業種別営業部門の増員でソリューション販売も強化
「仮想化やクラウド事業に注力」、レッドハットが新年度の戦略
2012/04/03
レッドハットは4月3日、2012年度の事業戦略説明会を開催した。同社代表取締役社長の廣川裕司氏は、「KVM」や「Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)」といった仮想化事業を中心に、Linux以外の事業にも力を注ぐ方針を明らかにした。
米レッドハットはこれに先立つ3月28日に、2012会計年度の業績を発表している。売上高は対前年比25%増の11億3000万ドルに達し、オープンソース専業企業としては初めて、10億ドル以上の売り上げを達成したという。日本国内でも、パートナー提携の拡大に加え、各業種別営業部門の強化といった取り組みにより、「大規模案件が取れるようになってきた」(廣川氏)。
ただし、その売り上げの中心となっているのはLinuxディストリビューションの「Red Hat Enterpirse Linux」だ。ワールドワイドでは売り上げの約70%がLinux関連で、2割はミドルウェアの「JBoss」関連、残る1割がKVMなど仮想化、クラウド関連という構成。日本ではLinux依存の比率がさらに高く、85%を占めるという。
レッドハットでは、売上高10億ドルの次の目標として、30億ドルを掲げている。この達成に向けて、UNIXからのリプレースを中心にLinuxプラットフォーム事業を引き続き成長させるとともに、「BEYOND LINUX」と表現するLinux以外のビジネス拡大に注力する計画だ。
具体的には、JBossを中心とする「SOA/ミドルウェア事業」のほか、KVM/RHEVによる「仮想化事業」、クラウドサービスプロバイダーとの提携やCloudForms、OpenShiftなどによる「クラウドコンピューティング事業」、2011年10月に買収したGlusterを軸にした「ストレージ事業」の4領域だ。こうした「クラウドを加速するポートフォリオ」を、ソリューション営業を通じて販売することで、前年度比30%増のウリ替えを目指していくという。
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