アカマイとリバーベッドが技術を持ち寄る「Steelhead Cloud Accelerator」

エンドツーエンドでSaaSアクセスを最適化

2012/03/22

 アカマイ・テクノロジーズとリバーベッドテクノロジーズは3月22日、両社の通信最適化技術を組み合わせ、拠点などからSaaSへのアクセスを高速化する共同ソリューション「Steelhead Cloud Accelerator」を発表した。

 アカマイ・テクノロジーズは、コンテンツプロバイダーによるコンテンツ/ストリーミング配信を高速化、最適化するサービスを提供してきた。世界各地に10万台のサーバを配備してコンテンツ配信ネットワーク「Akamai Intelligent Platform」を構築し、最適なネットワークパスを見つけ出す「SureRoute」といった技術を組み合わせ、高速かつ安定した配信を支援している。

 一方リバーベッドテクノロジーズは、企業本社/データセンターと拠点間の通信を最適化するアプライアンス製品「Steelhead」を提供している。キャッシュだけでなく、データのデデュプリケーションやTCP通信の最適化、アプリケーション最適化といったテクノロジを組み合わせ、WAN越しのファイル共有などを、LAN内と同等のパフォーマンスで行えるようにする。

 新たに発表されたSteelhead Cloud Acceleratorは、両社の技術を組み合わせ、Office365やSalesforce.com、Google AppsといったSaaS配信を最適化するサービスだ。「アカマイのインターネット配信の最適化と、リバーベッドによるWAN最適化を組み合わせ、エンドツーエンドでSaaSを最適化する」(米アカマイ・テクノロジーズ エンタープライズ・クラウド事業部門担当上級副社長兼ジェネラルマネージャ、ウィリー・テハダ氏)。

 このソリューションは、拠点に導入済みのSteelheadの追加機能の形で提供される。一方アカマイも、同社ネットワークとSaaSを提供するプロバイダーとの境目に、仮想Steelheadを設置。拠点に置いたSteelheadとアカマイの仮想Steelheadの間で、前述のデデュプリケーションなどの技術を用いて通信を最適化する。また、経路自体もアカマイによって最適化されるため、大陸間の折り返しといったオーバーヘッドも削減でき、全体で20倍以上高速化できるという。

 リバーベッドテクノロジーズによると、拠点に分散していたアプリケーションを自社データセンターに統合し、Steelheadを組み合わせて利用していた顧客が、SaaSを利用しようとした途端、遅延やパフォーマンスの劣化に直面するケースがあったという。デモンストレーションでは、Office365で共有している20MB程度のファイルを開くのに1分程度かかっていたのが、Steelhead Cloud Acceleratorを有効にすると3秒に短縮できる様子を紹介した。

 当初、Steelhead Cloud Acceleratorが対象とするSaaSは、Office365、Salesforce.com、Google Appsの3種類だが、順次拡張していく方針という。利用料金は、各SaaSの利用料金の15〜30%となる。

(@IT 高橋睦美)

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