WebDAVクライアント/サーバ環境の構築:次世代プロトコルWebDAVの可能性(2)(2/2 ページ)
さらに発展が期待できるWebDAVだが、すでに使える実装は存在する。ここではLinuxによるWebDAVサーバの構築と、サーバにアクセスするためのクライアント環境の整備について解説する。
クライアント環境の整備
WebDAVを利用するためには、クライアントもそれに対応したものが必要になる。クライアントとして最も利用されるであろうWindows、そしてUNIX(Linux)それぞれについて、順番に見ていこう。
Windowsは標準機能のWebフォルダで
ここでは、一番お手軽と思われるWindows 9xやWindows 2000のWebフォルダ機能を用いることにしよう。cadaverなど、UNIX環境で利用できるクライアントについては後述する。
ここで取り上げる設定は、Windows 2000 Professionalのものだが、Windows 98などでも似たような手順で設定できる。
[ネットワークプレースの追加]をクリックして、[ネットワークプレースの追加ウィザード]を起動(画面1)。
「ネットワークプレースの場所を入力してください」にURLを入力する(画面2)。
WebDAVでの接続が可能であればこの画面になる。必要であればネットワークプレース名を変更し、[完了]ボタンを押せば設定は終了(画面3)。
作成したWebフォルダに対して、ファイルをコピーしてみよう(画面4)。
なお、古いバージョンのWebフォルダを利用しているときに、大きなファイルをWebフォルダ内に作成すると途中でエラーが発生してしまうことがあった。しかし、Internet Explorer(以下IE)のバージョンを新しいものに置き換える(筆者はIE 5.5 SP2)ことによって、事象の再発はなくなった。
UNIX用クライアント、cadaver
Windowsでは、Webフォルダを利用することでWebDAVリソースを取り扱うことが可能であるが、UNIX系のOSではどのようにするのか?
という問題が出てくる。UNIX用クライアントの実装はいくつかあるが、ここではCによる実装を主に取り上げたい。
cadaverは、コマンドラインによる利用を想定したWebDAVクライアントである。2001年9月14日時点の最新版は0.17.0で、http://www.webdav.org/cadaver/でソースコードのアーカイブ類が入手可能である。
cadaver 0.17.0のアーカイブはhttp://www.webdav.org/cadaver/cadaver-0.17.0.tar.gzになる。上記のアーカイブを入手して展開し、作成されたディレクトリ(cadaver-0.17.0)配下に移動して、
$ ./configure $ make $ su root # make install
とすれば問題なくインストールされる(注)。
注:とはいっても、環境によってはconfigureで失敗することがある。筆者の環境では、libexpatはあるがxml関係のヘッダがないというエラーが出たことがある。このような場合は、cadaverのexpatライブラリを利用するようにconfigureパラメータで与えるなり、一時的にexpatライブラリを見えなくするなりして対処してほしい。そのほか、Apache 2.0のCVS snapshotを使っているとコンパイルできなくなることもある。
cadaverの起動も簡単で、
$ cadaver http://www.foo.bar/DAV/
とすれば、URLで示した(この場合はhttp://www.foo.bar/DAV)WebDAVサーバに接続される。cadaverで利用可能なコマンド一覧を表4に示す。
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そのほかのWebDAVクライアント
以下に、そのほかどんなWebDAVクライアントがあるかを示す。もちろん、これだけということはないので、自分の用途に合ったものを探し出すなり、なければ作るなりすればよいだろう。
- SkunkDAV
Javaで記述されたWebDAVクライアン
http://skunkdav.sourceforge.net/ - PerlDAV
Perlで記述されたWebDAVクライアント
http://www.webdav.org/perldav/ - sitecopy
rsync/rcpのDAV版ともいうべきツール
http://www.lyra.org/sitecopy/ - MacOS X
デフォルトでWebDAVに対応
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