Linux仮想マシンやVHDの動作も可能に
Windows Azureが機能強化、IaaSや仮想ネットワークを追加
2012/06/08
マイクロソフトは6月8日、クラウドサービス「Windows Azure」の機能を大幅に強化したことを明らかにした。新たにIaaS的な機能を追加し、Windows OSだけでなく、Hyper-Vの仮想マシン上でLinuxも動作できるようになっている。また、イントラネットの延長としてWindows Azureを利用できる「仮想ネットワーク」機能も追加した。
これまでWindows Azureでは主にPaaS的な機能を提供してきたが、今回のアップデートでは仮想マシンによるIaaS機能を追加した。Azureの仮想マシン上でWindows OSはもちろん、CentOSやOpenSUSE、UbuntuといったLinuxディストリビューションを動作させることができる。なお、Windows Azure用ゲストOSのパッケージングは、それを提供するオープンソースコミュニティに委ねることになる。
また、手元のHyper-Vマシンで作成したVirtual Hard Disk(VHD)形式のイメージファイルをWindows Azureに移行させるといったことも可能になる。「IaaSを使うことで、既存アプリケーションを迅速にAzureのクラウド上に移行できる」(日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 クラウド&アプリケーションプラットフォーム製品部 部長 吉川顕太郎氏)。その逆も可能で、「ビジネス環境の変化に応じて、置き場所を柔軟に変えることができる」(同氏)。
これら仮想マシンの操作を行う管理インターフェイスも一新。これまでのSilverlightベースのものから、HTML5ベースのインターフェイスに変更した。
また、特にニーズが多かったという仮想ネットワーク機能の追加で、Windows Azure環境下に、指定したIPアドレスでサブネットを作成し、オンプレミスのネットワークと接続できるようになる。既存の環境の延長線上でWindows Azureを扱い、仮想的に1つのセキュアなネットワークとして利用できる。
もう1つ主要な強化として挙げられた「Windows Azure Webサイト」は、Webアプリケーションのデプロイを容易に行えるようにする機能だ。ASP.NETやPHP、Node.jsといったフレームワークに加え、WordPressやJoomla!といったオープンソースソフトウェアの構築、展開を、手間を掛けずに行える。これにより、迅速なビジネスの立ち上げを支援する。
仮想マシン(IaaS)や仮想ネットワークといった機能は、現在テクノロジプレビューという位置付けだ。2012年夏以降に正式版を開始する予定で、その際の料金は、仮想マシン(Sインスタンス)が1台1時間当たり、Windowsでは10.06円、それ以外のOSは7.43円となる予定(プレビュー版ではいずれも7円)。仮想ネットワークは1時間1接続当たり4.38円となる(プレビュー版では無償)。
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