OpenFlowを用いてセルフマネジメントを実現、数分で変更反映
「ネットワークリソースも顧客に開放」、NTT Comのクラウドサービス
2012/06/11
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は6月11日、サーバ仮想化技術「VMware」と、ネットワーク仮想化技術「OpenFlow」を活用した企業向けのプライベートクラウドサービス「Biz ホスティング Enterprise Cloud」を発表した。「サーバだけでなく、データセンター内のすべての機材を柔軟にコントロールできる」(同社クラウドサービス部 ホスティング&プラットフォームサービス部門長 関洋介氏)ことが特徴だ。
Biz ホスティング Enterprise Cloudは、いわゆるIaaSの一種に位置付けられるサービスだ。サーバ仮想化技術を用いてサーバリソースを提供するだけでなく、「ネットワークリソースまでも顧客に開放する」(関氏)ことが特徴。帯域や仮想ファイアウォール、仮想ロードバランサといったさまざまなリソースを、顧客自身の手で調整し、運用コストを最適化できる。
同サービスでは、専用ポータル上で「サーバリソース」「ネットワークリソース」「コネクティビティ」の3つのリソースを組み合わせると、バックエンドのネットワークコントローラを介して、自動的にクラウドネットワークが構成される。ネットワーク品目の変更などを申し込んで設定を完了するまで5〜10日かかった従来のプロセスに比べ、セルフマネジメントによって数分単位で設定変更が反映されるという。
例えばサーバリソースならば、CPU数やメモリ、ディスクといった、より細かな単位に落とし込んでリソースを割り当てることが可能だ。課金は分単位で行われるため、最小構成ならば安価に導入できるといい、「ターゲットである大企業のクラウド導入のハードルを低くする」(同氏)という。
また、データセンター間でバックアップを取りたいという用途向けに、オプションサービスとして「グローバルデータバックアップ」を提供する。通常時は必要最小限の帯域を利用し、大量のデータのバックアップが必要になった場合に、仮想ネットワークの設定を変更して帯域を拡張するというもので、グローバルなBCPをコスト効率よく実現できる。
さらに、クラウド導入時の障壁として挙げられるセキュリティについては、ウイルス対策やURLフィルタリングといったセキュリティ機能に加え、Webアプリケーションファイアウォールやアプリケーションフィルタリングといった、アプリケーションレベルのセキュリティを提供。今後、仮想マシン向けのウイルス対策や仮想マシン間ファイアウォールといった、ハイパーバイザレベルのセキュリティも提供していく予定だ。
NTT Comでは、オンプレミスやホスティングサービス上のシステムからの移行をにらんでBiz ホスティング Enterprise Cloudを6月29日から提供していく。日本国内だけでなく、香港や米国、シンガポールなどグローバルなサービスとして展開する予定だ。
料金は、サーバリソースのうちCPUが1GHzで1分当たり0.092円(月額上限2625円)、メモリが1GBで同0.073円(月額上限2100円)、ディスクは50GBで同0.092円(月額上限2625円)など。インターネット接続は、ベストエフォートで10Mbpsの場合、1分当たり1.094円から。イントラネット接続は、「Arcstar Universal One」を利用している場合無料となる。
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