Loading
|
@IT > 基幹系帳票からフロント業務に利用するデザイン的な帳票まで、用途に応じて作成するSVFX-Designer |
「帳票といえば罫線の入った文字や数字の表」というのはだんだん古い認識となりつつあるようだ。定義や用途が広がり、プレゼンテーションやコミュニケーションの道具としても利用されるようになっている。ウイングアーク テクノロジーズのSVFX-Designerは、こうしたトレンドの変化にもいち早く対応し、高機能なデザイン帳票の開発を可能にしている。
帳票。その言葉から読者諸兄はどんな紙を想像するだろうか。多分、大抵は縦横に罫線が入って、そこに文字や数字が埋まった業務帳票を思い起こすのではないかと思う。これまでの帳票は、いかめしい言葉でいえば“証拠”や“証明”を意味するものだったような気がする。 しかし、いまが情報化社会だからだろうか、次第に帳票というものの定義と用途が広がりつつあるようだ。今日、それはときにプレゼンテーションの役割を担っていたり、コミュニケーションのための道具だったりする。 例えば最近、保険関係の設計書は非常に視覚に訴えるものになっている。柔らかな色彩の優美なイラストの入ったデザイン帳票用紙に、どの保険商品にいつ加入したら毎月いくらの掛け金で、いついくら受け取れるかといったシミュレーションデータが、棒グラフや折れ線グラフを駆使して美しく表現されていたりする(画面1)。
また別の機会には、塾の模擬試験結果シートがとても進化しているのを見たことがある。ただの点数と順位の列挙ではなく、その学生の強みと弱みをレーダーチャートで示してあり、特に努力が必要な学科が黒インクとは別の色で“朱書き”されていた。 ツールを使って帳票設計できる範囲というのは、業務のIT化が浸透していく中で極めて多様化してきている。これまでの帳票システムが領域としてきた請求書や発注書をはじめとする基幹系業務の帳票・伝票・帳簿にとどまらず、保険帳票や旅行プランなど、フロント業務や特定の個人向けに提案書を出す分野にまで広がり、帳票ツールが利用されるようになっている(図1)。
SVFX-Designerの開発コンセプトは、1つのツールで企業のあらゆる帳票ジャンルに対応することに狙いがある。これまでの帳票システムで運用する指定伝票や請求書の設計はもちろん、図形やイラストなどを挿入した視覚に訴えるデザイン帳票の設計機能も、同じデザイナーの開発環境からノンプログラミングで自在に設計することが可能だ。SVFX-Designerは、いわゆるデザイン帳票のトレンドにもいち早く対応し、“グラフィックモード”というフォームレイアウト機能を利用して、高機能なデザインを実現している。
デザイン帳票は、情報提供や情報共有、説得のための道具といってもいい。その意味で、状況をひと目で理解させたり、アピールしたりする「表現力」がとても重要になったりする。データに応じて表示を動的に制御したり、グラフィック・カラー化、多言語、バーコード印字、多書体などの要素が帳票の中に盛り込まれる。 SVFX-Designerの高機能なデザイン表現の1つに、“ダイナミックアトリビュート”という機能がある。工程表の進ちょく表示、稟議書の承認印欄の表示/非表示など、必要とする帳票の活用シーンで、動的にアイテムを制御して出力させることが可能だ。これによって、状況や今後の予定などを可視化して情報として利用できる(画面2)。
帳票というと、決まりきった様式に決まったデータを印字するものとイメージしがちだが、SVFX-Designerはさまざまな帳票表現のためのロジックを、様式の作成時に合わせて、属性として組み込むことができる。前回見てきた計算式や編集式、キーがブレイクしたときの自動改ページや“グループサプレス”“ダイナミックアトリビュート”などがそうだ。 本来、上位のアプリケーション側にプログラミングして定義するものがツール内ですべてコントロールできる。単なるフォームオーバーレイでなく、フォーム自体がアプリケーションのようなさまざまな動きをコントロールしているわけだ(図2)。
作成されるフォームファイルは、帳票固有のロジック、様式のデザイン、帳票出力するための各種データの3つから構成され、標準技術に対応してXMLですべてが定義されている。
現在、帳票へのバーコード印字は重要な帳票表現の1つである。最近では、2次元バーコードもよく利用されるようになった。日本で使われているバーコードは、JAN、EAN128、NW7、CODE39、CODE128、ITF、郵政バーコード、2次元バーコードなどさまざまあり、バーコードリーダーがこれらを常に正しく読み込めるようにするためには、厳しい出力要件をクリアしていかなければならない。
これまでバーコード印字は、プリンタ上で専用のフォントを積んで実現することも多かったが、プリンタによって印刷の精度にバラつきが生じていた。SVFX-Designerでは、バーコード印刷は、プリンタに依存することなく、これもツールのコントロールによってラインコマンド化してプリンタ側へデータを送り、印刷を実行する。各種レーザプリンタや検品表などを印刷するラベルプリンタからの印刷、PDF出力などで利用されている(画面3)。
