SAP S/4HANAだけに限定されない幅広い知識とノウハウを持ち合わせたエンジニアがプロジェクトを主導Fit to Standardの考え方でシステムを変革

SAP BTPを活用し、基幹システムの周辺にSoEやSoIの“攻め”のシステムを積極的に展開していくことで競争優位性を生み出す。

» 2023年03月03日 10時00分 公開
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Fit to Standardを徹底して“アドオン地獄”から脱却

 2027年末に標準保守(メインストリームサポート)が終了する「SAP ERP 6.0」(ECC 6.0)から「SAP S/4HANA」へ――。日本の多くのSAPユーザーが今、この大きな過渡期を迎え、今後を模索している。

 ここでしっかり認識しておかなければならないのは、これまでECC 6.0を基盤に運用してきた基幹システムをそのままの形でSAP S/4HANAに乗せ換えても、投資に見合うようなメリットはほとんど得られないことだ。

 「お客さまにとって、ECC 6.0からSAP S/4HANAへアップグレードすることは目的ではなく、問題解決の本質でもありません。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進も見据えながら、より柔軟な拡張性や変化への対応力を備えたビジネス基盤を築いていくために、基幹システムのモダナイゼーションを目指す必要があります」と説くのは、JSOL プラットフォーム事業本部 プロフェッショナル(ITアーキテクト)の板東貴治氏である。

 これまで多くの日本企業は「Fit&Gap」の考え方に立ち、SAP R/3、ECC 6.0の導入を進めてきた。SAP社のパッケージをベースとしつつも、自分たちの業務のやり方に合わせるためにギャップが生じる部分をアドオン開発で埋めてきたのだ。

 「この膨大なアドオンプログラムがSAPシステム本来のメリットを失わせており、業務変革の足かせとなっています」と板東氏は指摘する。見方を変えればECC 6.0からSAP S/4HANAへの基盤のマイグレーションは、Fit&Gapによる“アドオン地獄”から脱却するための絶好のチャンスとなるわけだ。

 では今後のSAP S/4HANAではいかなる形での導入を目指すべきだろうか。板東氏が提示するのは「Fit to Standard」の考え方である。パッケージに実装された機能を標準的なプロセスとして、自社の業務をそこに合わせていくのだ。

 「SAP S/4HANAはSoR(System of Record)のコアとして、毎年のようにさまざまな機能拡張が行われています。Fit to Standardの考え方をとることで、そうした最新機能・技術のメリットを苦もなく、会社の経営を支える基幹システムに取り入れていくことが可能となります」

SAP BTPのメリットを最大限に活用

 ただし基幹システム領域のSoRだけでビジネスを回せるわけではない。自社独自の付加価値や競争優位性を生み出していくために、SoE(System of Engagement)やSoI(System of Insight)といった“攻め”のシステムを積極的に展開していく必要がある。

 繰り返すが、ここで間違っても行ってはならないのは、SoEやSoIに相当する機能をSAP S/4HANAのアドオンとして作り込んでしまうことだ。せっかく取り戻したはずのパッケージ本来の拡張性や柔軟性といったメリットが失われ、再び将来のバージョンアップへの足かせとなってしまう。

 そもそもアドオン開発をやろうとしても、人材不足という壁にはね返されてしまうのが結末だろう。SAP S/4HANAでアドオン開発を行うためにはABAP(Advanced Business Application Programming)という言語を用いるが、現在ではそのスキルを有しているエンジニアは潤沢ではない。いまさらABAPのエンジニアを育成するのも得策とはいえない。

 そこでJSOLが近年注力しているのが、オープンテクノロジーで実現されている「SAP Business Technology Platform」(SAP BTP)の活用である。

 SAP BTPとは、SAP社が提唱する「Intelligent Enterprise」というコンセプトに基づき、プロセス、データ、ヒューマン、デバイスを統合することを目的とし、SAPアプリケーションを柔軟に開発・拡張でき、データ分析・活用、プロセス・オペレーション自動化の実現、複数のシステムやアプリケーションにおいてシステム連携やデータ連携を可能にするプラットフォーム、いわゆるiPaaS(integration Platform as a Service)だ。

 アプリケーション開発においては、コア機能のside by side拡張を実現するためのフルスタックアプリケーション開発環境、迅速なアプリケーション開発やプロセス・システム連携を実現するローコード/ノーコード開発環境がSAP BTPには用意されており、ニーズやシーンに応じてSAPアプリケーションの開発や拡張を柔軟に対応することができるのだ。あわせてSAP BTP内のフレームワークや拡張機能を活用すれば、SAP S/4HANA、SAP SaaSと親和性の高いアプリケーションを効率的に開発できる。

 「JSOLではJ-Modelという独自の業界テンプレートを持っており、お客さまの要件に応じてJ-ModelとSAP BTP/SAP SaaSの2つのアプローチを使い分け、あるいは組み合わせることで、無駄なアドオン開発を避けることを基本的な考え方としています。SoEやSoIに相当する機能は基幹システムの周辺に作ってSAP S/4HANAと疎結合で連携させるわけですが、SAP社のフレームワークが備わっているSAP BTPのサービスを利用することで、開発工数の削減、基盤としての堅牢(けんろう)性、セキュリティ面での安全性の恩恵を受け、またシステムを『つなぐ』ことで保守性を高めることができ、将来のバージョンアップ時の作業負荷を軽減し、柔軟な拡張性も担保します。ローコード/ノーコードにおいては、ユーザーの現場主導を目指したものと考えます。『試行導入⇒少数精鋭・重要領域/全社導入・限定領域⇒全社利用・従量領域』といった導入推進は必要であり、またMicrosoft Excelのお化けマクロのようにならないようにガバナンスを構築することも求められます。われわれのこのようなご支援の下、ユーザーのITリテラシーが高まれば、今度はユーザー自らが考えるようになり、データの活用が一気に進んでいくと思います」

