1システムで4PBまで拡張が可能

EMCジャパン、ハイエンドストレージ「VMAX」を拡充

2012/06/11

 EMCジャパンは6月8日、5月の米ラスベガスにおけるEMC Worldにおける発表を要約して説明するとともに、その発表の1つでもあるハイエンドストレージ「EMC VMAX」の製品ラインナップ一新を発表した。VMAXで最上位モデルを追加するとともに、最下位モデルもより本格的に推進する。これにより、VMAXユーザーのすそ野が広がる点にも期待していると、EMCジャパン代表取締役社長の山野修氏は話している。

 EMCはこれまで、EMC VMAXファミリとして、「VMAX」「VMAXe」という2つの製品を提供してきた。今回の発表では新たな最上位製品「VMAX 40K」が加わった。これまでのVMAXは「VMAX 20K」となり、「VMAXe」は「VMAX 10K」となった。機種名の「40K」「20K」「10K」は利用可能なストレージ容量を表現している(VMAX 40Kは4PB、VMAX 20Kは2PB、VMAX 10Kは1.5PB)。なお、VMAX 10Kはオープンシステムのみに対応した製品。一方、VMAX 20K,40Kはメインフレーム環境にも対応する。

emc01.jpg EMC VMAXシリーズ

 EMCジャパンでは、VMAX 40Kについて、他の競合ベンダにはないレベルの製品だと説明している。コントローラはマトリックス構成により、可用性と性能を段階的に向上できる。その意味で、VMAXはスケールアップとスケールアウトの要素を持つ製品だ。

 最大で192コアのCPUを搭載できる。キャッシュは2TB搭載可能。ドライブは、3.5インチドライブの場合、2400台まで構成できる。VMAX 40Kでは、新たに、2.5インチドライブをサポート、3200台まで構成できるようにした。この2.5インチドライブを使った高密度実装により、3.5インチの場合の最大構成と比べると、設置領域は33%減、総重量は35%減、消費電力は27%減が実現するという。また、VMAX 40Kでは、SSDの利用にも新たな選択肢が加わった。VMAXでサポートされている3.5インチSLCに加え、上記の高密度実装オプションでは2.5インチのMLCを利用でき、コスト効率を向上できるという。

 VMAXシリーズのストレージOSは、新バージョン「Enginuity 5876」が提供される。この新バージョンで目立つ新機能は、「Federated Tiered Storage」。これはVMAXの下に他のストレージを接続して管理を統合できる機能だ。シンプロビジョニングを適用できるほか、自動階層管理機能「FAST VP」を他のストレージにも適用できる。チェックサムにより、他のストレージに保存するデータの一貫性を確保できる。さらに管理面では、新たに「Unisphere for VMAX」が提供される。VNXなどと同一のグラフィカルなインターフェイスで、VMAXも管理できるようになった。

(@IT 三木泉)

情報をお寄せください:

Server & Storage フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

キャリアアップ

- PR -

注目のテーマ

ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

生成AIを業務で使わないマーケターはもはや3割以下 御社はどうする?
HubSpot Japanが日本で実施した調査によると、日本のマーケターの8割以上が従来のマーケ...

新富裕層の攻略法 「インカムリッチ」の財布のひもを緩めるマーケティングとは?
パワーカップルの出現などでこれまでとは異なる富裕層が生まれつつあります。今回の無料e...

ブラックフライデーのオンラインショッピング 日本で売り上げが大幅に増加した製品カテゴリーは?
Criteoは、日本国内のブラックフライデーのオンラインショッピングに関する分析結果を発...