モバイルはビジネスアプリケーションプラットフォームをどう変えるか?

IBMが考える「モバイル・ファースト」は、よくいわれるようなシンプルな Webアプリケーション開発のセオリーには留まらない。それは、エンタープライズアプリケーションの在り方を破壊的に変質させるインパクトを持っているという。

» 2013年06月13日 10時00分 公開
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 IBMが考える「モバイル・ファースト」は、よくいわれるようなシンプルな Webアプリケーション開発のセオリーには留まらない。それは、エンタープライズアプリケーションの在り方を破壊的に変質させるインパクトを持っているという。

 IBMはこの4年ほどの間に、10社のモバイルテクノロジ関連企業の技術をM&Aによって取得している。例えば、2012年2月にはイスラエルに本拠を置くモバイルアプリケーションプラットフォーム開発企業として、医療系・金融系などで実績を多く持つ「Worklight」を買収している。こうした活動は、現在から振り返ってみると同社が2013年3月「モバイル・ファースト」を宣言するための布石であった。

 注目すべきは、IBMが考えるモバイル・ファーストが、よく言われるようなシンプルな Webアプリケーション開発のセオリーには留まらない、より大きな変革を示唆している点だ。モバイルデバイス利用が普及することで、インターフェイスが多様化するのはもちろんだが、それにより、ビジネス・プロセスが大きく変化していくことを予見した、より広い概念におけるモバイル・ファーストなのである。

 つまり、IBMは今まで企業の「外側」に存在していたモバイルが、本格的に企業の「内側」に影響を与え、革新していくドライバと成り得ると考えている。BYODへの対応が必須ともいえる状況となったいま、 既存のエンタープライズアプリケーションの外側でモバイルデバイスを考えるのではなく、モバイルとエンタープライズアプリケーションは相互に影響し合い、 新しいビジネス・プロセスを創出していくと考えるべきだというのだ。また、その際、使われるべきテクノロジはHTML5やJavaScript、CSS3など、オープンなWeb標準であるべき、とするのがIBMのモバイルテクノロジに対するスタンスである。

 もちろん、モバイルの介在による、ビジネス・プロセスの変化にも注意を払わなくてはならない。どこからでも、だれでも、いつでも、ファイアウォールの内側――企業内IT資産の中――とつながることができる世界では、「内側」の承認プロセス1つをとっても、全く別の形が必要になる可能性もある。

 IBMのメッセージの真意を伝える、同社の最新技術と、アプリケーションプラットフォーム、ビジネス・プロセス革新の全貌、その先進例を知るイベント「IBM Impact 2013」が、米国に続き、間もなく日本で開催される。

 テーマは大きく分けて「モバイル」「クラウドとアプリケーション基盤」「システム間連携」「ビジネス・プロセス」4つの領域とテクノロジトレンドの計5つだ。なぜ、この領域にフォーカスするのか、そしてその領域に対してIBMはどのような変革を進めようとしているのか、本稿ではそのヒントとなる情報を、2つのテーマから紹介しておこう。

エンタープライズアプリケーションは、いかに安全かつ柔軟にモバイルデバイスに対応するか

 前述の通り、いま、企業の情報システムそのものを変えるインパクトを持ちつつあるモバイルデバイスに対して、情報システム部門側も、従来とは異なるアプローチで対応する必要に迫られている。1つは、モバイルアプリケーションを活用した直接的なマーケティングの手法であり、もう1つが、業務アプリケーションに対してのBYODの許容である(関連情報)。スマートデバイスの普及により、企業は従来の間接的なマーケティングリサーチだけでなく、モバイルデバイスを介した直接的なユーザーコミュニケーションが可能になってきた。前述の通り、モバイルデバイスは企業システムの外部にあるものではなく、ファイアウォール内側の環境と接続するのが当然のことになりつつある。

 日本でのイベント開催に先立つ4月に開催された米国「Impact 2013」では、IBM Worklight V6が発表された(関連情報)。モバイルアプリケーションの開発・運用プラットフォームであるのみならず、モバイルアプリケーションのテストなどRational製品群との連携も実現しており、iOSやAndroidなどOSの違いを吸収した効率的な開発、認証や暗号化などのセキュリティー、バックエンドシステム連携など、包括的な環境を提供する製品だ。イベントではこの製品の詳細情報はもちろんだが、今後のモバイルデバイスを考慮したエンタープライズアプリケーションの構築方法や、この包括的なモバイルデバイス向けプラットフォームによって実現したサービスの実例も披露される予定だ。