 さらにSAPグループ内外のさまざまなクラウド製品とのデータ連携も容易に実現できることも、SAP BTPを活用する大きなメリットだ。

 実際にJSOLでは業務系SaaSの「SAP Concur」「SAP Analytics Cloud」「SAP Integrated Business Planning」、デジタル化・自動化ツールの「Blue Prism」「WinActor」「Fast Accounting」、業務プロセス管理基盤の「ServiceNow」「intra-mart」など、多彩なアプリケーションやクラウドサービスを取り扱っている。SAP BTPに代表されるiPaaSを活用することで、これらのアプリケーションやSaaSとSAP S/4HANAとの柔軟な連携を進め、データドリブン経営を加速するインターナルDXの実現を支援している。

システム基盤全体を見渡すJSOLのSAP Platformソリューション

 もっともSAP S/4HANAやSAP BTPといったプラットフォームは、他のSIerも同様に取り扱っているわけだが、その提案力や開発力、使いこなしといった点においてJSOLが大きくリードしている背景には、どのような理由があるのだろうか。

 「端的に言えば、他社と異なるJSOLのコンサルタントやエンジニアの特徴は、一人一人の守備範囲が非常に広く、SAP S/4HANAだけに限定されない幅広い知識やノウハウを持ち合わせていることにあります」

 一例として、JSOLが提供している「SAP Platformソリューション」を見てみよう。一般的にSAP BASISといえばSAP S/4HANAの基盤構築や旧バージョンからのマイグレーションといったサービスを指すのだが、これに対してJSOLのSAP Platformソリューションは、外部システムとの連携構築や運用サービスまで対象範囲としているのである。

 根幹にあるのは、「お客さまのシステム基盤全体をしっかり作り込めていないと、SAP S/4HANAといえども成立せず、その優れた機能を発揮できない」という考え方だ。

 「クラウド全盛の中、SAP S/4HANAも例外ではありません。SAP BASISに求められるのも『SAP S/4HANAの構築』ではなく、『SAP S/4HANAを含んだシステム全体の構築』ができないと、真にお客さまに貢献できているとはいえません。そうした中でSAP S/4HANAだけでなく、システム基盤全体を統括することができるのがJSOLのSAP Platformソリューションです」

 例えば、受発注システムや物流システム、帳票システムなどを稼働させるためのクラウド(IaaS)の構築、複数のシステムを連結してデータやプロセスを統合するData Integration、これらのシステムの統合運用を実現するジョブ基盤、監視基盤、さらにはユーザー利便性を考慮した各システムのUI統合(フロントエンド統合、アカウント統合)、加えて、各システム・各ベンダーのプラットフォームのガバナンスの統制なども含めて対応することもあるという。

 また、必ずしもSAP社のパッケージやサービスありきではなく、多様なクラウドサービスの比較や周辺システムとの相性、コストなども含めた総合的な視点から最適なソリューションを導き出していることも、逆にSAPシステムに対する豊かな知見、実績を保有しているからこそできることのようだ。

 「SAP S/4HANAやSAP BTPは、SAP社によって仕様や規格が厳格に固められているわけですが、私たちがその狙いやアーキテクチャを理解し、プラットフォームとしてのピュアな機能に注目したならば、どのようなアプリケーションやシステムと組み合わせればより面白いことが起こるのかというアイデアが生まれてきます。JSOLの社内では、そうした取り組みが至るところで行われています」

長年にわたるSAPのプライムベンダーとして培われてきた強み

JSOL プラットフォーム事業本部 プロフェッショナル(ITアーキテクト) 板東貴治氏

 歴史的な経緯(けいい)を振り返ると、JSOLはSAPのプライムベンダーとして、1990年代半ばのERPの黎明(れいめい)期から当時のSAP R/3と深く関わり、医薬品をはじめ食品、消費財、組立製造業など、さまざまな業界の企業における“ビッグバン導入”のプロジェクトにも携わってきた。そうした中でJSOLは、SAPシステム導入や運用の方法論を確立してきたのである。

 一方、組織的にもERPのモジュール単位、あるいはインフラとアプリケーション、コネクティビティといったレイヤー単位の縦割りで、お互いが何をしているか分からないような体制ではなく、お互いの領域、特徴を理解してプロジェクトに臨んでおり、顧客と直接向き合う中でシステムのあるべき姿を、実際にシステムを使う現場の人たちの身になって考え、多岐にわたる要件に対応し、時には力仕事も厭(いと)わずこなしてきた。

 「こうした長年にわたる経験値の積み重ねが、現在のJSOLの幅広いノウハウや技術力につながっています」

 そしてこの強みを生かしながら、JSOLは今後に向けてもSAP BTPをはじめとするiPaaSのさらなる高度活用を進め、ひいてはSAP S/4HANAを中心とした幅広いシステムのモダナイゼーションを支援していく考えだ。

 「基幹システムに全てを集めるモノリシックなアーキテクチャから、マイクロサービスを疎結合で連携させたアーキテクチャへの転換を進めることで、環境変化に迅速に対応できるシステムを実現できます。また、マルチクラウド環境で提供されている各種SaaSやPaaSとの連携がまさしくこの考え方であり、今後多彩なサービスが生まれてくるでしょうが、システムを『つなぐ』といった考え方は統一されていくと思います」

 グローバル競争がさらに激化するとともに、将来がますます予測不能となる中で、日本企業の持続的な成長を支えていくシステムをJSOLは提供し続けていく。

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提供:株式会社JSOL
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2023年3月27日

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