第6回 Exchange Server 2003データベースの仕組み:基礎から学ぶExchange Server 2003運用管理(3/3 ページ)
Exchange Serverのメールなどを格納するデータベース(ストア)、障害復旧を可能にするトランザクション・ログの仕組みと構成。
トランザクション・ログ・ファイルは、デフォルトでは「E00.log」という名前で、[ストレージ・グループ]ごとに作成される。トランザクション・ログ・ファイルの名前と作成場所を確認および変更するには、次のようにシステム・マネージャを操作する。
トランザクション・ログ・ファイルの名前と作成場所の確認、変更
トランザクション・ログ・ファイルの名前と作成場所の確認、変更をするには、システム・マネージャで[ストレージ・グループ]の[プロパティ]を開く。
(1)ファイル名を確認したい[ストレージ・グループ]を右クリックして[プロパティ]を選択する。
(2)ファイルが作成されるフォルダ。デフォルトでは、Exchange Serverがインストールされたフォルダ(C:\Program Files\Exchsrvr)配下のmdbdataフォルダに作成される。
(3)ファイル名の先頭に付加される文字。1つ目の[ストレージ・グループ]はE00、2つ目はE01のように、E0xという先頭文字が付き、「E0x.log」がファイル名になる。
(4)[循環ログを有効にする]チェック・ボックスはチェックしないようにする(デフォルトは未チェック)。もしチェックした場合は、古いトランザクション・ログを残さないようになり、障害発生直前までのデータ回復ができなくなるので注意してほしい。
■古いトランザクション・ログ・ファイル
現在(カレント)のトランザクション・ログ・ファイルは、E00.logであるが、このファイルの大きさは5Mbytes(5120Kbytes)と決まっている。このファイルが満杯になると、古いトランザクション・ログ・ファイルとしてファイル名が変更されて保管されていく。このファイルは「プレビアス・トランザクション・ログ・ファイル」と呼ばれる。プレビアス(previous)は「以前の」という意味である。ファイル名は、E0x(1つ目の[ストレージ・グループ]ならE00)を先頭文字に、E0x0000n.logという名前になる。nは0〜F(16進)の連続番号になる。ちなみに、OracleやDB2では以前のログ・ファイルは、アーカイブ・ログ・ファイルと呼ばれる。
トランザクション・ログ・ファイルの移り変わり
現在(カレント)のトランザクション・ログ(E00.log)の大きさは5Mbytes(5120Kbytes)と決まっている。ファイルが満杯になると、ファイル名が変更されてプレビアス・トランザクション・ログとして保管されていく。
■チェックポイント・ファイル
チェックポイント・ファイルは、E0x.chk(1つ目の[ストレージ・グループ]ならE00)という名前のファイルである。このファイルは、どのトランザクション・ログまでが実際のデータベースへ反映されたのかを管理するために利用され、障害復旧時には欠かせないファイルとなる。このファイルの具体的な役割を知るには、「eseutil」というコマンドライン・ツールを利用するとよい。このツールは、Exchange Serverがインストールされたフォルダ(C:\Program Files\Exchsrvr)配下の「bin」フォルダにあり、/MKスイッチを指定することで、チェックポイント・ファイルの中身を参照できる。
eseutilツールでチェックポイント・ファイルの中身を参照
eseutilツールを/MKスイッチ付きで起動することで、チェックポイント・ファイルの中身を参照できる。
(1)コマンドプロンプトを開き、cdコマンドでeseutilツールが格納されているフォルダへ移動する。
(2)eseutilツールで/MKスイッチを指定し、mdbdataフォルダにあるチェックポイント・ファイル「E00.chk」を指定する。
(3)Checkpointセクションの最初の引数に指定された番号のプレビアス・トランザクション・ログ以降が実際のデータベース(.edb)へ更新が反映されていないトランザクション・ログになる。ここでは「0x3」と表示されているので、E0000003.log以降のプレビアス・トランザクション・ログが実際のデータベースへは反映されていないということである。例えば、プレビアス・トランザクション・ログがE0000001.log〜E0000005.logの5つあった場合は、E0000001.logとE0000002.logは反映済み、E0000003.log〜E0000005.logの3つは未反映ということである。
今回は、Exchange Serverのデータベースのファイル構成(.edb、.stm)やトランザクション・ログ・ファイルといったデータベースの仕組みを説明した。これらは、バックアップと復旧には欠かせない知識となる。次回は、Exchange Serverの具体的なバックアップ方法、障害からの復旧手順について解説する予定である。
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