既存のインフラをそのまま活用

アルバ、BYOD管理を支援するポリシー管理ツールを発表

2012/03/06

 アルバネットワークスは3月5日、企業に持ち込まれる私物のモバイルデバイスに対するプロビジョニングやポリシー管理を実現する「Aruba ClearPass」を発表した。iOSやAndroidなど複数の種類の端末に対応し、同社製品だけでなく、ほかのベンダの機器で構成されたネットワーク上でもポリシー適用が可能なことが特徴だ。

 アルバネットワークスは、無線LANアクセスポイントや、それらを管理する無線LANコントローラ製品を提供してきた。ClearPassはこうした製品とはやや異なり、ネットワーク接続そのものではなく、その上での制御機能に特化している。近年、企業にとってBYOD(Bring Your Own Device)をどのように管理し、どのようにセキュリティを保つかが悩みの種になっているが、この部分を支援する製品だという。

aruba01.jpg 米アルバネットワークス 最高マーケティング責任者 ベン・ギブソン氏

 ClearPassを導入すると、ユーザーがモバイルデバイスでネットワークにアクセスした際、まずWebポータルにアクセスすることになる。ここで端末の種類や情報を把握するとともに、802.1x認証に必要な証明書や設定の配布、VPN接続設定といった処理を行う。場合によっては、企業としての必須アプリケーションを配布したり、利用しているユーザーやアプリケーションに応じた帯域制御/アクセス制御も可能だ。

 特徴は、既存のネットワークインフラを活用したまま導入できることだ。ClearPassに対応した機器を新たに導入したり、アップグレードする必要はなく、必ずしもアルバのネットワーク機器を利用する必要もないため、「コスト面の負担が少ない」(米アルバネットワークス 最高マーケティング責任者 ベン・ギブソン氏)という。

 一般にBYODのセキュリティを強化するソリューションとしては、MDM(モバイルデバイス管理)製品が提供されている。MDMが、端末のセキュリティチェックやリモートワイプといったエンドポイント管理に強いのに対し、「ClearPassは、デバイスを認識した上でアクセスを制御し、どのようにしてネットワークに安全にアクセスできるかを担保するもの。むしろMDMとはパートナー関係にある」(同氏)。

 Aruba ClearPassは、基盤となるポリシー制御アプライアンス「ClearPass Policy Manager」のほか、自動プロビジョニングを行う「ClearPass Onboard」、デバイスの特定を行う「ClearPass Profile」、セキュリティ的に侵害された端末の修復を行う「ClearPass OnGuard」、ゲストアクセスを管理する「ClearPass Guest」、802.1x認証の自動設定を行う「ClearPass QuickConnect」といったコンポーネントで構成される。価格は、5000エンドポイントまで対応する最小構成で299万9000円から。

(@IT 高橋睦美)

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