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ある日、社長が
「タブレットを業務でも使おう」
といい出した

第1回 タブレット型コンピュータは社内で使えるか?

システム管理者のつぶやき

 あーあ、新し物好きの社長が、また何か買ってきたらしいぞ。ああ、タブレット型コンピュータか。

 キーボードがない代わりに、薄型のディスプレイにタッチ・インターフェイスを備えたタブレット型コンピュータは、Apple社がiPadを発表して以来、普及が進んでいる。薄くて軽くて、バッテリもそこそこもって、表示がきれいで、タッチインターフェイスも慣れてくるとけっこう使える。すでに広く普及していた、スマートフォンのiPhoneのインターフェイスを発展させたということもあって、個人ユーザーを中心に利用者が増えていると聞く。またGoogleも、Android OSを搭載するタブレット型コンピュータを発売している。タブレット型コンピュータは形が板状であることから「スレート」と呼ばれることもある。個人利用を主眼に開発されているこれらのタブレット型コンピュータは、「コンシューマ・スレート」と分類されるようだ。社長が買ってきたのも、コンシューマ・スレートの1つ。スタイルが新鮮だし、なんとなく見映えがするし、派手好きのうちの社長が興味を持つのもまあ無理ないか。

 社長、ずいぶんスレートが気に入っている様子だ。ま、コンシューマ・スレートはWebブラウザとかメール・アプリケーションとかが標準で入っていて、簡単に使えるからな。おやおや、職場の若い女の子への自慢が始まっちゃったよ。

 と思ったのもつかの間、いやな予感が的中だ。社長に呼ばれていってみると、「ノートPCなんかもうやめにして、社内端末もこれにしよう」とかいい出した。毎日忙しいっていうのに、いまあるノートPCの置き換えができるか、評価しろだって? あのねぇ、社長、良くも悪くも、うちはもう15年以上もWindowsパソコンを全社的に使っているんですよ。クライアントPCはもちろん、社内サーバはWindows Serverだし、社内ネットワークはWindows標準のディレクトリ・サービスであるActive Directoryを使って管理しています。そんなところに、Windows OS以外のコンピュータを急に持ち込むってことが、どういうことなのか、まるで分かってないでしょう。

 とはいえ、頭ごなしにダメといっても、あれだけ熱が上がってると簡単には引き下がらないだろうから、「まずは社長ご自身で、業務に使えるのかどうか、数日試してみてはいかがですか」っていってやった。さてさて、どうなることやら。

ファイル・サーバの共有ファイルが見えない!

 翌日、社長が困り顔でやってきた。聞けば、社内にあるファイル・サーバにある共有ファイルがスレートから見えないという。そりゃそうですよ、社長。まずもって、コンシューマ・スレートは個人利用が前提で、会社のファイル・サーバを使うなんてことは前提になってないんですから。もちろん、追加ソフトウェアをインストールしたり、設定を変更したりすれば、アクセスできなくはないですけど、少なくとも標準の状態では無理ですね。会社にあるノートPCを置き換えるなんていってましたけど、いったい誰が1台1台設定するっていうんでしょうか。私はご免こうむりますよ。

 ファイル・サーバが標準じゃ見えないっていったら、社長、ショック受けたようだな。とりあえず、テキストファイルとかPDFファイルとか、汎用性のあるファイルなら、スレートでも見える可能性が高いから、電子メールの添付ファイルで送ったらどうですかって教えてあげた。「その手があったか」なんて社長は喜んでたけど、けっこう作業面倒だと思うけど…。

共有プリンタが使えない!

 あれあれ、また社長がスレートを持ってこっちにくるぞ。今度は何だろう。

 「会社のプリンタに印刷したいが、どうすればいいのか?」だって。社長、残念ですが、コンシューマ・スレートでは、やっぱり標準の状態では、いまある会社のプリンタには印刷できませんよ。コンシューマ・スレートに対応したプリンタを買うなり、追加ソフトをインストールするなりして環境を整えればできなくはないですけど、やっぱり手間がかかりますねぇ。社長がどうしてもっていうなら、環境作ってあげてもいいけど、いまやってる仕事が片付いてからにしてくださいね。

Windowsネットワーク環境で使うなら、Windowsビジネス・スレート

 社長のように、あまり専門知識のないユーザーにありがちな勘違いだけど、メールやWebが使えるからといったって、非Windows OSを搭載したコンシューマ・スレートは、当然ながらWindowsパソコンと同じことができるわけじゃない。特に、Windowsベースの社内ネットワークで使うとなればなおのことだ。

 別にスレート型のコンピュータが全部だめだっていってるわけじゃない。スレートはノートPCより持ち運びもラクだし、客先でのプレゼンテーションなんかにも活用できそうだ。新しい可能性を持っていると思う。でもそれは、いまあるパソコンを置き換えるものではなくて、目的に応じて使い分けるものだろう。

 社内のファイル・サーバや、共有プリンタをいままでのパソコンと同じように使いたいなら、OSにWindows 7を搭載したスレート型コンピュータを選べばいい。こちらは会社などで、ビジネスでの利用を前提に開発されていることから、Windowsビジネス・スレートと呼ばれることもあるようだ。社内でのスレート利用を本当に進めたいなら、社長にもそう進言しないといけないな。

※ご注意
本文中に登場する会社や個人、状況設定は架空のもので、実在するものではありません。

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提供:日本マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア営業企画/ 制作:デジタルアドバンテージ
掲載内容有効期限:2011年7月2日

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エピソード

  • 第1回 タブレット型コンピュータは社内で使えるか?
  • 第2回 タブレットで業務生産性は向上するか?
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