自分のキャリア、人生を楽しみ続ける方法技術やソリューションを提供するだけでなく、それらで事業を創り上げたいと思った

学び、チャレンジし、失敗し、またチャレンジする。その先には、エンジニアとしてまだ見ぬ新たな世界がある。

» 2023年02月14日 10時00分 公開
[PR/@IT]
PR

半導体製造装置のユーザー側からメーカー側へと転身

 「東京エレクトロン」は、半導体製造装置メーカーとして世界トップクラス(※)のシェアを持つグローバル企業。電気や水道、ガスなどと同じように、今や人々の生活にとってなくてはならない社会インフラの1つである「半導体」を製造するための装置を開発し、世界中の半導体メーカーに提供している。

※ TechInsights Manufacturing Analysis Inc.(VLSIresearch) 半導体製造装置メーカー CY2021 売り上げランキング世界3位

 世界最先端の技術がしのぎを削る半導体業界で長らく世界トップクラスの技術力とシェアを維持し続ける同社だが、その中では一体どんな個性やキャリア志向を持つ社員が日々働いているのか。本稿では現在同社で活躍するベテランエンジニア2人に、自身のキャリア志向や東京エレクトロンで働く魅力などを聞いてみた。

 1人目は、Corporate Innovation本部 先端データ企画部 部長の守屋剛さん。社会人としてのキャリアは、1997年に新卒で国内大手電機メーカーに入社したところからスタートした。もともと大学時代にプログラミングを専攻していた守屋さんは、データ解析によってメモリデバイス製造における歩留まりを向上させるソフトウェアの研究開発を行っていた。すなわち、この会社では東京エレクトロンの半導体製造装置のユーザー側の立場から、メモリデバイスの開発に従事していた。

 研究に打ち込む日々は充実していたものの、半導体製造装置に対してあくまでも「1ユーザー」としてしか接することができないことにもどかしさも感じていたという。

東京エレクトロン 守屋剛さん

 「当時の研究テーマを突き詰めるにあたり、ユーザー側ではなくメーカー側の立場に立つ必要性を感じていました。そこで思い切って東京エレクトロンに転職し、当時の研究テーマごと東京エレクトロンにお引っ越しすることにしました。まだ若かったのでかなり勇気がいる決断でしたが、当時の上司が『思い切ってやってこい!』と背中を押してくれたのがとてもありがたかったですね」

 こうして2001年に東京エレクトロンに移籍した守屋さんは、ソフトウェア技術を用いて半導体製造装置に革新をもたらすべく、さまざまな領域の研究活動や製品化の取り組みを社内でリードしてきた。

社会インフラの根幹を支える企業で自身の可能性を追求

 2人目は、Corporate Innovation本部 DX推進部 部長の松山科子さん。大学を卒業した後、電機メーカーの関連会社でシステム開発業務に10年ほど従事していたが、ソフトウェアを「どう作るか」ではなく「何を作るか」のフェーズから関わってみたいという思いから、別のメーカーの研究所に転職した。ここで基礎技術の研究から開発まで俯瞰(ふかん)的に業務に携わるのと並行して、社会人大学院に通ってMOT(技術経営)の学位を取得。さらには博士課程に進んでAIやデータマイニング分野の研究に取り組み、最終的に博士号を取得した。

 その後、データ分析を専門に扱う外資系企業に転職してコンサルタントとしてさまざまな企業のデータ活用やビジネス分析の支援を行った後、2017年に東京エレクトロンに転職した。その後は専門領域であるAIやデータ分析の知見を生かして、東京エレクトロングループ全社のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進やデジタル人材育成、各事業拠点のデジタル活用支援などの活動を率いている。

