ProntoシリーズとHinemosの連携で仮想ネットワーク実現を支援

OpenFlow/SDNアプリの開発も視野に、NCLCとNTTデータが提携

2012/08/28

 エヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC)は8月28日、OpenFlowを用いた仮想ネットワークの構築、運用管理ソリューションの推進に向け、NTTデータと提携を結んだ。第1弾として、2012年3月から販売を開始した米Pica8のOpenFlow対応スイッチ「Prontoシリーズ」と、NTTデータの統合システム管理ツール「Hinemos」の仮想ネットワーク管理オプションを組み合わせ、提供していく。

 Prontoシリーズは、OpenFlowをフルサポートしたL2/L3スイッチだ。汎用ハードウェア(チップセット)の採用によって低価格化を実現していることが特徴で、「Software Defined Network(SDN)の世界にふさわしいコモディティ化を実現している」(NCLC 代表取締役社長 関根尚氏)。従来のネットワーク機器とのハイブリッドモードで動作することもでき、既存ネットワークからのマイグレーションが可能なこともメリットだ。

 一方、統合システム管理ツールとして知られてきたHinemosは、近年、仮想化技術への対応に注力してきた。「VM管理オプション」では仮想マシン(VM)の運用管理機能を、「仮想ネットワーク管理オプション」では、OpenFlowコントローラとしての機能に加え、OpenFlowで構築した仮想ネットワークに対する管理/監視機能を提供している。障害を自動的に検知し、ダイナミックに通信経路を変更することも可能だ。

 今回の提携でProntoシリーズとHinemos 仮想ネットワーク管理オプションを組み合わせて提供することにより、マルチテナントに対応した仮想ネットワークを容易に構築できるよう支援する。これにより、従来のネットワークが抱えていた、スケーラビリティや柔軟性といった課題を解決するという。

 説明会では、Prontoシリーズで構成したフルメッシュネットワークの物理構成と論理構成の両方を、HinemosのGUIから管理するデモンストレーションを行った。メンテナンスのために特定のスイッチだけを一時的に経路から外したり、XenServerで構築したVMのライブマイグレーションに合わせて、ネットワーク経路を動的に変更するといった制御が可能という。

 価格は、Hinemos基本ライセンスとVM管理オプション、仮想ネットワーク管理オプションを組み合わせた場合で初年度620万円から。Prontoシリーズは、ローエンドモデルの「P-3290」が33万円など。

 単に仮想ネットワークを実現するだけでなく、将来的にはOpenFlow/SDNアプリの開発を進めていくという。「マルチパスで帯域幅を増やすといったトラフィックエンジニアリングや、ロードバランサ、ファイアウォールといった既存ネットワークの実現、さらには、メディアコンバータの機能をエミュレートするレイヤ1スイッチなど、さまざまなSDNアプリの開発を推進したい」(関根氏)。

(@IT 高橋睦美)

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