Analysis
ネットワークベンダたちの夏
2009/08/17
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INTEROPの運営主体が変わり、来年から原点回帰を果たすという。私も過去10年以上にわたり、INTEROPにはいろいろな形で関わらせていただいているため、これは非常に感慨深いニュースだった。
ご存知の方は多いと思うが、INTEROPは米国で、インターネットの接続性検証イベントとして始まった展示会/カンファレンスだ。日本では16年前に第1回が開催され、その後インターネット/ネットワークの広がりとともに巨大なイベントへと成長した。毎年6〜7月に実施されている。
思い返せば、この場で多数の、ダイナミックなネットワーク技術の進化を目撃させてもらった。
今年のINTEROPでは100Gbpsイーサネットの標準化が話題になったが、1990年代半ばには、ファーストイーサネット(つまり100Mbpsイーサネット)対100VG-AnyLANという2つの100Mbps伝送規格の闘いが繰り広げられたことがあった。東芝のセルスイッチルータと、当時彗星のように現れたイプシロンネットワークスの「ラベルスイッチ」、これらに対抗するためにシスコシステムズが提供した「タグスイッチ」の競い合う姿も見られた。これらはWAN接続技術としてはいまや定番の、MPLSに収束していった。
INTEROP TokyoのShowNetは、ネットワーク製品ベンダにとっての登竜門ともいえる役割を果たしてきた。製品ベンダは、この場で自社製品が「使いものになるか」を厳しく試された。「お墨付き」が得られたことが、その後の日本市場での活躍に大きく寄与したベンダも多い。軽快なデータセンターのネットワーキングを実現したファウンドリーネットワークスや、イーサネットをメトロに広げたエクストリームネットワークスなどがいい例だ。最近ではA10ネットワークスが思い浮かぶ。
いま、さまざまな技術がブラックボックス化し、見えにくくなってきている。IT製品をつくる側と使う側は、ますます乖離が生じがちだ。この問題を解消する場はどんどん少なくなっている。INTEROP Tokyo 2010の実行委員長を務める慶應義塾大学の村井純教授は、これまでのネットワーク通信以外にも、社会のさまざまな分野でのIP化が今後ますます進むからこそ、こうしたアプリケーションを踏まえた検証が求められるとしている。
INTEROPでは一時、「Believe in Technology」というキャッチフレーズを掲げていた。技術を信じるならば、教科書を読んだり、プレゼンテーションを聞いたりするだけでなく、その技術に触れ、使ってみなければならない。「使える技術」を生み出す場としてのINTEROP Tokyo。何よりも来年以降、一時期のこのイベントの楽しさがまた味わえるかと思うと、ゾクゾクしてくる。
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