Dell EMCが、ラックスケールのHCIであるVxRackを提供する理由Dell EMCが本気で推進するHCI/CIの全貌

HCIは、社内データセンターを積極的に変えていけるものでなければならない。これを考えると、HCIアプライアンスだけでは対応できない部分がある。Dell EMCがVxRailに加えてVxRackを提供しているのはこのためだ。

» 2017年04月21日 10時00分 公開
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 Dell EMCは、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)で、アプライアンスに加え、インテル® Xeon® プロセッサーを搭載する「VxRack」を提供している。

 自社のIT基盤を、積極的に柔軟でコスト効率の高い、クラウド的なものに変えていきたい。だが、「ハイパーコンバージドインフラ(HCI)のアプライアンスで全てを構築できるほど、うちの全社インフラは簡単なものではない」とお考えの読者はいるだろう。そういう組織のために、VxRackはある。

 Dell EMCは、VxRackを「ラックスケールシステム」と呼んでいる。ラック単位で、段階的に拡張していけるインフラということだ。最終的には1000ノード以上といった、非常に大規模な環境を想定して設計されている。

 企業の全社IT基盤は、5年後などを見越して一括して構築することが多い。一方、VxRackでは小規模(3分の1ラック)からスタートし、徐々に拡張していける。しかも、「構築する」のではなく、「購入して」利用すればよい。拡張についても、ソフトウェアを生かしている。このため、ニーズに応じてきめ細かく実施し、IT支出の無駄を防ぐことができる。

 VxRackにおけるハードウェアの構成要素はサーバとイーサネットスイッチだ。HCIアプライアンスがサーバだけなのに比べれば、構成要素は増えているが、依然としてシンプルだ。ネットワークが含まれていることの意味については、後述する。ソフトウェアの構成要素には、サーバ仮想化ソフトウェア、ソフトウェアストレージ、インフラ運用管理ツールなどがある。

 HCIアプライアンスと同様に、これらが事前に組み込まれた状態で納入され、迅速に利用できる。ネットワークを含め、構築作業は不要になる。全社IT基盤を「構築」から「購入」に移行できることのインパクトは、従来型のインフラ更改を経験してきた情報システム部門の方なら、即座に理解していただけるだろう。

 例えば構築では、サーバのBIOSのバージョンアップや設定、ドライバのインストール、ネットワーク設定などを行った上で、仮想化ソフトウェアなどを導入、構成する作業がある。拡張でも、ソフトウェアバージョンをそろえ、仮想化ソフトウェアの管理対象を広げるための設定変更が発生する。VxRackでは、これら全てが自動化されている。ハードウェアの更新に伴うワークロードの移行も容易だ。

 インフラの初期導入および拡張、更改の作業が全面的に自動化されることにより、企業は自社ITインフラを、オンデマンドで活用できるパブリッククラウドのような存在に変身させられる。

VxRackの最大の特徴はネットワークにある

 VxRackの最大の特徴は、ネットワークを組み込んでいることにある。スイッチがバンドル提供されているだけではない。適切なネットワーク構成が組まれ、設定された形で納品される。初期導入後も、大規模データセンターでは常識化している「スパイン/リーフ」アーキテクチャに基づき、VxRackのユニットを追加すると同時にネットワークを容易に拡張できる。しかも、ネットワーク仮想化技術によるネットワークのセグメント化/マイクロセグメンテーションを通じ、ネットワークQoS制御やセキュリティの強化ができる。

photo ネットワークを設計に組み込んでいることで、性能を維持したまま機動的に規模を拡張できるようになっている

 HCIにおいて、ネットワークは重要だ。データの読み書きにおいて、ネットワークはサーバのシステムバスのような役割を果たし、ストレージI/Oが大量にこの上を流れるからだ。ストレージは全サーバに分散構成されているため、あるサーバが処理のために読み込むデータは、他のサーバ上のSSD/HDDに存在し得る。データの書き込みに際しても、書き込まれたデータは最終的に他のサーバ上の記憶装置にも複製などで保存される。

 ストレージのソフトウェア化はITインフラの柔軟性とコスト効率に大きく貢献する。だが、ソフトウェアストレージで安定したパフォーマンスを保証するためには、ネットワークを適切に構成し、利用する必要がある。十分な帯域を確保するとともに、同一のネットワークを多様なトラフィックが流れることを考慮して、適切な設計および設定を行う必要がある。