東京エレクトロン 松山科子さん

 東京エレクトロンに入社を決めた理由について、松山さんは次のように述べる。

 「単に技術やソリューションを提供するだけでなく、それを使って事業を創り上げることにやりがいを感じていたので、それまで培った知見や経験をぜひ事業会社で試してみたいという思いがありました。中でも東京エレクトロンは半導体の製造装置メーカーという、社会インフラの根幹を支える企業である点に魅力を感じました。加えて国内のB2B(Business to Business)製造業は海外と比べるとまだデータ活用に伸びしろがあるため、逆にチャレンジのしがいがあると考えました」

 また東京エレクトロンで働く最大の面白みの1つに、「ソフトウェアの知識と業界のドメイン知識の両方に触れることができる点」を挙げる。半導体製造装置は参入障壁が高く、どちらかというとニッチな領域を扱うだけに、一口に「ソフトウェア開発の知識」といっても、一般的なシステム開発やWebサービス開発とはかなり異なる知識体系やノウハウを必要とする、とも話す。

 一方の守屋さんは、東京エレクトロンで研究や製品開発を行う最大の魅力として「新しい現象を発見する楽しさ」を挙げる。現在守屋さんが力を入れている研究テーマの1つに、AIを使って半導体の新たな材料を発見する「マテリアルズインフォマティクス」がある。実際に1万3000通りの元素の組み合わせの中から、以前より圧倒的に優れた性能を発揮できる材料を発見することに成功しており、この研究は国際学会で賞を受けている。

 「半導体製造装置の開発にはさまざまな物理現象や化学反応についての理解が不可欠ですが、これをコンピュータの仮想空間上で再現して仮想実験を行えるようにすることで、手作業で実験を行うのと比べて桁違いのスピードで新たな現象を発見できるようになります。このように物理や化学の領域とAIを融合できる分野というのは他にはあまりなく、さまざまな先端技術が集結した半導体製造装置ならではのアプローチであるため、とてもやりがいを感じますね」(守屋さん)

失敗することより、失敗を恐れてチャレンジしないことの方がリスク

 守屋さんは松山さんと同じ中途入社組でありながらも、新卒5年目に東京エレクトロンに移籍して以降はずっと同社で働き続けているため、今ではほぼプロパーと変わらない感覚で働いているという。そんな守屋さんの目から見て、新たな風を招き入れてくれる松山さんのような中途入社者は「とても貴重な存在だ」と話す。

 「長く同じ会社で働いていると、どうしても考えが凝り固まってしまう傾向があるのですが、そこで松山さんのように社外から来た方が異なる価値観や知見を持ち込んでくれると自身の凝り固まった考えを正せます。マインドチェンジやイノベーションを促す上では、多様なキャリアやバックグラウンドを持つ方々に入ってきてもらう方が絶対にいいと思いますね」

普段からともに働くという和やかな雰囲気のお二人(本社オフィス)

 ちなみに守屋さんはこれまで数多くの研究成果を上げてきており、東京エレクトロン社内でも研究者・技術者として誰もが一目置く存在だ。しかしそんな守屋さんでも、自らが手掛けた研究が成功して日の目を見る確率は3割ほどだという。その他の研究が実は失敗に終わっているが、東京エレクトロンではそうした失敗がとがめられるどころか、むしろ失敗を恐れるあまりチャレンジを避けることの方がネガティブに捉えられるのだという。

 こうした東京エレクトロン独自の風土について、松山さんはこれまで働いてきた他の会社と比較しながら「東京エレクトロンは、新たなことにチャレンジすることを後押しする文化であり、失敗から学びまた次のチャレンジに踏み出せるかを重視する文化があると思います。特に私が現在担当しているDXのチームにはチャレンジ精神旺盛なソフトウェアエンジニアが集まっていて、デジタル技術を駆使してさまざまな改革に日々チャレンジしています」と話す。

