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» 2021年09月06日 10時00分 公開

「コンテナ」「Kubernetes」導入で成功する企業と失敗する企業の違いとは開発、インフラエンジニアに求められる役割

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「クラウドネイティブ」が注目される中、それらをうたう「ソリューション」に飛びついて肝心のビジネスに失敗するケースがあるという。システム開発、運用を担うエンジニアは今、何に取り組むべきなのか。

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「隣にならってウチもクラウドネイティブを」という誤り

SB C&S ICT事業本部 技術統括部 テクニカルマーケティングセンター テクニカルフェロー 加藤 学氏 SB C&S ICT事業本部 技術統括部 テクニカルマーケティングセンター テクニカルフェロー 加藤 学氏

 社会全体でデジタルシフトが加速し、あらゆるビジネスコミュニケーションが「デジタル越し」になりつつある。それを支えるシステムの開発、運用は「ビジネス展開」とほぼ同義となり、ニーズに応える一層のスピードが求められている。

 だが言うまでもなく、スピードばかりを重視して品質をおろそかにすることはできない。システムの安定性、安全性が損なわれることは、すなわちビジネスの遅滞や信頼失墜を意味する。経営環境変化に追従するための「スピード」はもちろん「品質」を両立させることができなければ、ビジネスとして成立し得ないことは昨今の各種報道でも明らかだろう。

 ではデジタルシフトが進む今、システム開発、運用の「スピード」と「品質」を両立させるにはどのようなアプローチが求められるのか。「今注目されているクラウドネイティブやマイクロサービスなどを採用しさえすればいい、という話では決してありません」と話すのはSB C&Sの加藤 学氏(ICT事業本部 技術統括部 テクニカルマーケティングセンター テクニカルフェロー)だ。

 「今求められているのは、ニーズの変化に素早く確実に応える『変化への対応力』です。このために新たな技術や方法論が役立つのは間違いありません。しかし他社の成功事例などを見て、付和雷同に新技術を採用するのは間違いです。『自社や自分たちのチームに合った開発、運用アプローチ』を考え、それに適した手段を選ぶことが最も大切です」(加藤氏)

ヴイエムウェア マーケティング本部 チーフストラテジスト−Modern Application & Multi-Cloud 渡辺 隆氏 ヴイエムウェア マーケティング本部 チーフストラテジスト−Modern Application & Multi-Cloud 渡辺 隆氏

 インフラも同様だ。「クラウドネイティブ」「リフト&シフト」などが重要視される一方で、「ソリューション」と捉えてベンダー任せにしたり、自社でコントロールできなくなったりする例は少なくないという。ヴイエムウェアの渡辺 隆氏(マーケティング本部 チーフストラテジスト−Modern Application & Multi-Cloud)はこう話す。

 「クラウドにさえ持っていけば、と考えるケースが増えていると感じます。目的やアーキテクチャを考えずに移行すると、かえってコストやセキュリティリスクが増大します。手段から考えるのではなく、ビジネス目的を起点に、技術、人、組織を含めてあるべき姿を考えるアプローチが求められています」(渡辺氏)

ビジネス目的起点で「最適かつ現実的な手段」を選べているか

 確かに、「DX」や「デジタルシフト」における各種メディアやベンダーのメッセージは「作るスピード」と「手段」の話ばかりで、「ビジネスとして成立させるために」という話は存在感が薄い。しかし、それに流されてしまい「自社ビジネスにとってどうなのか」と主体的に方法、手段を考えなければ、判断を大きく誤ることになりかねないわけだ。

 「手段の選択肢は数多くあります。例えばアプリケーションの構造も、目的によって『モノリシックなアーキテクチャがマイクロサービスより優れている』場合もあれば、『マイクロサービスとモノリシックの中間にとどめておく』ことが適した場合もある。最近ではマイクロサービス化を見越してドメイン層を分割しながら全体をモノリスとして運用する『モジュラーモノリス』という考え方もあります」(加藤氏)

 渡辺氏は「実効性ある現実的なアプローチを考えることも大切です」と付け加える。

 「例えば、顧客接点が多く、頻繁にユーザー体験を改良していく必要があるような企業ではマイクロサービスは有効でしょう。しかし、多くの企業では、人材も不足していることが多い。よって、『新サービスの開発にアジャイル開発を適用してみる』『アジャイル開発の俊敏性に対応できるインフラを導入する』といった具合に、自社の目的、状況を基準に、できることからスモールスタートするアプローチが重要だと考えます。ビジネスが各社各様なら、ビジネスや変化への対応力を支える仕組みも各社各様。自身で考え、取り組むことが重要だと考えます」(渡辺氏)

今求められる「開発/インフラエンジニアの役割」とは

 このように、システム開発、運用とは「ビジネス展開」と同義であり、その「スピードと品質を両立させる」とは「自社ビジネスの変化への対応力を獲得する」ことに他ならない。そして自社ビジネスの問題である以上、「手段先行」も「丸投げ」もあり得ないわけだ。だが加藤氏はそうなりがちな背景として「インフラエンジニアの問題も大きいのでは」と指摘する。

 「誤解を恐れずに言えば、多くのインフラエンジニアは『すねている』ように見えます。これは開発ばかりに光が当たり、クラウドの浸透とともに開発エンジニアの担当領域も増えたことを受けて、『自動化などで自分たちの役割が失われるのではないか』と不安になったり、新たな取り組みに消極的になったりしていることを指しています。しかし、オンプレもクラウドもインフラの上に成り立っているため、役割は失われるどころか広がっており、より活躍の機会が増えているはずです」(加藤氏)

