“Software Defined Datacenterへの取り組み強化”

ヴイエムウェアがNiciraを買収すると発表

2012/07/24

 米ヴイエムウェアは7月23日(米国時間)、Niciraを買収すると発表した。Niciraは複数のハイパーバイザ、複数のクラウド運用基盤をサポートする同社のオープンなアプローチを継続するという。

 「ヴイエムウェアは、Niciraのソリューションの成功をもたらしてきたオープンな原則や技術のサポートを継続する。これには物理ネットワークと複数のハイパーバイザを接続するOpen vSwitchや、あらゆるクラウド管理システムからのビジネスレベルのポリシー実装を可能とするオープンな拡張フレームワークが含まれる。これにより、企業やサービス事業者は、あらゆるクラウド環境に透過的にまたがる非常に柔軟なネットワークトポロジが構築できる。ヴイエムウェアはNiciraのオープンさを維持し、異種環境およびOpenStack、CloudStack、その他のクラウド関連コミュニティにさらなる価値と選択肢を提供することに注力していく」とニュースリリースは述べている。

 ヴイエムウェアのCTOであるスティーブ・ハロッド(Steve Herrod)氏は、同氏が最近使用している「Software Defined Datacenter」という用語を用い、今回の買収についてブログで説明している。ハロッド氏によれば、クラウドコンピューティングとは機動的で柔軟で、効率的かつ信頼性を向上できるサービスであり、これはハードウェアを抽象化し、キャパシティをプールし、自動化を適用できるインテリジェントなソフトウェアによってのみ実現できるという。Software Defined Datacenterでは各テナントが物理的なデータセンターから仮想的なデータセンターを柔軟かつ迅速に切り出して使うことができる。今回の買収は、このSoftware Defined Datacenter戦略を前進させるものだという。

 ハロッド氏はブログで、「過去14年にわたり、ヴイエムウェアは現場で実証されてきたサーバ仮想化機能、さらにvSphereのソフトウェアをベースとしたストレージや可用性向上技術を通じ、Software Defined Datacenterへの動きをリードしてきた。Niciraは当社のSoftware Defined Networkingに関する取り組みの大幅な前進を助けてくれる。今日、当社はVMware vSphereの仮想スイッチ、vCloud Director Networking、vShieldのネットワークおよびセキュリティサービス機能を提供し、VXLANプロトコルで業界他社と協力している。今回の買収はヴイエムウェアのネットワーキング技術を拡大し、SDN機能の完全な製品群と、仮想スイッチから仮想レイヤ3〜7サービスまで、ネットワーク仮想化の包括的なソリューション提供を実現してくれる」と説明した。

 NiciraのCTO、マーティン・カサド(Martin Casado)氏はブログで、「NiciraのSDN機能はヴイエムウェアの提供するサーバ、ストレージ、ネットワーク技術と堅く結び付いて、Software Defined Datacenterを追求していくことができる。(今回の買収によって)、3つのコンポーネントがすべて連動し、クラウドを提供していくことができる」と書いている。

 ヴイエムウェアは7月初め、複数のハイパーバイザ環境を管理できるクラウド運用管理ツールのDynamicOpsを買収した。Niciraの買収と、これとの関係も注目される。

(@IT 三木泉)

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