検索
連載

CAPTCHA(Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart)とは

CAPTCHAとは、主にWebサービス上で、自動化されたプログラム(bot)によるサービスの不正利用を防ぐための仕組みを指す。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 CAPTCHAとは、主にWebサービス上で、自動化されたプログラム(bot)によるサービスの不正利用を防ぐための仕組みを指す。CAPTCHAは略称であり、正式名称は「Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart」という。

 botのようなプログラムは、短時間のうちに人間にはできない量のログイン試行、アカウント生成などの操作を行うことから、サービスの運用上、問題となることが多い。そこで、アクセスしてきたユーザーが人間かbotかの判定を行うことで問題を解決しようとするものがCAPTCHAである。

 CAPTCHAの種類は幾つか存在するが、有名な方式は、やや読みにくい文字列が含まれた画像を表示し、ユーザーがその文字列を正しく入力できたかどうかで人間か否かを判定するといったものである。ゆがんでいたりノイズが混じっていたりする文字を読み取ることはコンピュータにとって容易ではないため、botでは正確に回答することが難しい。その特性を逆手に取った技術といえる。

 しかし、bot対策のため文字列を読みにくくし過ぎた結果、人間であっても判読が難しくなってしまう場合もあった。そのため、最近では幾つかの画像から特定の種類のものを選択させたり、画像における特定の一部分を選択させたりするような別の方式も広まっている。また、視覚が不自由なユーザーでもCAPTCHAに回答できるようにするため、画像の代わりに音声を流し、それを聞き取ることで回答ができるようになっているものもある。

 なお、CAPTCHAをbot対策以外でも利用する試みがある。書籍をデジタル化する目的で始まった『reCAPTCHA』というプロジェクトでは、CAPTCHAを用いた本来のbot対策としての機能を提供しつつ、その入力結果を機械的な文字認識で読み取ることができなかった部分の判読に活用している。最近のreCAPTCHAでは前述した複数の方式も採用しており、得られた結果は標識や被写体の判別など、単純な文字以外の解析にも利用されている。

関連用語

CSRF

■更新履歴

【2004/1/1】初版公開。

【2018/7/17】最新情報に合わせて内容を書き直しました(セキュリティ・キャンプ実施協議会 著)。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Security & Trust 記事ランキング

  1. ランサムウェア攻撃を受けた企業、約6割が「サプライチェーンのパートナー経由で影響を受けた」 OpenText調査
  2. 長続きする高度セキュリティ人材育成の秘訣を「第19回情報危機管理コンテスト」から探る
  3. セキュリティ専門家も「何かがおかしいけれど、攻撃とは言い切れない」と判断に迷う現象が急増 EGセキュアソリューションズ
  4. インサイダーが原因の情報漏えいを経験した国内企業が約3割の今、対策における「責任の所在」の誤解とは
  5. OpenAIの生成AIを悪用していた脅威アクターとは? OpenAIが脅威レポートの最新版を公開
  6. セキュリティ担当者の54%が「脅威検知ツールのせいで仕事が増える」と回答、懸念の正体とは? Vectra AI調査
  7. 人命を盾にする医療機関へのランサムウェア攻撃、身代金の平均支払額や損失額は? 主な手口と有効な対策とは? Microsoftがレポート
  8. 米国/英国政府が勧告する25の脆弱性、活発に悪用されている9件のCVEとは、その対処法は? GreyNoise Intelligence調査
  9. AIチャットを全社活用している竹中工務店は生成AIの「ブレーキにはならない」インシデント対策を何からどう進めたのか
  10. 「このままゼロトラストへ進んでいいの?」と迷う企業やこれから入門する企業も必見、ゼロトラストの本質、始め方/進め方が分かる無料の電子書籍
ページトップに戻る