Integration Servicesで異種データも楽々インポート:SQL Server 2005を使いこなそう(1)(1/3 ページ)
5年ぶりのメジャーバージョンアップとなったSQL Server 2005。本連載では、SQL Server 2005への移行を検討しているデータベース管理者に向け、新規に実装されたさまざまな機能の詳細を紹介していく。(編集局)
SQL Server 2005で生まれ変わったDTS
主な内容
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SQL Server 2005で生まれ変わったDTS
エンタープライズレベルに到達したIntegration Services
開発・管理環境の統合
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新しいアーキテクチャ
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パッケージの管理性向上
まとめ
SQL Server 2000までDTS(Data Transformation Services)として提供されてきたETLツールが、SQL Server 2005より「SQL Server Integration Services」(以下、SSIS)として一新された形で提供されます。
DTSと同じく、SQL Serverに付属する形で提供されるSSISですが、単なる付属ツールという枠には収まらない非常に多くの機能拡張が行われています。一度にすべてを紹介することはできないので、今回は概要編、次回は実践編という位置付けで、2回にわたってSSISに関する情報をお届けします。
エンタープライズレベルに到達したIntegration Services
SSISの機能紹介に入る前に、まずETLツールとは何を目的としているか、まずはそのあたりを確認しておきましょう。
ETLとは「Extract/Transform/Load」の略称です。企業に存在するさまざまなデータをExtract(抽出)し、利用しやすい形にTransform(変換)を行い、データウェアハウスなどのシステムにLoad(ロード)する一連の処理、運用の支援を行うサービスをETLツールと呼びます。
企業には多種多様な形でデータが存在します。営業マンが管理するExcelシートからERPやCRMなどの巨大システムを支えるデータベースまで、その利用目的から保存形式まで実にさまざまです。これらのデータを抽出/変換/ロードするための専用システムを開発するには、非常に大きなコストが必要でした。SQL ServerやOracle、DB2などのRDBMSや、テキストファイル、Officeドキュメントなど多くのデータソースに対応し、さらにはFTPでの接続やメール送信、処理失敗時の処理など、開発しなければならない機能群は、どれも複雑かつ困難です。
このような問題に対する1つの答えが、SSISなどのETLツールです。ETLツールは、GUIによってデータの加工や取得といったタスクの設計・開発を容易に行うことができ、コストを抑えながら、精度・パフォーマンスを維持したETL処理を開発することが可能となります(図1)。
多数のシステムを運用する企業では欠かすことのできないETLツールですが、SQL Server 2000のDTSは企業環境で使うには開発環境の生産性や運用性に不足がありました。SQL Server 2005ではこのような点を踏まえ、エンタープライズレベルに対応するための生産性や運用性にかかわる機能強化が多く行われています。ここからは、SSISで強化されたポイントを取り上げます。
開発・管理環境の統合
SQL Server 2000までは、ETL処理の開発環境としてDTSデザイナが提供されてきましたが、SQL Server 2005では、新たに提供される開発ツール「BI Development Studio」を利用することになります(図2)。BI Development Studioは、Visual Studio 2005のシェルによってVisual Studio 2005と同様のユーザーインターフェイスを実現した統合開発環境です。GUIによるオブジェクトのドラッグ&ドロップを中心としたETL処理の開発に加え、Visual Studio 2005と同様にプロジェクトの管理やデバッグなども可能です。また、BI Development StudioにはIntegration Servicesだけでなく、Analysis ServicesやReporting Servicesなどの開発環境も統合されています。
また、SQL Server 2000でおなじみだった「DTSインポート/エクスポートウィザード」もBI Development Studioより行うことができます。単純なETL処理は、インポート/エクスポートウィザードを利用することにより素早く作成することができます。
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