対応プロセスを自動化しネットワークを「より高信頼」に

機器障害対応に先手を――シスコがサポートサービス強化

2012/05/31

 シスコシステムズは5月30日、ネットワーク機器に障害が発生してから動き出すのではなく、プロアクティブに障害に対応するサポートサービス「シスコ スマートサービス」を発表した。

 シスコはこれまでも、世界5カ所に配置したシスコ テクニカルアシスタンスセンターやコールセンター、Webサポートをベースに、テクニカルサポートサービスを提供してきた。日本向けにも、日本語化したテクニカルサポートWebやドキュメントを提供している。

 しかし、「ネットワークの停止は単に困るというだけでなく、企業の生産性の低下に直結する。そこで、問題解決をリアクティブなものから、よりプロアクティブなものにしていきたい」(シスコシステムズ ジャパン シスコサービス事業 執行役員 中島シハブ氏)。そこでシスコ スマートサービスを通じて、顧客の担当者が障害発生を認識しシスコのサポートエンジニアに伝える前に、先手を打って対応する仕組みを整えたいという。

 シスコ スマートサービスでは、既存のネットワーク機器/サーバの構成情報や設定情報を収集するソフトウェア(コレクタ)と、これまでのサポートを通じて得られたノウハウを蓄積したデータベースを活用する。部品故障などの障害が発生すると、コレクタを介して自動的にサービスリクエストが生成されてシスコに送付される。同時に、機器に関する基本的な情報が送付される仕組みだ。これを障害対応情報を蓄積したナレッジと照らし合わせることで、改善策を提示する。障害対応のプロセスを自動化することによって、人的ミスを排除するとともに、解決までの時間を短縮できることがメリットだ。

 また、ネットワークインフラの拡大および複雑化にともなう機器管理の煩雑さも、全体を可視化することで解決するという。「これまで、台帳を作って手作業で管理してきたネットワーク機器を、Webポータルで一元的に管理できる」(同社テクニカルサービスマネージャー 大和哲也氏)。資産情報だけでなくセキュリティ関連情報も管理できるため、「ある脆弱性の影響を受ける恐れのある機器をリストアップする」といった作業を数クリックで完了できるという。

 中島氏は、25年にわたって蓄積してきたナレッジと自動化されたサービスを通じて、「ネットワークを、ビジネスの基盤に足る、より信頼できるものにしていきたい」と述べた。

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(@IT 高橋睦美)

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