センサの追加でラック全体の環境を管理

ラリタン、温度や気流、ドアの開け閉めも監視できるラック用電源タップ

2012/05/15

 ラリタン・ジャパンは5月15日、ラック用電源タップの新製品「PX2-1000」、4機種を発表した。価格はオープンプライスで、市場想定価格は9万4290円からとなっている。

 同社は2008年に、コンセント単位でリモートからの電源オン/オフやモニタリングが可能なPDU(Power Distribution Unit:ラック用電源タップ)製品、「Dominion PX」を発表している。PX2-1000はその後継製品だ。コンセント単位での制御機能は省いたものの、タップ単位で電流/電圧/消費電力といった電力に関する情報を可視化するほか、オプションのセンサを組み合わせることで、ラック周辺の環境情報をリアルタイムにモニタリングできることが特徴だ。

 PX2-1000には、アンペア数/ボルト数やブレーカーの有無に応じて4モデルがラインアップされている。いずれも、各種センサを接続するセンサ用ポートやWebカメラなどの接続が可能なUSBポート、ICタグを利用したアセット管理センサ「AMS」を接続できるFeatureポートを搭載しており、これら拡張機能を活用することで、電力管理だけでなく、ラック全体、ひいてはデータセンター全体の環境管理を支援するという。

 接続可能なセンサとしては、従来から提供してきた温度/湿度センサに加え、空気の流れの強さを測定し、本来流れるべき空気が止まると通知する「気流センサ」、データセンター内のエアフロー生成に必要な空気圧が保たれているかどうかを確認できる「気圧センサ」、ドアの開け閉めなどを検知できる「接触センサ」などが提供される。

 あらかじめ設定したしきい値を超えたといったイベントをトリガにして、アラートメールを送信したりSNMP、Syslogに通知するといったアクションを取ることも可能だ。「ラックのドアが開けられたことを検知して、Webカメラで写真を撮り、誰が操作したかを記録することもできる」(ラリタン・ジャパン セールスエンジニア 原田雄一郎氏)。専用ハブを利用すれば、これら環境センサの増設も可能となっている。

 またAMSでは、ユニークなIDを焼き込んだチップを搭載した「AMT」というタグによって、機器を識別できる。タグのIDを自動的に読み取ることで、どの機器がどのラックの何ユニット目に格納されているかを把握し、運用管理作業を支援する。

 ラリタンでは、従来から提供してきた電源管理にとどまらず、環境情報やエネルギー使用量、リソースのキャパシティ管理や変更管理も含めた「データセンターインフラ管理(DCIM)」の提供に取り組んでいるという。今回発表したPX2-1000をはじめとするインテリジェントPDUもその一環であり、顧客の運用コスト削減や、より「グリーン」なデータセンターの実現を支援していくという。

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(@IT 高橋睦美)

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