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@IT > Microsoft Impossible 第3話 |
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前回に引き続き、今回もマイクロソフト調布技術センターに潜入だ。今回は、Windowsの「かな漢字変換」をつかさどるIME(Input Method Editor)の開発チームがターゲットだ。マイクロソフトの日本語IMEは、WindowsやOfficeに標準で付いてくる「かな漢字変換プログラム」として有名だけど、初期のIMEでは、変換結果に思わずガックリくるようなことが少なくなかった。最近はかなりましになってきた気がするけどね。
ここがIMEの開発チームだな。おっ、しめしめ、IMEの開発資料らしきものを発見。なるほど、マイクロソフトが日本語IMEをWindowsに初搭載したのは、1993年発売のWindows 3.1からか。もう10年以上前なんだ。 開発当初は、IMEの存在と必要性を本社の開発者に理解させるのにかなり苦労したようだ。いまでこそUnicodeなどでOSが多国語対応するのは当然になっているけど、昔は「1バイトあればすべての文字が表現できる」ってのが欧米の常識だったからなぁ。 ほう。日本、中国、台湾、韓国のアジア4地域でそれぞれ自国語版のIMEを開発してんのか。ま、言葉はカルチャーそのものだし、外国人にゃ開発できないだろうしな。ふむふむ、アジア各地域の開発者同士が横に連携して、アジア地域に不可欠なIMEをもり立てていると。政治面ではいろいろあるけど、各地域IME開発者の結束は固いようだ。政治の方もこうあってほしいもんだがなぁ…。
IMEは、キーボードなどから入力された文字を日本語に変換して、変換結果をアプリケーションに渡す。いってみれば脇役だ。基本的には、IMEとアプリケーションは独立して動くんだろうけど、実際のところはアプリケーションとIMEの相性というか、互換性の問題なんかもあるんじゃないかと思う。 と思ったら、リーダーの鹿子木(かのこぎ)が上司に呼ばれたぞ。なになに、やっぱりトラブルの調査要請だ。思ったとおりだ。おっ、鹿子木が倉庫のような部屋に入っていったぞ。 うぉぉ。何だこれは。各社のWindowsアプリケーションがずらりとそろってるじゃないか。ずいぶん古いアプリケーションもあるぞ。うーむ。OSが変わろうと、IMEが新しくなろうと、ユーザーは古いアプリケーションを使い続けるからな。IME開発では、過去のアプリケーションとの互換性もテストしてんのか。こりゃ大変だ。
何やら無人でテストプログラムが走っているようだが…。うん? おお。新聞記事やら、Web上の文書を片っ端から変換して、正しい変換ができるかどうかを自動的にテストしているようだ。なーるほど、こうして変換精度を上げてるのか。
今日は開発メンバが集まって会議を開いているぞ。どうやら誤変換が多かった単語について議論しているようだ。 インターネット経由で誤変換を報告する機能がIMEにあることは前から知っていたが、まじめに対応なんかしてないんだとばっかり思っていた。ちゃんと見てんのか。んー、「コエンザイム」に「ワンセグ」ね。がんばってください。それにしても「機動戦士」が重点語とは。もしかして、アキバ・パワーがここまで…。
IMEの使い勝手向上の背景には、既存アプリケーションの互換性や、変わりゆく日本語と闘う人々の努力があった。言葉はロジックじゃなくてカルチャーだからねぇ。「モーニング娘。」だもんなぁ。諸君の検討を祈る。
提供:マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:デジタルアドバンテージ 掲載内容有効期限:2006年10月31日 |