サーバ仮想化基盤を今後どうする? Nutanixは移行先として頼れる存在か3人の業界エキスパートに聞く

仮想化基盤の新たな選択肢が求められている。次のインフラ更改までに最適なものを見つけるため、あれこれ調査している企業もある。選択肢として名前が挙がるNutanixの仮想化基盤は移行先として安心できる存在なのか。関係者3人に聞いた。

» 2024年05月29日 10時00分 公開
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 仮想化市場に新たな動きがあった。企業は、既存の仮想基盤を維持していくべきか、新たな基盤に移行すべきなのかの判断を求められている。ニュータニックス・ジャパン、日本ヒューレット・パッカード、ネットワールドの業界エキスパート3人に、@ITの三木 泉がユーザー企業を代弁する形で質問をぶつけた。

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なぜNutanixが注目されるのか

@IT 三木 泉(以下、三木) 仮想化市場に大きな変化が起きており、ユーザー企業にとって判断が難しい状況になっています。移行先の選択肢にNutanixの名も挙がりますが、企業がNutanixを選ぶ理由は何でしょうか。

ニュータニックス・ジャパン 川田智史氏(以下、川田) Nutanixは2009年に創業しました。2011年に仮想化ソフトウェア市場に製品をリリース後、急速に成長し、世界で約2万5000社のお客さまが(Nutanix製品を)導入しています。こうした実績から、今回の状況を踏まえた仮想化基盤の選択において、有力候補の一つになると自負しています。

 Nutanixはハイパーコンバージドインフラ(HCI)の企業というイメージが強いかもしれませんが、現在はHCIをコアにし、オンプレミスの仮想環境基盤、プライベートクラウド基盤の他、2020年からは「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」といったパブリッククラウドでの稼働にも対応しています。Nutanixは、お客さまのハイブリッドクラウドやマルチクラウド(以下、ハイブリッド・マルチクラウド)環境の基盤として幅広く利用可能となっています。加えて、お客さまが保有されている資産をNutanix環境で活用するための新たな仕組みの提供も計画しています。

画像 ニュータニックス・ジャパンの川田智史氏(パートナーSE本部 シニアシステムズエンジニア)

 このように、今後も企業で必要になるハイブリッド・マルチクラウドの統合環境を提供できる点が選ばれるポイントだと考えています。

三木 既存の3層構造(3Tier)インフラを別の環境に移行するのは勇気がいることだと思いますが、その点はどうでしょうか。

川田 実態として「3Tierの構成を今後もずっと維持したい」というお客さまは減少傾向にあります。多くのお客さまが、業種や規模、稼働するアプリケーションにかかわらず、移行先としてNutanixを積極的に検討しています。

 システム移行では、お客さまはハイパーバイザーを「Nutanix AHV」(以下、AHV)に切り替える必要がありますが、Nutanixは「Nutanix Move」という移行ツールを提供しており、仮想マシンを最小限のダウンタイムで簡単に移行できます。このNutanix Moveは、最近提供されたものではなく、国内でも既に多くお客さまが移行に利用しており、しっかりとした実績があります。

ハードウェアを提供するHPE、ディストリビューターであるネットワールドの見解

三木 日本ヒューレット・パッカード(HPE)はサーバを提供する立場ですが、仮想化環境の移行についてどう考えていますか。

画像 日本ヒューレット・パッカードの一川佑子氏(デジタルセールス・コンピュート事業統括本部 コンピュート製品本部 アライアンス&ソリューション開発部)

日本ヒューレット・パッカード 一川佑子氏(以下、一川) 「HPE ProLiant」サーバは、x86サーバとして30年の実績があります。それに加え、利用する仮想化ソフトウェアが何であれ、同じように動作検証し、品質を確保しています。仮想化環境が変わってもHPE ProLiantサーバであることは変わりません。仮想化基盤をNutanix環境に移行しても、同じようにインフラ環境を提供できる点が強みだと思います。

三木 動作検証や品質検証などはベンダーが変わっても同じということですね。Nutanixと特別に取り組んでいることはありますか。

一川 まず、豊富なラインアップを取りそろえていることですね。IntelやAMDのCPUを搭載したモデルや、GPUを搭載したモデルもあります。最近では、AI(人工知能)向けに多くのGPUを搭載できるモデルもそろえました。Nutanixのストレージサービスには、ファイルサーバ機能「Nutanix Files」やオブジェクトストレージ「Nutanix Objects」などがありますが、それらに最適化してより多くのストレージを搭載可能なサーバも用意しています。

川田 Nutanixは数年前に仮想化GPU(vGPU)に対応済みで、NVIDIAとともにAIソリューションを提供しています。海外ではAI活用のプラットフォームとしてNutanixを利用する事例が増えています。「Nutanix GPT-in-a-Box」というソリューションも提供しています。名前に「GPT」とありますが、生成AIに限らず、AI/ML(機械学習)が求められるさまざまなシーンで活用できます。

