大容量データを低コストで保管

国産クラスタストレージソフトがマルチテナント対応

2012/09/20

 ストアゲートは9月20日、同社のクラスタストレージソフトウェアの最新バージョン、「XecoS v1.6」を発表した。出荷開始は10月下旬の予定。新バージョンではマルチテナントに対応するとともに、REST APIを提供した。大容量データを低コストで保管でき、アーカイブサービス提供などのための利用に適しているという。

 XecoSは複数の汎用コンピュータをIPネットワークでつなぎ、その内蔵ハードディスクドライブ(HDD)をまとめ上げてストレージクラスタを作り上げるソフトウェア。データには固有IDなどのメタデータを割り当て、オブジェクトとして管理する。ディスクドライブ障害対策は、RAID構成の代わりに多重保存で行う。多重度は無制限で、運用担当者が設定できる。

 ストアゲートはプレスリリースで、「最新版の『XecoS v1.6』は、クラウド型のコンテンツ管理に向けてマルチテナント機能(テナント毎の名前空間隔離)を追加し、テナント(組織)毎にコンテンツ実データとメタデータを区分保管することで、システム内の情報セキュリティを向上させるとともに、コンテンツ格納と検索処理をテナント毎に並行実行させて処理速度や安定性を向上」していると説明している。

 では、実データとメタデータをテナントごとに保管するとはどういうことか。

 ストアゲートによると、まずメタデータは実データと完全に切り離し、メタデータ専用のHDDに保管している(こちらも多重保存)。そしてこのメタデータ専用のHDDに、テナントごとの領域を作成、各テナントのメタデータを別領域に保存している。一方、実データに関しては、テナントごとにディレクトリを分け、各テナントのアクセスはそのディレクトリ内に限定しているという。このため、REST APIは、認証情報を同時に送信する仕様になっている。

 またバージョン1.6では、自動アーカイブ機能も新たに搭載した。これにはプッシュ型とプル型の2種類がある。プッシュ型では、エージェントソフトが動作するコンピュータのローカル・ディスク内ファイルをXecoSサーバへ自動転送する。プル型ではXecoSサーバがNFS/CIFS サーバの共有ボリュームをクロールし、検出ファイルを自動アーカイブするという。

 ソフトウェアライセンスの価格は1ノード32万円(税別)。ストアゲートはAtomベースのアプライアンス「XecoS c1000」も提供しており、こちらは最小構成(3ノード、合計容量3TB)で120万円(税別)となっている。

(@IT 三木泉)

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