既存のネットワークとの共存を経てフルSDNへ
「100GbpsでOpenFlow」、ブロケードがSDN推進戦略
2012/05/23
ブロケード コミュニケーションズ システムズは5月23日、Software-Defined Network(SDN)の実現に向けて、コアルータ「Brocade MLX」ならびにエッジルータ/スイッチの「Brocade NetIron CER/CESシリーズ」をOpenFlowに対応させることを発表した。9月にリリース予定のソフトウェアアップデート「Brocade 5.4 Software for NetIron」によって、「100GbpsワイヤレートでOpenFlowをサポートする」(同社プロダクトマネジメント&マーケティング部 ダイレクタ 佐宗大介氏)。
同社のOpenFlow対応には、3つの特徴があるという。1つは、ソフトウェアスイッチではなくハードウェアで対応することにより、高速性を実現していること。「われわれは3Gbpsや4Gbpsではなく、100GbpsでOpenFlowを実現しようとしている」(佐宗氏)。2つ目は、既存のネットワークからの段階的な移行を可能にする「ハイブリッド・モード」だ。1つのスイッチ内でポートごとにOpenFlow対応/非対応を設定できるため、既存のネットワークへの変更を最小限に抑えることができる。3つ目は、プログラム可能なFPGAでの実装で、OpenFlow試用の変更や将来的な拡張性を確保する。
ブロケードは同時に、米NECとSDNおよびOpenFlow分野に関して提携を結んだことも発表した。ブロケードのOpenFlow対応製品と、NECのプログラマブル・フロー・コントローラを連携させたソリューションを提供していく。すでに相互接続性の検証は行っているが、「ラボレベルではなく、プロダクトレベルのOpenFlowソリューションを提供していく。それも、グローバルに」(ブロケード コミュニケーションズ システムズ 代表取締役社長 青葉雅和氏)。
ブロケードは、現在の階層的なネットワーク構成から、SDNを支える「イーサネットファブリック」への移行戦略を推進してきた。論理的に1つのシンプルかつ高速なネットワークインフラ上でトンネリング技術とOpenFlowを活用し、それをOpenStackなどのクラウド構築ソフトウェアからRestfulなインターフェイスで管理することで、さまざまなサービスを迅速に作成し、提供できるようにするという構想だ。
「将来のネットワークの姿は、クラウドに最適化されたSDNになる」(米ブロケード コミュニケーションズ システムズ サービス・プロバイダ事業担当バイスプレジデント ケン・チェン氏)。
こうした構想を掲げる背景には、データセンターにとってネットワークがボトルネックになっているという課題がある。「数年前、サーバのユーティリティ(利用率)を向上させるために仮想化技術が普及した。データセンター事業者はいま、それと同じように、データセンターのユーティリティをどのように向上するかを考えている」(青葉氏)。それに必要な技術がイーサネットファブリックであり、SDNであり、さらにデータセンター間にファブリックを延長させる「Extender」技術だとした。
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