ここからは、帳票作成したフォームを運用する場面について紹介していこう。時代に合わせた帳票の変化といえば、上記に挙げたジャンルの広がりのほかに、もう1つ非常に大きなトレンドがある。それは“電子化”である。紙で示していた“証拠”“証明”は、コンピュータとネットワークの進化・発展によって、デジタルデータで示すことができるようになり、プリンタに出力することなく業務を進めることが可能になってきた。
SVFによる帳票出力ソリューションは、1995年にさかのぼる。当初はさまざまなプリンタのコマンド(各プリンタ機種がもつ専用の記述言語)による高速印刷から始まった。1997年には、業務の帳票をPDF化してWeb上から利用するソリューションを実現した。SVFは、日本固有のきめ細やかな帳票様式はそのままに、高精細で、出力パフォーマンスの高いPDFの生成を可能にしたのだ。 現在では“High Grade PDF”をテーマに、“SVF for PDF”を使ってPDF帳票を単に“出せる”というだけでなく、暗号化・復号化、閲覧制限、ページ抽出、イメージ描画、マージ、ファイル埋め込み、文字列設定、リンク設定など、本格的な業務で求められる効率的な文書管理機能を付加。付加価値の高いPDFを生成できる。 さらに、SVFはWindows Vistaで実装されたXPS(XML Paper Specification)形式の帳票出力にもいち早く対応している。“SVF for XPS”は、業務の帳票を標準技術のなかでWeb帳票化するソリューションに対応する。XPS形式はこれからのシンクライアントによる運用や汎用的な印刷環境、セキュリティ強化、効率的な文書管理を可能にする次世代の電子ドキュメントフォーマットとして注目されている(画面4)。
帳票のWeb化はPDF・XPSのみならず、TIFF形式やExcel/CSV形式、さらにFAXシステムとの連携、電子帳票システム連携、Webブラウザサイドからのクライアント直接印刷などがある。各種ファイル出力は、紙に出さず、電子化してファイリングや、データの二次加工、FAXやメール添付など通信系出力で利用される。クライアント印刷は、クライアントPC側に専用のアプリケーションやフォームを持たなくとも、帳票印刷ができる仕組みを提供する。 SVFX-Designerは、伝票や請求書からデザイン帳票に至るまで幅広い帳票様式に対応し、プリンタの印刷はいうに及ばず、業務の用途に応じたさまざまな出力形態に対応する帳票のフォームファイルを作成する。 ウイングアーク テクノロジーズ株式会社 営業部 部長 清水俊之氏は、この点について次のように語る。 「われわれはまず、さまざまなベンダのプリンタを、いかにうまくコントロールしてユーザーが望む帳票を紙で出力するか、というところからスタートしました。しかし、われわれはプリンタベンダでもなければ、用紙メーカーでもありません。ですから、帳票が電子化されつつある昨今の状況は、むしろエコロジカルだと大歓迎しています。重要なのは、最終の出力形態が紙であっても、電子データであっても、ユーザーが望む表現力を持った帳票を、最少の工数で実現すること。その能力については、依然としてほかの追随を許さない次元を進んでいるという自負があります」
マルチプリンタへの完全対応による高品質帳票の実現、ペーパーレスの時代を先取りした電子/Web帳票対応。ウイングアーク テクノロジーズは帳票業務の世界で常に新しい可能性を切り開いてきた。では、これから先はどうするのか。SVFX-Designerを中核とした同社の帳票テクノロジーはどのような方向へ進んでいくのだろうか。 実は、その答えの1つはすでに出ている。 それを“Design Converter”という製品が示している。これは、入力画面設計ツールである“StraForm-X”で作成するフォームファイルとSVFX-Designerのそれと相互変換できるというものだ(図3)。
これにより、これまで別々の開発プロセスで行われてきた入力画面と出力帳票の開発を、一貫してかつ同時に行うことができ、画面/帳票デザインの資産化を可能にする。これは画面/帳票作成における膨大な開発・メンテナンスの工数の削減に加えて、その品質維持・向上にも役立つという。 SVFX-Designerで作成する帳票は、上位のアプリケーション層に影響を与えることなく、帳票システムの改修や拡張が行える。さらに、汎用的な帳票様式として利用できることから、個別の帳票システムの壁をなくすフォーム技術といえる。「つくる」時代から「つかう」時代へ移り変わりつつあるいま、プログラムで一から作りこむ自社開発や固有の環境に依存したパッケージではなかなか実現できないことだ。 ◇ 常にシステム開発全体を俯瞰しながら、帳票開発という分野で実行しうる、真に有効な支援策を考え続け、ソリューションを提示するウイングアーク テクノロジーズ。今後も、その一挙手一投足から目を離すことができない。
提供:ウイングアーク テクノロジーズ 株式会社 企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT 編集部 掲載内容有効期限:2007年9月30日 |
|