IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースが対応促す
「World IPv6 Launch」に備えてIPv6対応を
2012/04/17
IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースは4月16日、「World IPv6 Launchの実施とIPv6対応の促進について」と題する文書を公開した。6月6日に予定されている「World IPv6 Launch」に向け、インターネット関連事業者のIPv6対応を促すことが目的だ。
World IPv6 Launchは、Internet Society(ISOC)の提供で6月6日に世界的に行われるイベントだ。インターネットサービスプロバイダー(ISP)やWebサービス事業者、ネットワーク機器を提供するベンダなどが「恒久的に」IPv6を有効にする。2011年6月6日に行われた「World IPv6 Day」が24時間限定でIPv6に対応してみるという取り組みだったのに対し、World IPv6 Launchでは、それ以降もIPv6対応を継続する。
しかし同タスクフォースによれば、日本ではネットワーク構造の特殊性から、IPv6対応に伴って遅延などの問題が発生することが指摘されている。いわゆる「IPv6-IPv4フォールバック問題」だ。Bフレッツ網などにはフォールバック時の遅延を小さくする仕組みが組み込まれているが、それでも1秒程度の遅延発生が報告されている。アプリケーションによっては、遅延がさらに大きくなる可能性があるという。
昨年のWorld IPv6 Dayでは、ISP側のDNSフィルタリングによって、ユーザーに通知するアドレスをIPv4に限定する「AAAA filter」といった暫定的な措置をとったこともあり、大きな問題とはならなかった。ただしAAAA filterは、インターネットが持つべきオープン性や透明性という観点からは望ましくない方法であり、DNSSECとの両立も難しいことから、「あくまで暫定的な対処として導入すべき」としている。
IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースではこういった問題点を回避するためにも、インターネット関連事業者が連携して、IPv6によるインターネットの接続性を提供していくことが望まれるとしている。
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