアップ製品で搭載されることが多いこれらの機能だが、ファイルシステムに搭載しているため、一次ストレージについてもディスク容量を節約できる。なお、この機能は管理者が明示的にコマンドを打つことで実行できる。特定の日時にスケジュール実行することも可能。
新バージョンでは、Application HAについても機能改善が加わった。これについては、別記事をご覧いただきたい。
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