 では具体的な「インフラエンジニアの役割」とは何か。渡辺氏は、開発エンジニアとインフラエンジニアの役割分担として、「機能要件と非機能要件の分担があります」と話す。機能要件は開発エンジニアが担い、非機能要件はインフラエンジニアが担う。つまりインフラエンジニアは「スピードと品質」という非機能要件を保証し、スピーディーな開発、リリースやシステムの安定稼働、そのための仕組みを考えることが「役割」となるわけだ。

 だが現実は、「表計算ツールで作ったパラメーターシートに設定値や構成情報を手入力して管理している」といった例が目立つ。変化に即応するなら手作業を構成自動化ツールなどに置き変えた方が迅速、確実だ。だが、これを「仕事がなくなる」と捉えてしまう。

 「サーバなど『各システム構成要素の安定運用』に視野が閉じてしまっていると言えます。ほぼ全てのビジネスをITシステムが支えている今、重要なのはインフラのお守りではなく、エンドユーザーにサービスを迅速に届け、快適、安全、安定的に使い続けてもらうことです。『機器の安定運用』はしていても『ビジネスの安定運用』ができていないのです」(渡辺氏)

 また、開発エンジニアは機能要件を、インフラエンジニアは非機能要件を、という大原則に基づけば「クラウドかオンプレミスか」も無関係だ。

 「クラウド、オンプレミスを問わず、インフラ構築自動化を進めるなど、仕組みを考え変えていくことで開発、リリースを迅速に実現できますし、SRE(Site Reliability Engineering)のようなシステムの信頼性を高める取り組みもできます。インフラエンジニアの役割はパラメーターシートの管理ではなく、ビジネスのポリシーを決めることなのです」(加藤氏)

システムをビジネスとして成立させる「開発、運用の要件」

 では、「役割分担」はどうすれば実現できるのか。まず重要となるのが、「ビジネス目的起点でのシステム開発」だ。ポイントは3つある。

 「1つ目は『ビジネス要件を満たしているかどうか』。例えばデプロイの頻度、リリースまでのリードタイム、インシデントからの復旧の速さなどがあります。2つ目は『ビジネスとしてもうかるシステムかどうか』。効率化やコスト削減だけではなく、収益に資することが重要です。3つ目は『エンドユーザーに喜んでもらうためのビジョン』。エンドユーザーが幸せにならないなら成功とは言えません」(加藤氏)

 無論、「システムのグランドデザイン」を考えておくことは大前提となる。例えば「新規システムと既存システムをデータ連携させるハブを作る」など、「どう既存事業に新規事業を統合させていくか」、ビジネス目的に応じたロードマップを想定しておく。これがないと複数の単発プロジェクトが乱立する他、PoC(概念実証)止まりにもなりやすい。全社視点で目的を見据えているか否かが問題となるわけだ。これは社内向けシステム開発も同様だ。

 一方、インフラエンジニアも「サービス提供の一翼を担っている」という意識を持たなければならない。例えば開発チームが1週間で設計から改善までの開発サイクルを回したいのに、仮想マシンの払い出しに1カ月かかるといったことは許されない。

 「とはいえ、インフラエンジニアはクラウドを含めて数百、数千のインスタンスを管理しているケースが多く、開発まで目配せできない現実もあります。これを解決するためには、例えば新規システム開発において、開発担当者とインフラ担当者を交えたチームを作り、『役割』を満たせるような取り組み、そのための仕組みを共に考えながら、小さく始めて大きく広げていくアプローチが有効です。大企業でも成功しているケースは多くあります」(渡辺氏)

「インフラエンジニアの役割」を担うために必要なこと、必要な手段

 では、そうした「インフラエンジニアの役割」を実現するための現実的な手段とは何か。それが「自動化」「ソフトウェア定義のプラットフォーム」「全インフラの統合管理」の3つとなる。

 「サーバ構築など定型作業を自動化し、コードでインフラを管理することで、業務を標準化、迅速化できます。クラウドとオンプレミスを統合管理すれば、インフラエンジニアは変化に即応しながら非機能要件を実現することに集中できるようになります。また、全システムのログデータを開発エンジニアとインフラエンジニアが共有、分析して生かすこともできますし、事業部門に提案することもできます。つまり『ビジネスの運用』を担えるようになるのです」(加藤氏)

 このように、システム開発、運用が「ビジネス展開」と同義である以上、「チームの業務」から「ビジネス目的」に視野を広げることが不可欠となる。そして「自社ビジネスの開発、運用」である以上、目的起点で主体的に手段を選ぶことが求められる。とはいえ、慣習はすぐに変えられないし、知識や技術の目利き力というハードルも立ちはだかる。SB C&Sとヴイエムウェアは、そうした課題に応えることにこそ注力しているのだという。

取り組み状況に合わせたサービスを展開 取り組み状況に合わせたサービスを展開

 例えば、SB C&SはVMware製品で構築した仮想化環境とKubernetes環境を統合管理し、先の3つのインフラ要件も実現する「VMware Tanzu」を提供している。だが「製品のみの提案」はしていないという。両氏は「これも手段に過ぎません。SB C&Sとヴイエムウェアが提供しているのは顧客のビジネス目的達成と変化対応力向上の支援です。実践手段も含めて提案できることは強みの1つと考えています」と異口同音に話し、ビジネスを担う全てのエンジニアにエールを送る。

VMware Tanzuのポートフォリオ VMware Tanzuのポートフォリオ

 「SB C&Sでは、目的に適した仕組みを共に考えるためのさまざまな機会と、変革に向けたプロジェクトと伴走する体制を用意しています。まずは新しい物事への抵抗感をなくすことと、エンジニアの学習機会を設けていくことも重要です。手段の導入ではない本来の目的実現と役割の変革に向けて、ぜひお声がけいただければと思います」(加藤氏)

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提供:SB C&S株式会社、ヴイエムウェア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2021年10月5日

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