同じ会社の中で「社内転職」を繰り返してキャリアを形成していく

 なお近年では自身のキャリアを形成したり、より早い成長を目指したりするために積極的に転職にチャレンジするソフトウェアエンジニアは多い。一方、東京エレクトロンのような日系の大手メーカーの一員として働くことに対して、「なかなか自分のやりたいことができない」「異動の希望がなかなか通らない」「優秀な人ほど同じ仕事に塩漬けにされる」と、どちらかというとネガティブなイメージを持つソフトウェアエンジニアもいるだろう。

 しかし守屋さんはこれまで東京エレクトロン社内で数えきれないほどの異動を経験しており、さながら「社内転職」を繰り返しているような状況だと語る。

 「私は研究者として東京エレクトロンに入社したのですが、ぜひ営業を経験したいと思って初めの半年間は営業マーケティング部門で経験を積ませてもらいました。その後は研究部門で研究に従事し、製品化のめどが立ったら今度は部下と一緒に事業部に異動して製品化に取り組んで、それが終わったらまた研究部門に戻って別の研究テーマに取り掛かるということを繰り返してきました」

 その過程では山梨や北海道、岩手などさまざまな事業所に赴任し、とある事業所では管理部門と一緒に障碍者雇用の取り組みもリードしてきた。こうした多様なキャリアの重ね方は守屋氏に限らず、東京エレクトロンでは決して珍しくないという。一般的な企業では優秀な人材であればあるほど今やっている仕事からなかなか抜けさせてもらえないが、同社では逆に優秀な人ほど異動の希望が通りやすい。事実、本社や工場を行ったり来たりしたり、海外の現地法人に自ら手を上げて赴任する社員も多いという。

 「こうした社内転職を通じてキャリアを形成していけますし、異動する先には大抵知った顔がいるので、転職するたびに人間関係の形成に苦労するようなこともありません。ですから個人的には、わざわざ会社の外に飛び出して転職しようという気も起きませんね」(守屋さん)

キャリアアップのチャンスをつかむ 「自分で選んでとにかくやってみること」「絶えず学ぶ姿勢」

 エンジニアとしても、そしてビジネスパーソンとしても既にベテランの域に達しているお二人だが、松山さんは自身の経験を踏まえつつキャリア形成に悩むソフトウェアエンジニアに次のようなアドバイスを贈る。

 「先のことをいろいろ考えてみたところで、実際にやってみると思い通りにいかないことが多いですから、『まずはやってみる』『一歩を踏み出してみる』ことが大事だと思います。転職にしても、転職先で起こることについてどれだけ想像を巡らせても答えは出ませんし、どんな選択をしても100%完璧はあり得ませんから、『嫌ならまた考え直せばいいや』ぐらいのつもりでまずは動くことを強くお勧めしますね」

 守屋さんは、いつか訪れるキャリアアップのチャンスをつかむためには、普段から勉強してチャンスに備えることが何より大事だと説く。一般的に、学生時代にどれだけ熱心に勉強していた人でも、社会人になった途端に勉強することを止めてしまう。一方、守屋さんも松山さんも会社で働きながら大学院で学んで博士号を取得し、自身のキャリアを切り開いている。

 そうした自身の経験も踏まえながら、「若いエンジニアほど論文や専門書を読んだり、大学に通い直したりと学び続けることが、将来のチャンスをつかむことにつながります」と守屋さんは力説する。そしてもう1つ守屋さんがキャリア形成の重要なポイントとして挙げるのが、「人としての器」を大きく育てていくことだ。

 「周囲や先輩からのアドバイスを素直に受け入れられずに拒んでしまうと、やがては誰からもアドバイスや支援を受けられなくなってしまいます。そうではなく、常に一歩引いて自身の振る舞いを客観視して、周囲との付き合い方に気を付けていけば、周囲からの支援やアドバイスが自然と集まる器の大きい人になれます。エンジニアとしての成長には、こうしたパーソナリティーの面での成長も不可欠だと思います」

休日はそれぞれ趣味の運動に打ち込み、ワークライフバランスを楽しんでいる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:東京エレクトロン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2023年2月21日

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。