ラネクシーが緊急アンケート結果を公開
クラウドのバックアップ、取ってる? 企業規模で回答に差
2012/09/19
ラネクシーは、レンタルサーバ事業者で発生したデータ消失事故を受け、クラウド移行の現状とバックアップに関する緊急アンケートを実施し、その結果を公開した。中堅・中小企業とそれ以上の規模の大企業とで、システムをクラウドへ移行している割合、そしてクラウド移行後にバックアップを取得している割合に違いが生じる結果となった。
この調査は7月10日から20日にかけて、ラネクシーのWebサイト上で行った。回答数は357件。回答者が所属する企業の規模別に見ると、1〜99名が25%、100〜499名が28%、500名以上が47%となっている。
まず、バックアップの実施状況を複数回答で尋ねたところ、「ファイルバックアップ」との回答は300件以上に上り、「イメージバックアップ」を行っているとの回答も200件を超えた。しかし、レプリケーションや継続的なデータ保護(CDP)などを実施し、災害対策まで踏み込んでいる企業は一部にとどまった。
次にクラウドへの移行状況については、従業員規模100名を境にして回答が分かれた。中堅〜大規模企業では、すでに1〜2割がファイルサーバだけでなく基幹系システムでもクラウドを活用している。一方で、中小規模企業ではクラウドへの移行があまり進んでいない。ただし、メールやグループウェアといった情報系システムは例外で、企業規模によらず、2〜3割程度がクラウドへの移行を完了しているという。
続けて、クラウドに移行したシステムについてバックアップを取っているかどうかを尋ねたところ、従業員規模1000名を境に答えが分かれた。それ以下の中堅・中小規模企業では、「クラウドでのバックアップはとっていない」「事業者に任せている」という回答が4割近くを占めたのに対し、それ以上の規模の企業では「何らかの形でバックアップを行っている」と回答。また、大規模データ消失事故を受けての感想を尋ねた設問では、企業規模を問わず約6割が「クラウドでもバックアップの仕組みは必要である」と回答した。
これを踏まえてラネクシーは、今後、中堅・中小規模企業において、より重要なデータをクラウドに移行し始めたときには「バックアップについて検討を始める必要がある」と指摘。特に、大規模なデータ消失事故を目の当たりにしたいま、クラウド環境だからといって事業者に任せきるのではなく、何らかの形でバックアップを取得し、事業を継続できる環境作りが急務となっていると述べている。
なお、「システム・データの二重化についての状況」に関する質問には、企業規模を問わず2〜3割が「システムおよびデータ、ともにローカルサイトにしかない」と回答した。データセンターを利用する企業も増えてはいるが、特に中堅・中小規模企業でその比率は低くなっている。
一連の回答を踏まえラネクシーは、特に中堅・中小規模企業にとってはクラウドへの移行はこれからの課題であり、その際、データ保護の仕組みをどう実現していくのか、バックアップのあり方が大きな課題となっていると述べている。
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