Linuxディストリビュータもクラウド事業者も

OpenStackディストリビューション、相次ぐリリース

2012/09/05

 オープンソースのクラウド基盤ソフトウェア「OpenStack」を取り込んだディストリビューションリリースの動きが活発化してきた。

 米Red Hatは米国時間の8月13日に、「Red Hat OpenStackディストリビューション」のパブリックプレビュー版を公開した。Red Hat Enterprise Linux 6.3上で、2012年4月にリリースされたOpenStack Essexリリースが動作する。いずれ次期バージョンのOpenStack Folsomリリースが公開されれば追随する予定という。

 Red Hatは、これまでの経験を生かし、Red Hat OpenStackディストリビューションによってエンタープライズクラスのクラウド基盤を提供できるとし、2013年の早い時期に正式リリースを見込んでいる。将来的には、Rackspaceなどのパートナーと協力し、Red Hat OpenStackベースのクラウドも提供する予定という。

 一方Attachmate GroupのSUSEも8月29日、SUSE Linux EnterpriseとOpenStackをベースとしたディストリビューション「SUSE Cloud」をリリースした。同じくOpenStack Essexリリースを採用しており、今後のバージョンにも追随予定だ。

 SUSE Cloudでは、OpenStackを管理ツールの「SUSE Manager」やイメージ構築ツールの「SUSE Studio」と組み合わせることにより、ワークロードの監視、分散や迅速なプロビジョニングなどが可能という。また、オープンソースのクラウド向けデプロイツール「Crowbar」も含んでおり、導入、管理作業を自動化できる点も特徴という。

 ほかに、NASAとともにOpenStackプロジェクトを立ち上げた米Rackspace自身が、プライベートクラウド環境を簡単に構築、テストできる「Rackspace Private Cloud」を公開。Piston Cloud Computingも、OpenStackをベースとした「Airframe」を9月4日から公開した。Airframeは、企業向けクラウド管理ツール「Piston Enterprise OpenStack」の機能を簡素化した無償版だ。

(@IT 高橋睦美)

情報をお寄せください:

Master of IP Network フォーラム 新着記事

キャリアアップ

- PR -

注目のテーマ

- PR -
ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

社会人Z世代の休日の過ごし方 関東と関西の違いは?
大広若者研究所「D'Z lab.」は、37人へのインタビューと1000人へのアンケートを基に、社...

製造業の8割が既存顧客深耕に注力 最もリソースを割いている施策は?
ラクスは、製造業の営業・マーケティング担当者500人を対象に、新規開拓や既存深耕におけ...

「生成AIで作った広告」が物議 そのとき、コカ・コーラはどう動いた?
生成AIを広告制作に活用し、議論を呼んだCoca-Cola。この経験から何を学んだのか。