コストパフォーマンスに優れたOpenFlowスイッチ
ネットワーク機器もコモディティ化へ、日商エレがPica8製品発売
2012/07/26
日商エレクトロニクスは7月25日、米Pica8(ピカエイト)と販売代理店契約を結び、同社のOpenFlow対応スイッチ「Prontoシリーズ」の販売を開始した。SDN(Software Defined Network)で制御されるネットワークファブリックを構成する要素として提供していく。
ProntoシリーズはOpenFlowに対応したレイヤ2/3スイッチだ。普通のイーサネットスイッチとしても動作するし、OpenFlowのホップバイホップ方式、オーバーレイ方式、いずれにも対応する。
Open vSwitch 1.4.1を実装し、オープンソースのルーティングソフト、「XORP(Extensible Open Router Platform)」を拡張したXORPlusを搭載。ハードウェアには専用ASICなどを用いる代わりに、市販されているブロードコムのチップ「Trident+」を採用し、コストパフォーマンスに優れていることが特徴だ。日商エレクトロニクスによれば、同等のパフォーマンスを持つ製品に比べ20〜50%コストを削減できるという。
ネットワーク機器は長年、独自ASICと独自OSの組み合わせで性能と機能を高める方向に進化してきた。しかしPica8などが目指すのは、それとは異なる方向だ。
米Pica8のCEO、ジェームス・リャオ氏は、「データセンターを構成する要素の中で、サーバやストレージではモジュール化、シンプル化が進んだのに対し、ネットワークがボトルネックになっている。今後のネットワークは、プロプライエタリなシャーシというハードウェアに頼るのではなく、ソフトウェアで制御できなくてはならない」と述べ、同社のスイッチによって、ソフトウェアで一元管理可能な「ネットワークファブリック」を実現していくとした。
また、日商エレクトロニクス マーケティング本部 第二プロダクトマーケティング部 部長の榎本瑞樹氏も、「サーバの世界ではx86ベースの製品ならばどれでもいい、というふうになっているのと同じように、ネットワークの世界でもコモディティ化が進むだろう」と予測。従来通りの高品質を求める方向とコモディティ化を追求する方向に二極化するのではないかという。
Prontoシリーズを構成する製品は4モデルある。1ギガビットイーサネット(GbE)を48ポート搭載した「3290」とそれに冗長電源を搭載した「3295」、10GbEを48ポート搭載した「3780」、10GbE 48ポートに40GbEを4ポート搭載した「3920」だ。価格は、Pronto 3290が32万3000円から。
日商エレクトロニクスではPica8のスイッチ製品を、クラウドサービスを展開する事業者向けのプラットフォームの一部として販売していく。特に、先日VMwareが買収を発表したNiciraのNVP(Network Virtualization Platform)や、CloudStackをはじめとするクラウド管理ソフトウェアと組み合わせたネットワーク仮想化ソリューションを提供し、データセンターをまたいだ仮想マシンの移動にともなうネットワーク再設定を不要にしたり、ファイアウォールやQoSといった各種ネットワークサービスの提供を自動化したりといった仕組みを実現していくという。
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