 社内データセンターのネットワークを適切に構成し、運用すれば、パブリッククラウドよりも高いパフォーマンスを安定的に提供できるようになる。パブリッククラウドは本質的にマルチテナントであり、どのようなストレージI/O特性、IPネットワークトラフィック特性を持つアプリケーションが、ネットワークにいつ、どの程度の負荷を掛けるかを予想できない。同一のインフラセグメントを共用している他のテナントは、必ず影響を受けてしまう。一方、社内データセンターならば他のテナントはいないし、トラフィックフローを自社で適切に制御できる。

 ネットワークは、ITインフラの可用性にも直結する。パブリッククラウドの障害事例でよく見られるのは、ネットワークが原因となって、ストレージが自動復旧を始め、このことがネットワークを輻輳(ふくそう)させて障害の範囲が広がるといった現象だ。

 VxRackでは、パブリッククラウドと同様なアーキテクチャおよび帯域幅のネットワークを、迅速に導入し、利用できる。しかも自社で専有し、手間を掛けずに制御できる。

 このことがもたらす、パフォーマンスおよび可用性に関するメリットは明白だ。

VxRack SDDCとVxRack FLEXで、多様なニーズに応える

 VxRackには、「VxRack SDDC」と「VxRack FLEX」の2つのモデルがある。後者はソフトウェアストレージとして「Dell EMC ScaleIO(以下、ScaleIO)」を採用している。ScaleIOはパブリッククラウド事業者のインフラにも適した、単一クラスタで1000ノードを超える規模にも達する拡張性を備えている。既存のアプリケーション、クラウドネイティブなアプリケーションの双方について、性能を確保しながら規模を拡大していくことができる。

 2つのモデルのうち、VxRack SDDCは、VMware環境の導入および拡張をターンキーで行えるシステムだ。「VMware Cloud Foundation」をベースとし、VMware vSAN、VMware NSXをフル活用している。こちらはVMwareを戦略的に活用し、全社ITインフラを統合していきたい企業に適している。信頼するVMware vSphareを継続して活用しながら、前述の通りネットワークを含めてITインフラの在り方を変えていくことができる。

 もう1つのVxRack FLEXは、マルチハイパーバイザー環境、場合によってはベアメタルサーバを含めた構成の自社データセンターについて、その利用スタイルを変えていきたい企業に適している。サーバ、ストレージ、ネットワークの導入から更新に至るまで、低レイヤーITインフラのライフサイクルを全般的に自動化する一方、より上位のレイヤーにおける多様性を保つことができる。

クラウドネイティブなアプリケーション開発/運用環境もターンキーで

 HCI総論記事Dell EMCのハイパーコンバージドは、各企業が最適解を見いだすためのツールを目指すで紹介したように、Dell EMCのHCIおよびCI(統合システム)製品では、「Enterprise Hybrid Cloud(以下、EHC)」を提供している。これは社内のITをクラウド化し、サービスとして提供できるようにするとともに、パブリッククラウドとの連携を容易にする、フルターンキーソリューションだ。

 EHCはこれまでCI製品のVblockとの組み合わせで提供してきたが、HCI製品のVxRack FLEXにも対応した。これにより、より柔軟なインフラ環境でEHCを使ったクラウドライクな運用が可能となり、将来の予測が難しい基盤でも同様に、EHCのメリットを享受できるようになる。

 加えてDell EMCは、「Native Hybrid Cloud(以下、NHC)」と呼ぶもう1つのフルターンキーソリューションを提供している。

 NHCでは、クラウドネイティブなアプリケーション開発基盤として普及が進む「Pivotal Cloud Foundry」の環境をターンキーで提供するソリューションだ。開発基盤だけというならHCIアプライアンスのVxRailが適している部分もあるが、開発基盤から本番環境までをオンプレミスで実現するインフラ基盤としての役割は、VxRack FLEXが担うことになる。

 クラウドネイティブなアプリケーション開発/運用環境は、ビジネス上の判断次第ですぐにでも展開したい。だが、社内でインフラを提供するには、今後のニーズ拡大ペースが読めないということが最も大きな懸念材料となる。VxRackでは、開発環境としてスモールスタートしながら、本番環境までを一元的に拡張できる。ニーズに応じてインフラをコスト効率よく拡張していける。

 そのメリットを最大限に生かし、VxRack FLEXを活用することで、大規模かつ複雑な企業ITを変革に導くきっかけを生み出すことができる。

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提供:EMCジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年5月20日

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