ドSちゃん しっかし、何でワタシってこんなに男運がないんだろう。プライベートでも仕事でも、周りはナヨナヨウジウジした男ばっかり。こんなんじゃ、いつまでたっても幸せになれないわ。
きのこる先生 まあまあ、ドSちゃん。そんなにネガティブな発言ばかりしているとお顔がおブスになっちゃうよ。
ドSちゃん なんですって! ひどいわ、きのこる先生ったら(ポカポカ)
きのこる先生 アイテテ、イテテ。……そうそう、いい人を思い出した。ネガティブなことを一切言わないエンジニアで、彼が行くところはみんなハッピーになるんだよ。
小芝敏明さんをひと言で表すならば「ジャーニーマン」だね。ジャーニーマンとは、中世ギルドの職人育成制度に存在していた人で、さまざまなギルドに属して技術を身に付け、その技術を徒弟たちに伝えるとまた次のギルドへ移って、他のギルドの文化や技術を伝える、という役割を担っていた人なんだ。「アプレンティスシップ・パターン」という本に詳しく書いてあるから、ドSちゃんも読んでごらん。
例えば小芝さんはアジャイル開発の経験を生かして、現在の職場に「ホワイトボードに付せんを貼っていく」という、各開発チーム間の情報共有をより効率化する仕組みを持ち込んだ。こういう「文化をシャッフルする」役割を担っているのは素晴らしいね。
そしてRuby。Rubyには「名前重要」という、命名をとても大事なものだと考える文化があると聞いている。そういうこともあってか、「悪いことを言わない」という前向きな思想が彼にはあるんだろうね。ネガティブなことを口に出してしまうと「言霊(ことだま)」となって固定されてしまうと考えているんだね。
ふうん、ジャーニーマンね。そういえば、つまみが足りないわね。すみません! ジャージャー麺ください、大盛りで!
ドSちゃん 波間舞依(なみま まい)って後輩がいるのね。頭が良くて要領もいいから最初は好成績だったんだけど、最近、その状況に甘んじているというか、仕事をこなしているように見えるのよね。まだまだ勉強すべきことはたくさんあるんだけど。
きのこる先生 彼女にとって、今の状況は居心地がいいんじゃないかな? そんな人には、自らの努力と決断によって楽園を飛び出したエンジニアの話がオススメだよ。
伊藤裕史さんは「エデンの園」の住人だった。筑波大学卒業で、とある大企業の研究開発部門へ。つまり、理系ヘンタイ大学(褒めてます)から、何でも好きなことができてごくごく限られた人間しか行けない特別な場所に行った。実際は相当、研究に打ち込んでカリカリにこなしていたのだけれど、本人は「自分に強みがない」と思い込んでるパターン。でも、実力はしっかりある。
その高い基礎力がありつつ、「自分ができることをやる」ことに注力したのが、彼の素晴らしいところ。エデンの園で培った技術力と、業務で身に付けたコミュニケーション力。これらを強みとして生かせる道を真剣に考えた結果、お客さまにしっかりついて課題解決するテクニカルアカウントマネージャー(TAM)という適職で力を発揮することができたんだ。エデンの園というパラダイスにいると、ついつい「このままでもいいか」と鍛錬を怠ってしまう「ゆでガエル現象の教訓」そのものになる場合が多いけど、自分を知り、準備を怠らなかった結果、目の前にきたチャンスを正しいときにつかめたのだろうね。
エデンの園かぁ……。あ、この店そろそろ閉店みたいね。2軒目はオデンの園に行きましょうか。
え、まだ食べるの???
おでん屋のカウンターに河岸を変えて。
きのこる先生 ……と、5人のエンジニアの例を紹介したけど、共通していたのは「運」で、その運をつかむために日ごろから「実力」を磨いていたってことだね。
ドSちゃん そうね、彼らの話を聞いて「そんなオファーが来ればオレだって」って思う人がいっぱいいそうだけど、運だけじゃダメね。
きのこる先生 あと、努力だけしている人もダメ。「今月は技術書を5冊読みました!」「勉強会に行ってきた!」なーんて意識高くSNSに報告するけれど、その努力を使って何かを得ようとしていない。小芝さんのように勉強会に参加したら次は運営側に回ってみるとか、塩原さんのように技術を理解したらブログを書くとか、周りの人が価値を見いだしてくれるようなアウトプットを出さないと。
ドSちゃん そういうエンジニアになるためには、何をしたらいいのかしら?
きのこる先生 目標と、そうなるためにすべき努力を明確にすることかな。「ひとりブレスト」「ひとりSWOT分析」「オレオレマインドマップ」がオススメだよ。
ドSちゃん もやもや、ふわふわしたのをブレイクダウンするのね。
きのこる先生 そう! それって実は、仕事でやってることだよね。顧客の要望を定義するように、自分のやりたいことや問題を発見する、それだけのことなんだ。
「一生現場にいたい」とか、「一生プログラミングで生きていく!」なんてのも格好いいけれど、それだけでやっていけるのはごくごく一部の「ロックスター」だけ。ドームを一杯にするロックスターなら演奏するだけで食べていけるけれど、エンジニアの多くは「ライブハウスのロックミュージシャン」。グッズを作ったり、ライブのチケットを売ったりもしてるよね。
そして、ロックスターではないのなら、街でスカウトされるのをポーっと待っていないで、自分から発見される努力もしなくちゃ。コードを書いて世の中の役に立つ存在になろう。価値を作って、誰かの役に立っておひねりをもらおうじゃないの。目覚めた人たちの事例を見れば、努力は「目的」ではなく「手段」なんだってことが分かるよ。
2015年は、エンジニア目覚めの年になるといいわね! ところで、ロックスターと聞いて、きのこる先生の美声を聞きたくなっちゃったわ。ねえ、この後カラオケに行きましょうよ。今夜はオール決定ね。
えええっ? ドSちゃんは元気だなあ。
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提供:株式会社マイナビ
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2015年1月31日
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