アイデアをいち早く価値に変えた企業だけが生き残れるとされる、「アイデアエコノミー時代」が訪れている。2016年10月に行われた、日本ヒューレット・パッカード主催イベント「Hewlett Packard Enterprise ストレージフォーラム2016」で示された、「既に対策を進めている企業」の事例から、この時代を勝ち抜いていく「術」のヒントを探ろう。
世界のタクシー業界の在り方を根本から変えるビジネスモデルで、米ウーバー(Uber)は創業からたった5年で5兆円の企業価値を生み出した。民泊という概念を新たなビジネスに変えた米エアビーアンドビー(Airbnb)は、高級ホテルチェーンの売上高をはるかに超える規模に急拡大し、企業価値は3兆円を超えた──。
ビジネスのデジタル化が進む中、アイデアを素早く事業化し、ビジネス価値に変えていく「アイデアエコノミー時代」が訪れている。実際、さまざまな業界で既存のビジネスモデルが破壊し、そして市場を根本から覆すプレイヤーが現れている。しばしば成功事例に挙げられるウーバーやエアビーアンドビーは、その筆頭だ。そんな極めてスピードの速いビジネスには、ITインフラが“必要不可欠”な基盤となる。ITインフラに対してどういった戦略のもと、どう実行に移していくかで、今後のビジネスの成否が決まると言っても過言ではない。
こういった変革は、何も新しいベンチャー企業だけが成功しているわけではない。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(Artificial Intelligence:人工知能)のような取り組みは今やあらゆる業界に広がっており、伝統的な企業が自身のビジネスモデルを変革した例も増えている。そのカギを握っているのは、当然だが、ITインフラだ。既存のシステムを、ビジネス視点で「スピードアップ」させることで、インフラの中で活用しきれていないデータを、市場のニーズに応じて素早く提供できるようになる。その際には、セキュリティや可用性といった要件も重要になる。
では、今あるITインフラの中で特に改善しやすいもの、即効性のあるものは何か。その1つは、「ストレージ」かもしれない。オールフラッシュやハイパーコンバージドといった新たなトレンドが一般化しつつあり、今、最もホットな市況にあるからだ。具体的に新世代のストレージは、デジタルビジネスにどんなインパクトを与えるのか。2016年10月に開催された「Hewlett Packard Enterprise ストレージフォーラム2016」では、それを知るヒントとなる講演が多数開催された。「既にアイデアエコノミー時代の準備と対策」が進んでいる企業の代表となる、ヤフーとアサヒグループの事例を詳しく紹介しよう。
ヤフーの事例講演では、データ&サイエンスソリューション統括本部 データプラットフォーム本部 開発3部 DBMS技術の井上和博氏が登壇。「StoreOnceを用いた、データ保護および運用効率化への取り組み」と題して、ヤフーが展開する広告、ショッピング、オークションサービスにおけるOracle Databaseのバックアップシステムの課題を「HPE StoreOnce System」で改善した事例を紹介した。
井上氏はまず、Oracleのバックアップ構成について、Oracle Recovery Manager(RMAN)を使うケースと、Oracle Data Guardを使うケースで適切に使い分けていると説明。「RMANは人的ミスの際にデータ復旧する場合に用いている。一方のData Guardは、災害時にサービスを継続させたり、リアルタイムのバックアップを行ったりする場合に使っている」(井上氏)
これらのバックアップで課題になっていたのは、運用が大変でコストが掛かること、バックアップに時間がかかることだった。「コストについては、特にData Guardの運用が負担になっており、バックアップ時間については、更新量やデータ量の多いサービスのデータベースでは1日から3日かかることもあった」という。
その課題解消策として選んだのが、バックアップアプライアンスであるStoreOnceだった。まず、RMANについては、「HPE StoreOnce Catalyst Plug-in for RMAN」を使って重複排除を行うようにし、データ量=ネットワーク帯域を削減してバックアップ時間の短縮を図った。また、Data Guardについては、Data Guardの遠隔地レプリケーション機能をStoreOnceの重複排除とレプリケーション機能に置き換えて、運用を容易にした。
この結果、従来の環境と比較して、バックアップ時間は3時間30分から12分と大幅に短縮された。重複排除により、データサイズが既存の14分の1になったことも大きいという。コスト面では、手間の掛かるData Guardの設定が不要になったことで運用コストを12分の1に削減でき、また、管理台数も重複排除の効果で30台から6台にまで縮小できた。なお、導入費用は既存環境と同等だったという。
井上氏は今後の展望として「移行は一部のサービスのデータベースにとどまっているので、効果のあったこの方法を推進したい。2017年内をめどにOracle Databaseを12cに移行する予定なので、そのタイミングでStoreOnceでのバックアップ構成に移行していく予定」と語った。
続いて、アサヒビールやニッカウヰスキー、アサヒ飲料、カルピスなどを擁する、日本が誇る酒類/飲料大手 アサヒグループホールディングスの裏側は、どんなストレージ/バックアップ基盤で「味」や「安全」が支えられているのか。ストレージ環境をオールフラッシュの「3PAR StoreServ」へ刷新し、パフォーマンスの大幅向上/処理時間の短縮だけでなく、5年の想定TCOを約10億円以上から5億円未満、なんと63%以上も削減することができたというアサヒグループホールディングスの成功事例を紹介しよう。
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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年12月9日
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