お勧めのセッション

「ロッテカードにみるハイブリッド・モバイル・アプリケーションの成功事例」(Finance All Solutions)

韓国に本拠を置くロッテカードでは、顧客サービスとしてモバイルアプリケーションを多様なデバイス向けに配信している。位置情報と連動したサービスや、ARによる新しいユーザ体験などを含む先進的なアプリケーションだ。対応デバイス数の多さから、必要となる画面要素は100を超え、開発は非常に長大なものになるかと思えるが、開発プラットフォームの効果的な活用により、非常にシンプルで短期間の開発プロセスを実現している。セッションでは、効率的かつ効果的なモバイルアプリケーション開発の秘けつを紹介する。


関連セッション

「開発のやり方、今のままで大丈夫? ―ビジネス変革を支えるモバイル開発環境のあり方―」(日本アイ・ビー・エム)

「モバイル・ソリューションの構築と展開におけるベストプラクティス」(IBM Corp.)

「MEAP活用のポイントとWorklight6.0最新アップデートのご紹介」(情報技術開発)



Webストリーミング中継

 モバイルやクラウド・コンピューティングの急速な変化によって、ビジネスにイノベーションをもたらすIT環境は、実践ステージへと突入しています。Impact 2013では、新しいビジネスを動かす、新しいアプリケーション基盤構築の具体的な手法や事例、最新トレンドをご案内します。

 ぜひ、ライブ中継を通して、皆さまの日々のビジネスにお役立てください(参加費無料)。


いかに既存の資産を活用するか、いかに柔軟に新しい価値を提供するか

 従来、業務アプリケーションは、柔軟性が低いとされてきたが、これらは過去のITプラットフォーム上に設けられた制約によるところが大きかった。データベース設計上の制約、あるいは目的に特化して密結合してしまったシステムのように再利用性の低いアーキテクチャが、こうした不自由をもたらしてきた経緯がある。

 一方で、現在、エンタープライズアプリケーションに求められているものは、企業の内外を問わず、顧客ニーズを取り込んだ迅速なサービスの立ち上げであり、過去資産をいかに有効に利用して新たな価値創造に結び付けるかといった要素だ。こうした要求に応えるには、その時々における適切なビジネス・プロセスの設計が必要である。このとき、少ない工数で最大限の効果を得るために必要となるのが、正しく設計された疎結合な機能群の有機的な再利用と活用だ。

モバイルデバイスの本格的な普及により、こうした機能群の活用はより一層重要性を増してくるだろう。

 米国で開催されたIBM Impact 2013では、音楽配信権を管理する非営利団体「Broadcast Music」における次世代プラットフォーム構築の事例が紹介されている。疎結合なアーキテクチャを採用することで、柔軟かつ一貫性のあるプロセスによる柔軟なシステム構築が可能になっている。

 7月の日本開催では、ビジネス・プロセス革新を容易にする新しいプラットフォームの選定の事例や最新事例などのセッションが予定されている。今後の、多様化し、変化を求められる企業情報システムが目指すべきアーキテクチャの指針となることだろう。

お勧めのセッション

「ホーマックの基幹情報システム再構築におけるSOA/BPM技術適用事例」(ホーマック)

事業規模の拡大を阻害しない基幹情報システムのあるべき姿とは? ホーマックのホームセンター事業を支える基幹情報システム刷新プロジェクトの担当者が、事業戦略と結びついたIT戦略策定のポイントやプロジェクト推進の実際を紹介する。


関連セッション

「事例:実践! BPMを活用した、グローバルサプライチェーンプロセス改善」(東洋ビジネスエンジニアリング)

「イベントとルールとモバイルが拓くビジネス・プロセスの展望―海外先進BPM事例トレンド解説―」(日本アイ・ビー・エム)



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開催概要

日程 :2013年7月18日 10時〜18時(受付開始 9時20分)

    ※展示コーナー(9時20分〜18時30分)

会場 :品川プリンスホテル(東京)

主催 :日本アイ・ビー・エム株式会社

参加費:無料(事前登録制)

お問い合わせ:日本アイ・ビー・エム株式会社


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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2013年7月17日

イベントの詳細・申し込み

日程
2013年7月18日 10時〜18時
(受付開始 9時20分)
※展示コーナー(9時20分〜18時30分)
会場
品川プリンスホテル(東京)
主催
日本アイ・ビー・エム株式会社
参加費
無料(事前登録制)
お問い合わせ
日本アイ・ビー・エム株式会社

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