“オープンソースからオープンコミュニティへ”
CloudStack、Apacheプロジェクト化の背景
2012/04/05
米シトリックス・システムズは4月3日(米国時間)、CloudStack開発プロジェクトをApache Software Foundationに移行する計画を発表した。これで、CloudStackプロジェクトはより拡大する形で継続されることがはっきりした。CloudStackのライセンスモデルはこれまでのGPL v3からApache 2.0に移行する。シトリックスはこれまでどおり、CloudStackの商用版を提供していく。
CloudStackのユーザーであるGo DaddyのCTO、ウェイン・セイヤー(Wayne Thayer)氏は、自身のブログポストで今回の動きの背景を次のように表現している。
当社がCloudStackを採用したことについて何らかの欠点があったとすれば、それは開発コミュニティがCloud.com、そしてその後シトリックスのみによって運営されてきたことだ。
(中略)
当社の開発者は、CloudStackのコードベースについておそらく2番目に親しんでいるチームであるはずだ(そしてCloud.comのチームは何度も、当社の有能な開発チームからのコントリビューションがもっと欲しいと言ってきていた)。しかし、われわれはこのプロジェクトにコントリビューションをする意欲がいささかそがれる気がしていた。Cloud.comチームの完全なオープンソースのモデルとオープンな態度にもかかわらず、このプロジェクトの方向性はその後も完全にCloud.comに握られており、われわれの改変やロードマップについてのアイデアはいつも、Cloud.comおよび現在シトリックスの、その他のビジネス的な力学との摩擦を引き起こすと、われわれは認識してきた。結果として、CloudStack開発コミュニティへのわれわれの参加はあまりぱっとしないものだった。その他のコントリビュータ候補も、おそらく同じようなことを経験していたはずだ。
しかし、多数の非常に成功したプロジェクトできわめて有効だったApache Software Foundationの能力主義的なガバナンスモデルのもとで、CloudStackはオープンソースからオープンコミュニティへの重要な一歩を踏み出そうとしている。これで、CloudStackのコミュニティプロセスに関わりたいと思うあらゆる企業は、他の人たちと同様に、自由に参加できる。自分たちの考えを聞いてもらえ、単一の企業の立場がプロジェクトのビジョンやロードマップを支配しないという確信を完全に持ったうえで参加できる。今回の動きは明らかに、コントリビューションをすることに興味はあっても、クローズドなコミュニティによって意欲をそがれていた企業の参加を促すことになるだろう。
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