三木 ディストリビューターであるネットワールドでは、現在の状況をどう考えていますか。

ネットワールド 安井清明氏(以下、安井) 新たにNutanixを扱いたいというパートナーの声が非常に多くなっていて、ディストリビューターとして積極的に訴求しています。よくある問い合わせとしては、製品そのものへの質問や支援体制についての相談、既存の3Tier構成システムとNutanixとの比較などがあります。

Nutanix環境に移行する際の注意点やポイントとは

画像 ネットワールドの安井清明氏(マーケティング本部 インフラマーケティング部 データセンター課)

三木 ユーザー企業としては、移行に当たってどういった点に気を付ければいいでしょうか。

安井 Nutanix独自ハイパーバイザーであるAHVは、他の仮想化ソフトウェアと同等の機能を提供しており、導入実績も豊富で安心して利用できます。ハードウェアについては、既存の3Tier構成からNutanix対応モデルに移行する場合、Nutanix Moveを活用できます。設定や移行手順も非常にシンプルで、移行期間の短縮につながる有効な移行ツールです。

三木 障害対応や災害対策も重要です。どういう代替機能や考え方がありますか。

川田 障害に対するNutanixのアプローチは“自然治癒”です。ディスクやノード(サーバ)が壊れた場合も、残っているシステムリソースで自然復旧を試みます。これは「何か問題が発生しても、可能な限り管理者の業務負担を抑える」という思想から生まれた仕組みです。

 データ保護についてもさまざまな機能を提供しています。スナップショットベースのバックアップやNutanixクラスタ間のデータレプリケーション、サードパーティー製品との連携など。他にも、Webサイトに障害が発生した場合にWAN越しでDR(災害復旧)することも可能です。NutanixのDR機能は、計画停止やテスト、フェイルオーバー時の処理を自動化するオーケストレーション機能も提供しています。また、お客さまのシステムで、何か重大な障害が発生した場合、弊社のサポート担当者からお客さまへご連絡させていただく仕組みも提供しています。

三木 ライセンスや導入、運用コストについてはどうですか。

安井 Nutanixをはじめ、多くの仮想化ベンダーのライセンスは、簡潔に表現すると「パッケージ売り」へ移行しています。以前は、製品ごと個々にライセンス形態が定められており、必要な製品を決められた課金体系に沿って必要な分購入する、という形式でした。パッケージ化されたことで、ライセンスの種類が限定され選定しやすくなった一方で、利用する予定のない機能が同梱(どうこん)されているケースもあり、結果的にライセンスコストの上昇が懸念されます。

 Nutanixはパッケージ化されたシンプルなライセンスでありながら、個々に購入可能なオプションライセンスも多く用意されており、利用用途と予算に合わせて柔軟にライセンス選定ができます。

「安心して使い利用できる体制を整えていく」

一川 導入や運用という観点で、「HPE GreenLake」を利用するという選択肢もあります。HPE GreenLakeは、NutanixのソフトウェアとHPEのハードウェアをセットにして実際に利用した分だけを支払うという、HPEならではのユニークな従量課金ベースの提供モデルになっています。Nutanixのライセンスやハードウェアの増強、リプレースなどを気にすることなく、Nutanix環境を利用でき、過剰な投資を抑えられます。

三木 通常の購入方法以外に、HPE GreenLakeがあることでユーザーの選択肢が広がるのですね。移行や移行後の支援内容にはどのようなものがありますか。

安井 ネットワールドはお客さまの要望に合わせて、サイジングから導入までの幅広いフェーズを一括でサポートします。Nutanix環境への移行はもちろん、ディストリビューターして他のプロダクトやソリューションと組み合わせた複合システムへの移行も柔軟に対応しています。今後もNutanixを安心して提案、導入できるよう、販売支援サービスを拡充していきます。

一川 仮想化環境の導入や移行については、P2V(物理から仮想への移行)の支援実績など、HPEにも多くのノウハウと経験があります。Nutanixと一緒にお客さまをサポートしながら、今後、既存環境からNutanixへの移行実績を増やし、安心してNutanixを利用できる体制を整えていきます。

川田 Nutanixは、オンプレミスでの仮想環境基盤として誕生し、10年以上にわたって機能強化や進化を重ねました。現在では、単なる仮想環境基盤ではなく、オンプレミス、エッジ、プライベートクラウド、パブリッククラウドを意識せず運用可能なハイブリッド・マルチクラウド環境の基盤となっています。保守サービス体制も整えており、3Tierシステムの移行先としてお客さまが安心して利用できるように、日本法人としても体制を引き続き強化していきます。



 仮想化環境のユーザー企業を取り巻く状況は不透明だ。とすれば、次のライセンス更改時にどんな決断をするにせよ、有力な代替選択肢を、十分な余裕をもって調べておく必要があるだろう。

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提供:日本ヒューレット・パッカード合同会社、Nutanix Japan合同会社、株式会社ネットワールド
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2024年6月4日

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