ある日、社長が 「タブレットを業務でも使おう」 といい出した 第2回 タブレットで業務生産性は向上するか? |
システム管理者のつぶやき
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いま流行のスレート型(タブレット型)PCを買って上機嫌の社長。その後もお気に入りのスレートを肌身離さず持ち歩く毎日。総革張りのケースなんか買ったようだ。やれやれ。
個人用に設計されたコンシューマ・スレートを個人用途に限定して使うなら何の問題もない。手軽だし、安いし、レスポンスは軽快だし、メールもWebブラウザも、ひととおりのアプリケーションも最初から用意されているし、個人で使うなら優れたツールだろうと私も思う。
けれど会社で組織的に使おうというなら、文字どおり「組織の生産性」の向上を考えないといけない。長年Windowsを使ってきた社内で、多くのコンピュータ資源がWindowsプラットフォームで統一されているなかで、非Windows OSを搭載するコンシューマ・スレートを組織的に使うのは問題がありすぎる。どうやら社長はまだ、そのあたりがよく分かっていないらしい。
Windowsとは世界が違う、非Windows OS搭載のコンシューマ・スレート
と思ったら、社長がまたおお喜びしているぞ。えっ、「メールに添付されて送られてきたWordファイルをちゃんと表示して読めた」って? ああ、それはOfficeファイルの簡易ビューアが標準でついているからでしょう。OSや機種にもよりますが、Word以外も、Excelとか、PowerPointのファイルなんかを開ける場合がありますよ。
でもね、社長。それはOfficeファイルが「表示できる」だけであって、普通のOfficeアプリケーションで開いたときのように「編集できる」わけじゃありませんからね。そこんとこ勘違いしないでくださいよ。
それから、FlashやSilverlightに対応していない機種もあります。これらのデータを含んだWebページを表示しても、Flash/Silverlightの部分は正しく表示されません。Flash/Silverlightは、Web標準の技術として、Webで広く使われていますから注意が必要ですね。
一部の機種では、Windows環境とメールをやり取りすると、文字が化ける場合もあるってこと、ご存じないですよね。どの環境も、基本的にはシフトJISやUnicodeなどの標準の文字コードに対応していますから、通常の文字なら問題ないんですが、一部の特殊な文字、例えばWindows環境ではけっこう普通に使われてしまっている丸数字「@、A…」は、「(月)、(火)…」と異なる表示になる場合があるんですよ。本当は、丸数字は標準の文字ではないので、使うべきではないんですが、実際には使っている人はたくさんいますね。送・受信する人が両方ともWindows同士なら問題がないので、分からないだけなんですが…。社内だけなら、「丸数字は使うな」というお達しを出せばいいかもしれませんが、メールは社外との連絡でも使います。社外の人に強制はできませんよね。
これまでのソフトウェア資産とトレーニング費用
社長、あの浮かれようを見ると、こないだいってた「会社のノートPCをタブレットに置き換えよう」って思いつき、まだあきらめてないのかな。でもそれは本当に無理ですからね。
まず、うちは業務端末としてずっとWindowsベースのパソコンを使ってきています。パソコン本体やOSへの投資はもちろん、Microsoft Officeを始めとして、業務に必要なアプリケーションについてもかなり投資してきました。非Windows OSのコンシューマ・スレートに置き換えるとなったら、こうしたアプリケーションも買い替えなきゃなりません。仮にコンシューマ・スレートの本体価格が安かったとしても、トータルで考えたらたいへんな金額になってしまいます。
それともう1つ。コンシューマ・スレートは直感的で操作しやすいかもしれませんが、簡単になるにせよ何にせよ、「使い勝手が変わる」というのが大きな負担になるんです。これまでだって、アプリケーションがバージョンアップして、メニュー項目の場所がちょっと変わっただけで、私のところに問い合わせの電話が殺到したのをお忘れではないでしょう。ノートPCからキーボードのないスレートに変わって、OSもアプリケーションもごっそり変わるとなれば、ユーザーのトレーニングにかかる負担はたいへん大きいと思います。一時的にではあれ、業務は大幅に停滞することになるでしょう。
OfficeもWindowsも使えるWindows 7 ビジネス・スレート
Officeアプリケーションが使えない問題、一部の特殊な文字の取り扱いの問題、これまで投資してきたWindows用アプリケーション資産の問題、ユーザー・トレーニングの問題のいずれも、非Windows OSを搭載したコンシューマ・スレートにしようとするから問題になるんです。OSにWindows 7を搭載するWindows 7 ビジネス・スレートなら、Windows OSが使えますし、フル機能のOfficeアプリケーションが使えます。すでにあるアプリケーション資産も、これまで身に着けてきたユーザーのコンピュータ・スキルも守られます。組織の生産性向上を考えるなら、Windows OSを搭載したビジネス・スレート以外の選択肢はないと思います。そのタブレット、お気に入りのようだから個人で存分に使ってもらって、会社では組織の生産性を向上するWindows OSを搭載したビジネス・スレートにしましょうよ、社長。
※ご注意
本文中に登場する会社や個人、状況設定は架空のもので、実在するものではありません。
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掲載内容有効期限:2011年7月14日

