エモーティコン、独自に開発された「アルゴリズム」に注目
ニュースで盛り上がる新アプリ、ミクシィら3社が企画開発
2012/06/06
6月5日、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、ミクシィ、コミュニティファクトリーの3社が共同で「RideNews」を公開した。RideNewsは、「友達と話題を共有したい」「話題に乗り遅れたくない」といった若年層の隠れたニーズに注目した総合ニュースアプリケーションである。
同日より、iOS版/Android版アプリケーションとして提供を開始しており、それぞれApp Store、Google Playストアから、無料でダウンロードできる。対応機種はiOS 4.2以降、Android 2.2、Android 2.3であり、mixi、Twitter、Facebookといった複数のサービスにも対応している。
RideNewsは、ITmediaや@IT、nanapi、スゴレン、毎日.jpなどのさまざまな媒体からニュースを配信する。この中から気になった記事は、友人間で簡単に共有が可能だ。今後は、提供する媒体数を増やすとともに、ユーザーに適した「ニュースの提案」を予定している。
3社が行った調査によると、20歳前後の学生は「ニュースそのものへの関心」を持つよりは、「ニュースを話題にして盛り上がること」に興味を持っているそうだ。現在の若者文化では、ソーシャルメディアを中心とした情報収集手段が主流となっているが、そこに参入することでニュースから広がるコミュニケーションの可能性に期待するという。
RideNewsの特徴的な機能は、2つある。1つは、「エモーティコン(感情アイコン)」、もう1つは、独自に開発された「アルゴリズム」である。「エモーティコン」とは、記事下に表示されている絵文字(感情アイコン)のことだ。これをタップすることで、ユーザーは記事を読んで感じたことを直感的に表現できる。また、友達がそのニュースを見てどのように感じているのかということも分かる。
2つめは、独自に開発された「アルゴリズム」である。記事公開からの時間を計算することで、新着記事が上位に表示される仕組みを実装している。さらに、Twitterのつぶやき数、Facebookのいいねの数/シェアの数など、複数のソーシャルメディアでのアクションに一定の係数をかけることで、ユーザー個人に合わせたニュースを提案するアルゴリズムを確立。このとき、友人がシェアした時の係数をかなり大きくしているため、友人が読んだ記事が優先的に上位に表示される仕組みとなっている。逆に、古い記事であっても、シェアが多ければ上位に表示され続けるという。
普段、興味のないニュースが、ソーシャルグラフを用いたアルゴリズムによって目に入るようになったとき、若者は果たしてそのニュースを読むようになるのか。そして、情報を受信するだけでなく、ニュースに対する自分の感情を記録するという試みでは、どのような反応が返ってくるのかという意味でも興味深い。
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