東京リージョンでも提供開始
AWS、ストレージでIOPS指定ができる新サービス
2012/08/02
Amazon Web Services(AWS)は8月2日、同社のAmazon EC2用ストレージサービスである「Amazon Elastic Block Store(EBS)」で、IOPSを指定できるオプション、「Amazon EBS Provisioned IOPSボリューム」を発表。米国東海岸(北バージニア)、米国西海岸(北カリフォルニア)、米国西海岸(オレゴン)、西ヨーロッパ(アイルランド)、アジアパシフィック(シンガポール)、アジアパシフィック(東京)の6リージョンで同時に提供開始した。AWSは、特にデータベース運用に役立つ高IOPSソリューションを、今年に入って次々に提供開始している。DynamoDB、後述のハイI/Oインスタンス、そして今回のProvisioned IOPSボリュームだ。
Provisioned IOPSボリュームは、EBSのボリュームタイプの1つとして提供される。すなわち、ユーザーはEBSボリュームを作成時に、StandardボリュームかProvisioned IOPSボリュームかを選択できるようになった。AWSの説明によると、Standardボリュームは1ボリューム当たり平均約100 IOPSで、ベストエフォートながら、数百IOPSまでバースト可能というパフォーマンスレベル。ユーザー側で1つのAmazon EC2インスタンスに複数のStandardボリュームをアタッチし、これらの間でストライピングをすることで、(より確実に)数百IOPSを出す構成もできる。
今回のProvisioned IOPSボリュームでは、ボリューム作成時にIOPS値を指定することができる。現在は最高1000 IOPSだが、今後上限を引き上げていく予定という。複数のProvisioned IOPSボリュームでストライピングを行えば、数千IOPSの確定的なストレージアクセススループットを実現できる。
ただし、ストレージアクセスのパフォーマンスをいくら上げても、サーバインスタンスとストレージの間の接続が細いのでは無駄になってしまう。そこでAWSは同時に、「EBS-Optimizedインスタンス」の提供を開始した。これはAmazon EC2インスタンスとProvisioned IOPSボリュームの間で、特定の接続帯域幅を確保できるというもの。具体的には、m1.largeインスタンスで500Mbps、m1.xlargeとm2.4xlargeで1000Mbps(すなわち1Gbps)が提供されている。ほかのインスタンスは現在のところ、EBS-Optimizedインスタンスとしての起動ができない。
ハイI/Oインスタンスは1〜2桁高いIOPSを提供
これに先立ちAWSは7月中旬に、CassandraやMongoDBなどNoSQLデータベースの運用に適したメニューとして「ハイI/O EC2インスタンス」を提供開始した。これも高IOPSニーズへの対応を意図しているが、名前が示すとおり、Amazon EC2のインスタンスタイプの1つとして加わったオプションだ。
ハイI/Oインスタンスとして最初に提供開始されたのはhi1.4xlargeインスタンス。1TB×2のSSDがローカルストレージとして提供される。これはインスタンスストレージなので、インスタンスを停止すればデータは消えてしまう。このためバックアップは不可欠だ。hi1.4xlargeのストレージI/Oパフォーマンスを、AWSは「準仮想化を使用した場合、4Kブロックのデータでランダムリードは12万IOPS、ランダムライトは1万から8万5000 IOPSが期待できる」としている。
すなわち、ハイI/Oインスタンスは、今回発表のProvisioned IOPSボリュームに比べ、大まかにいって1〜2桁高いストレージIOPSが期待できる。ただし、そのIOPSは安定的な提供が約束されたものではなく、特定の仮想サーバインスタンスタイプに限定されてストレージ容量も固定であり、非永続的なストレージであるという違いがある。
[2012/08/03修正]記事初出時にはProvidsioned IOPSのほうが「1桁」高いIOPSが期待できると記述しましたが、比較の仕方によっては2桁違うとも表現できるため、「1〜2」桁高いという表現に修正しました
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