実力だけではダメ? 理想のキャリアをつかめるモテエンジニアになるための方法を、転職成功者5人の例を基に解説しよう。
2014年12月某日、Web企業の人事担当「きのこる先生」と、転職十番勝負で厳しい試練をエンジニアに与えてきた「ドS美人面接官」が、密会という名の単なる飲み会を開催していた。実は二人は大学の先輩後輩だったのだ。
ドSちゃん すみませーん、ビールおかわり!
きのこる先生 初っぱなっから飛ばすねえ。あ、僕にもビールください。……で、ドSちゃん。僕に相談したいことって何だい?
ドSちゃん 相談したいのはね、ずばり“男”よ。オ・ト・コ・の・こ・と。
きのこる先生 男? ドSちゃん、彼氏ができたのかい?
ドSちゃん 違うわよ。私はみんなのアイドルなんだから、特定の彼氏なんか作るわけにいかないでしょ。私が困っているのは、最近面接に来るエンジニアたちのこと。いい人なんだけど、なーんか決め手にかけるっていうか、いま一歩っていうか。
例えば、志望理由として「自社サービスをやりたいから」っていうエンジニアが多いんだけど、「なんで自社サービスなの?」って聞いてもぜんっぜん答えられないのよ。何をやりたいとか、どういうことをしなければならないのかのイメージがないのよね。たぶん採用しても数カ月で辞めちゃうんじゃないかな。
きのこる先生 ああ、そのタイプの人はよく見掛けるね。僕は「B2Bワナビー」と呼んでいるんだ。こういう人たちには、この記事をじっくり読んでほしいね。
齋藤真之介さんは、典型的な「左上から右下の人」。SIエンジニアに告げる、Web企業への転職戦略の話は、ドSちゃんも覚えているだろう?
齋藤さんが左上の「B2B寄り/受託寄り」から右下の「B2C寄り/自社寄り」に移れたのには、三つのポイントがある。一つ目は「ネットワークを知っている人がいなかったから、最初からコアメンバーになれた」こと、二つ目は「理想のインフラを作りたいという目的とそれを実現する実力があった」こと。そして三つ目は「新サービスに立ち上げから関われたので、レガシーコードと向き合わなくて良かった」ことだ。実力に加え、自社サービスの開発にありがちな負の側面を回避できたという強運が導いた成功。ただし、この運は実力のうち。得意とすることを「左上」から「右下」に持っていったからこそだ。
右下に行きたいっていう人は本当に多いけど、単に「ユーザーの生の声を聞きたいんです~」みたいな人は転職しても必ずコケる。コケる人は「仕事は会社が教えてくれる」と思ってる人が多いね。受け身なんだ。斎藤さんは実力とスペシャリティをすでに持っていたし、右下でやりたいことも明確に決まっていた。だから運をつかめたし、運をつかむ準備ができていたんだね。
なるほど。「なんとなく右下に行きたい」と思っているだけではダメなのね。あ、ビールおかわり! 明確に希望するわ!
ドSちゃん 最近「米波太郎(まいなび たろう)」っていうエンジニアを採用したんだけど、彼女ができる気配がないのよね。仕事もできるし、そこそこイケメンなんだけど。
きのこる先生 ふむ。もしかして彼は「宝の持ち腐れ」タイプなんじゃないか? 恋愛じゃないけれど、仕事でモテている人の例を紹介したらどうかな?
塩原浩太さんは、ひと言で言えば「モテエンジニア」の人。データベースが好きで、自然とスキルがたまった、まさに「好きこそ物の上手なれ」。そして塩原さんのいいところは、そこから「積極的にアウトプット」したこと。ブログを書いて、ユーザーグループを運営していたところが目にとまって、オラクルのコンサルタントからスカウトされた。
実力は、プレゼンスが加わって初めて「モテ」になる。分かっていない人も多いけど、どんなに技術があっても外部に向かって発信していなければ、その実力は存在しないも同然なんだ。塩原さんのように発信してこそ、スキルが可視化されて「こいつと働いてみたいな」と相手に思わせられる。実力とプレゼンス、どちらが欠けても「こいつしょぼいな」と思われてしまうよね。
でも米波太郎君は、プレゼンス不足というよりも誰か好きな人がいるんじゃないかな? ドSちゃん、心当たりなあい?
えっ……(ぽっ)
ドSちゃん このまえ面接したエンジニア、なーんかイライラするのよね。いい大学を出て、大手企業で大きなプロジェクトを経験して順風満帆! って経歴なんだけど、なんかフワついているというか、腹が据わっていないというか……
きのこる先生 本気度が足りないって感じ?
ドSちゃん そうそう。
きのこる先生 そういう人には、この記事がオススメだね。まさに「本気」と書いて「マジ」と読むを実践してきたエンジニアだよ。
八木俊広さんは褒めたい部分がいっぱいあるエンジニアだけど、厳選して三つ紹介しよう。
一つ目は「本気と書いてマジと読む」。八木さんは「高校を中退したフリーター」という立場から実力ではい上がって成功をつかんだ人。ソフトウェア業界が「一度しくじった人もリカバリできる」ところだってことを体現しているのが分かるね。
二つ目は「職業訓練校上がり」。職業訓練校の出身者は本当にピンからキリまでいて、言い方は厳しいけれど、単なる「失業給付金目当て」の人も多い。でも八木さんは、Androidコースを選んでいい意味で「ハマった」ことが大きいね。この時期に、興味を持って一生懸命やったことが、その後飛躍的に伸びた要因だったのだと思うよ。必要な時期に適切な負荷が掛かったからこそ一人前になれた。
三つ目は「ターゲティングのうまさ」。Androidアプリを作れるようになって、そのスキルを趣味じゃなくて業務で使うことを考えた結果、「まだネイティブのAndroidアプリを持っていない会社」に狙いを定めたのはすごいね。彼は「モテエンジニア」の条件を全部満たしているから、今の会社を辞めると言いだしたら争奪戦が起きると思うよ。
……と、こんな感じの人なんだ。そのゆるふわエンジニアに爪の垢を煎じて飲ませてあげたいね。
爪の垢だけじゃなくて、その人自身が欲しいわね……連絡先、教えなさいよ。あ、店員さん「金魚ハイ」2つ! 鷹の爪たくさん入れてね。
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提供:株式会社マイナビ
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2015年1月31日
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