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マイクロソフトライセンス認証(Microsoft Product Activation)Windows Q&A(3/3 ページ)

Windows OSやOfficeに代表されるマイクロソフトのソフトウェア製品に導入されている「ライセンス認証(プロダクトアクティベーション)」。その仕組みは? どんなことに注意すべきか?

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Q:Windows Vistaでは、アクティベーションの仕組みが変更されたのか?

A:ボリュームライセンス版を除き、アクティベーションの仕組みは、基本的にWindows XPと同じである。プロダクトキーとハードウェアの構成情報を元に登録、認証を行う点も同じだ(詳細は「Q:ライセンス認証の仕組みは?」を参照)。  若干異なるのが、猶予期間(30日間)を過ぎてもアクティベーションを実行しなかった場合の動作だ。Windows XPでは、ログオンしようとすると、アクティベーションを促す画面が表示されたが、Windows Vistaの場合は、フル機能が使えなくなる「機能制限モード」へと移行する。機能制限モードでは利用できる機能が大幅に制限され、起動後1時間後で強制的にログオフされてしまう。なお、この機能制限モードへの移行は、Windows Vista SP1で廃止され、アクティベーションを促す警告を頻繁に表示するように変更される予定だ。

Q:Windows Vistaでボリュームライセンスのアクティベーションに変更はあるのか?

A:ボリュームライセンスについては、Windows Vistaで大幅に変更が加えられている。Windows XPで採用された「ボリュームライセンスキー 1.0(Volume License Key 1.0:VLK 1.0)」と呼ばれる認証方法では、プロダクトキーを使用して、管理者が各コンピュータにボリュームライセンスキーをインストールすることで、個々のコンピュータによるアクティベーションは不要とした。

 しかしこの方法は、ボリュームライセンスキーが盗まれたり、インターネットに漏えいしたりして、場合によっては組織全体のボリュームライセンスキーの変更が迫られることがあった。そのためWindows Vistaでは、新たにボリュームライセンスのアクティベーション方法として、MAK(Multiple Activation Keys)とKMS(Key-Management Service)の2種類を用意している。

  VLK 1.0 VA 2.0 MAK VA 2.0 KMS
対象OS Winodws XP Windows Vista、Windows Server 2008 Windows Vista、Windows Server 2008
対象 ボリュームライセンスによるライセンス認証が必要なコンピュータ ボリュームライセンスによるライセンス認証が必要なコンピュータで、組織のネットワークにほとんど接続されないコンピュータもしくは25台以下のコンピュータ環境 ボリュームライセンスによるライセンス認証が必要なコンピュータで、組織のネットワークに接続されたコンピュータ
認証を行うために必要な設定 VLKをunattend.txtファイルに埋め込む なし KMSホストにVLKをインストールし、DNSに必要な設定を行う
最初の認証までの猶予期間 なし 30日間 30日間
アクティベーション 不要 MAKキーを入力 KMSホストに対して実行
ライセンス認証の有効期間 永久 ハードウェアの構成を大幅に変更しない限り有効 180日間
再アクティベーション 不要 不要(ハードウェアを大幅に変更した場合には必要) KMSホストに対して実行
ボリュームライセンスによるアクティベーションの違い

Q:MAKによるアクティベーションの仕組みは?

A:MAKは、組織のネットワークにほとんど接続されないコンピュータもしくは25台以下のコンピュータ環境を対象としたアクティベーションの仕組みである。

 MAKでは、ボリュームライセンスされたコンピュータをインターネット経由でマイクロソフトのプロダクト認証センターと接続することで、アクティベーションが行われる。つまり、ライセンスキーがボリュームライセンス用のものとなり、同じキーで複数台のアクティベーションが可能な他は、パッケージ製品などと仕組みは同じということになる。アクティベーションの有効期間も、ハードウェアを大幅に変更しない限り、永久である点も同じだ。

 またインターネットに接続できないコンピュータの場合は、マイクロソフトのコールセンターに連絡してMAK認証コード(確認ID)を取得し、スクリプトを利用して認証コードをインストールすれば、アクティベーションできる。

Q:KMSによるアクティベーションの仕組みは?

A:KMSは、組織のネットワークに接続されたコンピュータ、特に25台以上のコンピュータ環境を対象としたアクティベーションの仕組みである。

 KMSのアクティベーションでは、まずボリュームライセンスキーをインストールした組織内のコンピュータをマイクロソフトのプロダクト認証センターに接続して、認証を行う。次にこのコンピュータをKMSサーバとし、他のコンピュータはこのKMSサーバを使って認証を行う。なおKMSサーバは、ハードウェアの大幅な変更が行われない限り、いったんプロダクト認証センターによる認証を受けると永久に有効となる。

KMSによるアクティベーションの仕組みと有効期間
KMSによるアクティベーションの仕組みと有効期間
KMSによるアクティベーションでは、KMSサーバとなるコンピュータだけがプロダクト認証センターに接続して認証を受け、組織内のコンピュータはKMSサーバによって認証を行う。ただし、他のアクティベーション方法とは異なり、アクティベーションの有効期間が設定されている。

 MAKと異なり、KMSによってアクティベーションされたコンピュータには、180日間のアクティベーションの有効期間が設定される。デフォルトでは、7日間ごとにアクティベーションの自動更新が行われる。つまり、KMSサーバが存在するネットワークに接続されている場合は、7日間ごとにアクティベーションが実行され、有効期間が延長されることになる。

 アクティベーションの有効期間を過ぎても、KMSサーバによる再アクティベーションが受けられない場合、自動的に30日間の猶予期間に移行する。猶予期間中は、デフォルトでは2時間ごとにKMSサーバによる認証を受けようとする。さらにそのまま猶予期間が経過すると、自動的に機能制限モードに移行する。

 KMSによるアクティベーションは、アクティベーションのために社内のコンピュータが一斉にプロダクト認証センターに接続することで、ネットワーク帯域を圧迫するといった不都合を回避できる。またKMSの管理ツールにより、アクティベーションされているコンピュータ数の把握が可能なので、ライセンス管理も可能であるというメリットもある。

■更新履歴

【2007/12/20】Windows Vista向けの情報を追加しました。「Windows Vistaでは、アクティベーションの仕組みが変更されたのか?」からまとめています。

【2002/05/23】初版公開。


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