彼が人生の最後につぶやく言葉は……?

Twitter CEOのコストロ氏来日、「Twitterが距離を近づける」

2012/04/16

 4月16日、米TwitterのCEO、ディック・コストロ(Dick Costolo)氏が来日し、記者会見を行った。今回で3回目の訪日だという。

 コストロ氏は、「Twitterが距離を近づける」をテーマに掲げ、3つのトピックに沿ってプレゼンテーションを行った。1つめはTwitterのユーザー数について、2つめはTwitterの今後について、3つめはライフラインとしてのTwitterの在り方についてである。

米Twitter CEO ディック・コストロ氏 米Twitter CEO ディック・コストロ氏

 同氏は、災害やスポーツイベント、あるいは「アラブの春」においてTwitterが果たした役割を振り返り、「Twitterは世界の距離を縮め、あらゆるものを近づける。テレビを通してだと、遠い世界の自分とは関係ないように思える出来事を、自分に近づけ、結び付ける」と述べた。

 Twitterのアクティブユーザー数は、2012年4月現在で1億4000万人に上り、1日のツイート数は3億4000万件に達している。その中で、モバイルからの利用は約55%と半数以上を占めているそうだ。

 また、日本は何度も、1秒当たりのツイート数の記録を塗り替えてきた。「1秒間に最も数が多かったものランキング Best 10」では、1位が「天空の城ラピュタ/バルス(2万5000ツイート)」となっているのを筆頭に、2位「あけおめ 2012(1万8000ツイート)」、7位「FIFA/なでしこ決勝(7100ツイート)」、10位「あけおめ 2011(6900ツイート)」がランクインしている。「日本は、世界の中でも最もTwitterの受容が進んでいる市場だ」(同氏)。

 Twitterの今後については、「ユーザーが生きている世界の周りで、何が起こっているのかをきちんと表示させることが重要」(コストロ氏)という。

 例えば、ユーザーがそのアカウントをフォローしていなかったとしても、必要な情報が見えるようにしたいという。現在では、「ディスカバー」(日本語インターフェイスでは「#見つける」)というタグを使うことで、自分がフォローしていないアカウントのツイートも見ることができる。さらに、あらゆる端末に対して、リアルタイムで情報を発信していけるようにし、より容易に体験を共有できるようにしたいと語っている。今後は、APIを「リアルタイムディストリビューションプラットフォーム」へと拡張させ、企業がTwitterを活用してビジネスを構築できるようにしていくという。

 さらにコストロ氏は、「ライフライン」としてのTwitterの在り方について、2011年3月11日の東日本大震災後の活用から多くを学んだと述べた。Twitterは、家族をつなげ、友人をつなげ、世界中の人々をつなげた。安否確認だけでなく、交通情報や電力情報の提供、ハッシュタグを介した個別の支援活動にも活用された。この教訓を生かし、今後、Twitterをライフラインとしてどのように活用していくべきかを検討していきたいと語った。

 発表会後の囲み取材の中で、「人生で最後につぶやくとしたら……?」という問いに対して「痛い! ではないか?」と冗談交じりに答えたのが印象的だった。

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(@IT 太田智美)

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